YouTubeがストリーミングメディアの戦いに勝利した理由
- 675 Views
- 2021年10月18日
- トピックス
モバイルアプリケーションの分析会社であるApp Annieがまとめた報告によると、YouTubeが大きな成功を収めており、これは重要なトレンドの一部である。
現在、デジタル・ストリーミング・サービスのトップ10のうち7つが広告付きのサービスとなっている。
YouTubeの最も人気のあるストリーミングビジネスはあまり理解されていないが、その将来性を見極めることは投資家にとって大きなチャンスとなる。
そもそも有料会員についての誇大広告を鵜呑みにしてはいけない。そのほとんどに成功の見込みはないからである。
確かに、これは一般的な意見ではない。
ネットフリックス(NFLX)の成長と人気により、多くの新しいSVOD(Subscription Video On Demand)サービスが強化されている。かつて通信販売を行っていたDVDメーカーである同社の有料会員数は、2021年4-6月期までに2億760万人となり、これは一般的な基準からすると派手な数字である。
SVODビジネスは、競合他社を惹きつける魅力があり、ケーブルテレビのコードカットという大きな流れの中で、いずれもネットフリックスのシェアを奪おうとしている。
パンデミックによって、ウォルト・ディズニー(DIS)は閉鎖されたテーマパークや映画館から事業の軸足を移すために、コンテンツが豊富で派手なSVODサービスであるDisney+を立ち上げた。そして、以下の企業からも似たようなサービスが生まれた。
- アップル(AAPL)
- バイアコムCBS (VIAC)
- コムキャスト(CMCSA)
- AT&T(T)
- ディスカバリー(DISCA)
ショービジネスのモットーは、コンテンツは王様であり、顧客は良いものにはお金を払うというものだ。しかし残念ながら、そんなことは微塵もない。
コンテンツの質に議論の余地のあるネットフリックスを除いて、顧客はお金を払うことを望んでいなかった。
マーベルやスター・ウォーズ、ピクサー、フォックスといった最高クラスのフランチャイズを持つディズニーでさえ、料金の値上げには壮絶な苦労を強いられている。
アップルは、「Apple TV+」のサービスを提供している。ワーナーメディアの「HBO」と「HBO Max」は6390万人の加入者を抱えているが、その多くはAT&Tのワイヤレス契約にバンドルされた無料のサービスである。
NBCユニバーサルのPeacockは、それがどんな意味であれ4200万人の登録がある。バイアコムCBS は全世界で3600万人の加入者がいると主張しているが、どれだけの顧客がお金を払っているかについては言及していない。
CNBCの報告によると、ディスカバリーの幹部は同社のSVODを利用している加入者は1500万人だが、有料会員は広告サポート会員をはるかに上回っているという。
ストリーミングメディアは様々な宣伝文句にもかかわらず、広告付きのサービスが主流となっている。
上位の勝者には、YouTube、アマゾン(AMZN)のTwitch、FOXコーポレーション(FOX)プロパティのTubi、バイアコムCBSのPluto TV、そしてアマゾンのPrime Videoやディズニーとロク(ROKU)のHuluなどのハイブリッドが含まれる。しかも、数字は全然違う。
YouTubeの月間アクティブユーザー数は、ネットフリックスの10倍規模の20億人で、彼らは1日に10億時間という驚異的な数のストリーミングコンテンツを視聴している。Business of Appsによると、これらの視聴者をすべてマネタイズすることで、2020年度には197億ドルの収益がもたらされたという。
多くの場合、広告でサポートされたネットワークは金融メディアで信用されない。
しかし、これらのハードルはいずれも重要なことではない。選択の余地があれば、消費者は圧倒的に有料のプラットフォームよりも広告付きのプラットフォームを選ぶ。
最終的には、現在のSVODの多くもその方向に向かっていく。ただ単純に、有料では消費者からのお金が集まらないからである。
従って投資家にとっては、トレードデスク(TTD)やマグナイト(MGNI)のような広告配信プラットフォームが最大の投資機会となる。さらに、それはYouTubeの親会社であるアルファベット(GOOGL)も同様である。
YouTubeは200億ドル規模のビジネスであり、その勢いは衰える気配がない。クリエイターが提供するビデオストリーミングサービスは、その歴史の中で最も重要な意味を持っている。
また、有料のSVODとは異なり、そのビジネスモデルは相対的に報酬の低い新興市場にまで拡大することができる。
空き時間のマネタイズは、最も重要なビジネスセグメントの一つであり、YouTubeは今後そのスペースを獲得するための最高のポジションにあると見ている。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。