金の弱気相場が長続きしない理由
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- 2021年3月12日
- トピックス
2021年の金相場は、下落歩調を辿っている。金価格は、一時9カ月ぶりの安値に達した。
だが、私は、この状況は長くは続かないと考えている。
直近では、弱気相場が長引いているが、強気相場がすぐそこまで来ていることを示すチャートをご紹介したい。
まず、今年に入って金価格が約9%下落している事実を見ていこう。
この動きの一番明白な要因は次の2つだ:
1. 投資家が新型コロナワクチンの接種が始まり、パンデミック後の経済回復を期待している。
2. 景気刺激マネーの洪水によって、投機的な現金が仮想通貨にも流れ込み、金から資金が流出している。
しかし、1つを特定するとすれば、米10年国債利回りの上昇だろう。
米国10債利回りは、12カ月ぶりの高水準にある。
米国債利回りは上昇トレンドにあり、金は下降トレンドにあることがわかる。この状況はしばらく続いているものだが、米長期金利は、ここ数週間で一気に上昇した。
長期金利のこのところの上昇を巡って、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁が、「米連邦準備理事会(FRB)が対応する必要はない」と発言したことで、債券トレーダーが大喜びし、状況は加速した。
では、米国債利回りの上昇はなぜ金価格に売り圧力をかけるのか?
金はインフレヘッジと見なされているが、金利がつかない。米国債利回りが上昇すると、金は投資家にとって投資妙味を失い始める。
この構図は、金ETFのチャートで見ることができる。
ブルームバーグがまとめたデータによると、金の現物を保有するETFの保有量は3月頭に14トン以上減少し、過去3カ月間で最大となった。金の保有量は11営業日連続で減少し、去年7月以来の低水準となっている。
これらのデータは喜ばしいものではないが、朗報もある。
FRBによる金利の引き下げ
市場では、投資家が一方に偏っている。これは今後逆方向へ動くであろうし、またその動きが必要でもある。
この動きは何をきっかけに起こるのか?
私は、ジョージ総裁以外の地区連銀総裁が、「FRBは金利をコントロールするためなら何でも行う」ことを示唆するだろうと予想している。
なぜかというと、そうせざるを得ないからだ。
ここに興味深い事実がある:
調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの創業パートナーでCEOのルイ=ヴィンセント・ガベ氏によると、「米国政府の資金調達コストが0.5%上昇すれば、アメリカ海軍の年間コストに相応し、0.3%の上昇は、アメリカ海兵隊のコストに相当する」という。
つまり、政府に高い金利を支払う余裕はないのだ。
銅の動きを注視する
もう1点ある。景気回復の波に乗るには、銅が最適だ。 インフレ対策にもなる。 経済が過熱し、それに伴って価格も上昇していく中で、銅の生産会社には価格決定力があるからだ。
ここで、あなたが見ておくべき2つのチャートを紹介しよう。まず、銅価格と米国10年債利回りの比率を示すチャートだ。
なぜこれが重要なのかというと、この比率は、金が今後どうなるかを示す優れた指標だからだ。
銅価格/米国10年債利回り比率の下にあるのは、金価格のパフォーマンスで、高値と安値がほぼ同じ時期にあるのがわかる。
興味深いことに、銅価格/米10年国債利回り比率は2月25日に底入れとなったばかりだ。これは、金がこれから上昇する事を示す強い指標だ。
底値に達したGLD
2つ目は、金ETF最大手であるSPDRゴールド・シェア(GLD)のチャートだ。
GLD(と金)が下降トレンドに入っており、GLDはその底値に達したところだ。完璧とまでは言えないが、ここから少なくとも下降トレンドの開始ポイントまで、明らかに反発すると見られ、金であれば7%の動きに相当すると考えられる。
要点:市場は今、金は破滅したと思っている。私は、次の金ブームはすぐそこだと思っている。この状況を作り出しているのは、主にウォール・ストリートの貴金属に対する一方的な賭けによるものだ。
金は、その輝きを放つ時が近づいていると同時にレア・アース関連銘柄も、再び見直されるタイミングが直近に迫っている可能性があるだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック