ロビンフッドのIPOに代わる眩惑的な選択肢を検討しよう
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- 2021年7月29日
- トピックス
資本市場の汚点まみれの弱点が、今、詳細に調査されようとしている。
調査の対象は、最も人気のある取引プラットフォームの一つであるロビンフッドのお披露目パーティーで、オンライン巨大企業である同社の経営者たちは29日に新規株式公開(IPO)を行う。カリフォルニア州メンロパークを拠点とする同社は急成長を遂げており、幹部たちは20億ドル余りの資金調達を見込んでいる。
ただし、投資家はロビンフッドではなく、代わりにエム・エス・シー・アイ(MSCI)を購入すべきだ。
ロビンフッドはオンライントレードを最初に始めたわけではないが、同社は確実にレベルを上げている。
創業者のVlad Tenev氏とBaiju Bhatt氏は、2013年にソーシャルメディアやスマートフォン、オンライン投資を融合させるという天才的なアイデアを思いついた。そして、スタンフォード大学の学生たちは、投資家たちが無料で端数をシームレスに購入できる方法を考案した。
ロビンフッドでの取引は実際には無料ではない。
顧客が支払う手数料をなくすということは、別の場所で回収するということであり、そこにはビジネスの大まかな流れがある。ロビンフッドは、クライアントの売買注文を執行のためにルーティングする代わりに、マーケットメーカーから手数料を徴収している。
米国証券取引委員会(SEC)に提出したS-1書類によると、これらの金融会社のうちわずか数社が現在、ロビンフッドの収益の75%を占めている。
具体的には、Citadel Securitiesが34%、Susquehanna International Groupが18%、Wolverine Holdingsが10%を占めている。
さらに悪いことに、ビジネス全体に対する彼らの貢献度は1年前の62%から上昇している。
マーケットメーカーはすべての取引の反対側にいることを覚えておいていただきたい。
利益は買値と売値のスプレッドの関数であり、スプレッドが大きければ大きいほど利益は大きくなる。そして、ペイメント・フォー・オーダーフローと呼ばれるシステムは、取引ごとにその利益の一部をロビンフッドにキックバックする。
BestEx Researchの長期にわたる調査によると、適切な取引所にルーティングされていれば、これらのスプレッドは25%縮小できるとしている。
ロビンフッドの顧客の取引は無料ではなく、手数料は高額なスプレッドに隠れているだけなのだ。
このようなスプレッドやマーケットメーカーに依存することの本質的な危険性は、2月のゲームストップ(GME)の売買騒動の中で明かとなった。空売りをしていた人たちが上昇した株を買い戻さざるを得なかったため、ミーム株は17ドルから483ドルの高値まで急上昇した。猛烈な勢いで進んだことで、超広角のスプレッドやマーケットメーカーの莫大な利益、そしてロビンフッドの顧客の取引停止が続出した。
金融規制当局は、これらの停止が顧客に大きな損害を与えたと判断した。FINAはロビンフッドが顧客の苦情を解決するために約7000万ドルを支払うことに合意したと発表した。CNBCの報道によると、これまでに命じられた中で最大の違約金となる。
また、ロビンフッドの顧客が商品であるというビジネスモデルの弱さも露呈しており、それがロビンフッドの経営陣が望んでいるビジネスなのだ。残念ながら、彼らは企業ブランドの神話を丸裸にすることなく、そのストーリーを語ることはできないのである。
一方で、エム・エス・シー・アイは、金融サービス会社向けに情報を開発・販売する事業を行っており、ニューヨークに拠点を置く同社は、裕福な顧客が絶対に必要とする商品を販売している。
同社は、一見すると他のデータ分析会社と同じようだが、インデックスの作成方法に関する情報を販売している。これらは、ヘッジファンド、ソブリン・ウェルス・マネージャー、年金基金、保険会社、ブローカー、取引所によってベンチマークされており、MSCIインデックスに勝てば、管理費で数千万ドルの価値がある。
5月に発表された投資家向けプレゼンテーションによると、エム・エス・シー・アイは90カ国、4400社の優良顧客と取引を行っている。また、2015年以降、収益の平均的な成長率は10%となっており、2016年には11.5億ドルしかなかった売上が、2021年の1-3月期までに19億ドルにまで上昇している。
顧客維持率は95%となっており、全てに納得がいく。
エム・エス・シー・アイのスタッフが提供する洞察力やデータがなければ手数料ビジネスを構築することができないため、顧客は長期に渡って参加していることも同社の強みとなっている。
投資家は今回のロビンフットのIPOを捨てて、エム・エス・シー・アイ株の購入を検討しよう。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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