市場はリスク度外視、ワクチンへの期待感から急騰中
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- 2020年12月18日
- トピックス
「今話している最中にも泣きそうです。私が受けたのはただのワクチンではなく、希望の注射を受けたかのように思います。」
今週初めにCOVID-19の予防接種を受けた、カンザス州ウィチタの医師マギー・ヘーガンの言葉だ。(『ニューヨーク・タイムズ』より)
パンデミックとの戦いの最前線にいる数千人以上の医療従事者や重症化リスクの高い高齢者が彼女の後に続いており、これから数週間から数ヶ月の間に数百万人以上がさらに続くことになる。
投資家も一般市民もトンネルの先に光を見出したようだ。米国内でワクチン接種が開始したニュースと2021年に政府から「お金の洪水」が供給される期待感が重なりマーケットには投機目的の投資資金が溢れている。
投機的な社債=ジャンク債の発行が大復活を遂げ、ハイリスクの「SPAC(特別買収目的会社)」のIPOが急増。超富裕層に自家用ヘリコプターや水上飛行機、ジェットサービスを提供している企業が市場で数億ドルを調達しているのだ。一方で、家計を保つのも困難な人が記録的な数に及んでいるほか、失業率は、大不況時の水準が続いている。COVID-19によって大打撃を受ける2月以前と同じようにお金が湯水のように再び垂れ流されている。
強気のセンチメントが極端な時には、一旦深呼吸をして、一歩下がって高揚感に浸らないのが一番だと思う。同時にマーケットが抱えるリスクを考えてみる機会となっている。そして、恐らくあなたは、ハイリスクな投機ではなく、セーフマネー投資戦略に専念して利益を得たいと思うのでは無いだろうか。
だからと言って、利益を求めることを諦める必要はない。セーフマネーのアプローチは、現在もまだ非常に好調だ。私が選んだ株やETFのいくらかは、持続的な良い利益を生み出し、我々の収益向上に貢献している。
金・銀・鉱業株も感謝祭直後に引き戻しを終え、現在は上昇に向けて足掛かりを作っているようだ。そして際限のないマネーの増刷、記録的な政府債務残高と歴史的な政府支出からあなたの資産を守る他の代替資産クラス(仮想通貨など)は驚くほど好調だ。
つまるところ、市場はホリデーシーズンに向かって勢いがある。さらに2021年を良い年にする強力な促進剤や期待感から勢いは強まっている。マーケットの無謀さとセンチメントの異常な高まりには、リスクが残り、危険が高まり続けている。
2020年という試練の年が終わりに近づくにつれ、この点を心に留めておこう。
それではまた。
マイク・ラーソン