現在のところ、中国からのネガティブなニュースによる調整が続く暗号市場
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- 2021年10月3日
- トピックス
– ビットコイン(BTC、格付け「A-」)は、現在4万8000ドル付近で取引されている。
– イーサリアム(ETH、格付け「A-」)は、ベンチマークの3000ドルを上回り、現在3400ドル付近で揉み合っている。
– ビットコインの暗号資産(仮想通貨)市場支配率は41.7%で、全く変わりはない。
ビットコインと広範な暗号市場でも中国からのネガティブなニュースに神経質な展開が続いている。
まず、恒大集団の経営破綻危機のニュース。ビットコインとS&P500の相関性が非常に高いため、市場全体が大きく動揺した。
そして、中国人民銀行(PBOC)のウェブサイトに記載された「仮想通貨の取引、オーダーマッチング、トークン発行、デリバティブを提供するサービスは厳しく禁じる」という声明だ。
景気後退が続く中、トレーダーたちは、これらの見出しによって「FUD(Fear・Uncertainty・Doubt:恐怖・不確実・疑問)」を煽られ、取引を制限するようになった。
PBOCが暗号資産に対して攻撃したのは、今回が初めてではない。中国の暗号資産に対するスタンスは今に始まったものではなく、今後の導入には全面的に反対であると一貫して繰り返し表明している。
暗号資産(仮想通貨)市場では、これまでにも中国主導の急落があったが、過去には長期間にわたって価格を抑制することはほとんどできなかった。
我々の見解としては、この値動きは、高値と安値が一貫して下がるパターンを形成しない限り、直ちに懸念材料とはならない。長期的なファンダメンタルズはまだ維持されているため、これは短期的な調整になると考えている。
インデックス一覧
では、9月23日までの値動きを振り返りましょう。
23日までの週は、暗号資産(仮想通貨)市場全体にとって厳しい週となり、大幅な急落を免れた通貨は僅かだった。週の初めには比較的穏やかな取引だったが、週半ばになると市場は売りに転じ、未だに立ち直ることができていない。
広範な市場が最近の利益を取り戻したため、ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は18.36%下落した。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス (W50X)は20.25%下落し、ビットコインのパフォーマンスが他の暗号市場を若干上回ったことを示している。
パフォーマンスを時価総額別に見てみると、全てが苦戦していることが分かる。
大規模コインは苦しみ、ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は17.62%の下落となった。
中規模コインは最悪の展開となり、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は23.37%の下落となった。
小規模コインは、最初の下げの後の急激な反発により、他よりも損失を抑えることができ、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は、13.96%の下落となった。
小規模コインが再びアウトパフォームできたのは、週半ばの急落後に安定感があったからだ。しかし、ビットコインと大規模コインが牽引力を取り戻し、市場全体を引き上げることができなければ、この長期にわたる小規模コインのアウトパフォームは続かないだろう。
今後の推測
現在のヘッドラインを飾るニュースの多くは、暗号通貨の導入に対する中国による抵抗を背景にしている。市場は後退しているが、その反応は誇張されたものだと考えられる。中国は、暗号資産の発行や売買は違法とする2017年以降の姿勢を改めて示しているだけだ。
最近、ビットコインのS&P500との相関性が通常より高くなっているが、これはマクロ経済の不確実性が原因にあると思われる。しかし、その相関関係は時間とともに変動し、無謀な財政・金融政策やその他のマクロ経済的なリスクによって引き起こされる不確実な未来に対するヘッジであることに変わりはない。
一方、中国以外でも暗号資産(仮想通貨)の導入は拡大しており、ツイッターによる機能導入は業界にとって重要な一歩となる。
ツイッターのアクティブユーザーは3億人を超えており、これらの機能性はより大きな関心を呼ぶことだろう。ツイッターに追随する企業が増えれば、取引が活発になり、コミュニティへの参加も増えるため、今後の価格に影響を与えるだろう。
健闘を祈る。
サム
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