バフェット氏、価値創造について語る
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- 2022年4月14日
- トピックス
現代経済における価値創造の方法について、非常に貴重な講義を受ける準備をしよう。
2月27日、ウォーレン・バフェット氏の率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK-A)は、利益が前年比45%増の73億ドルに達したと発表した。
バフェット氏は価値を創造する術の達人であり、過去60年間それを続けてきた。
「オマハの予言者」と呼ばれる同氏は今、投資家に成功するための青写真を提示している。
この戦略には、キャッシュフローが豊富な企業と、その経営者がどのようにそのキャッシュフローを活用するかが含まれている。自社株買いの時代が到来したのだ。バフェット氏は、歴史上最も成功している投資家であると広く認められており、その理由を理解するのは難しいことではない。
1962年にバークシャー・ハサウェイの経営権を取得した後、経営不振に陥っていた繊維事業をアメリカを代表する投資持株会社へと成長させた。
ネブラスカ州オマハを拠点とする同社の株式は、現在ニューヨーク証券取引所(NYSE)で479,345ドルで取引されている。
バフェット氏は過去60年のほとんどの間、保険、銀行、産業、消費財の分野で事業を展開する未上場企業や上場企業の株式を買い占めていた。
- 同氏はさまざまな業界に投資しているが、共通するテーマはドル箱である。
2008年には中国の電気自動車(EV)メーカーBYDの株式7.7%を取得するなど、海外企業にも投資している。
現在、同社はコカ・コーラ(KO)、クラフト・ハインツ(KHC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、アップル(AAPL)に規模の大きな投資を行っていると、2月14日に証券取引委員会(SEC)に提出された書類に記載されている。
- これらの企業はいずれもフリーキャッシュフローを多量に生み出している。
キャッシュフローは、バフェット氏の投資価値の最初のハードルの一つであり、現金はセキュリティのようなものだ。
同氏は、「波が去った後にだけ、誰が裸で泳いでいたのかが分かるのだよ」という格言で有名だ。
これらの企業について、投資家の皆さんに知っておいていただきたいこと:経営陣たちは公開市場で猛烈な勢いで自社株を買い戻している。
買い戻しは、少ない株数で収益を上げることにより、収益を拡大させる。
一株当たり利益(EPS)の推移は、投資アナリストが最も注目する指標である。買い戻しは、配当と並んで株主への資本還元の方法の一つであると考える人もいる。
そして、バークシャー・ハサウェイだけが買い戻しの大当たりをしているわけではない …
- アップルは2021年7-9月期だけで200億ドル相当の株式を買い戻し、通年では、855億ドルを超えた。
バークシャーは当四半期、69億ドルを自社株買いに支出した。
年間では、2020年の220億ドルから275億ドルに増加したが、それでも年次報告書によると、バークシャーは2021年末に1467億ドルの手元資金を保有していたことがわかる。
そこで私は、現在大きな利益を得られる立場にある企業について考えてみた。
大きな利益を得ている企業
バークシャー・ハサウェイの中核事業である非公開企業のGEICOと直接競合するスイスの保険持株会社、チャブ(CB)の話しをしている。
チャブはバークシャーが保有する会社の一つではない。
- 上場している保険会社の中では、チャブがトップに君臨し、時価総額は887億ドルで、損害保険会社としては最大である。
そして2021年10-12月期には、アジア太平洋の主要7市場でシグナ(CI)の保険資産を買収することに合意した。
買収額は現金で57億5000万ドルとなった。
- この買収により、チャブは現在54カ国で活動しており、損害保険、農業保険、商業保険、生命保険、再保険の分野で利益を上げている。
経営陣は2月2日、同社の中核事業であるコマーシャル・ビジネスの収益性が過去最高水準で推移していることを明らかにした。
損保の2桁の料率引上げを転嫁し、引受マージンを拡大しながら、好調な更改を維持している。損害保険引受利益は、前年同期比31%増の13億ドルに急増し、当四半期の営業キャッシュ・フローは26億ドルに達した。
- その資金の多くは自社株買いに回されているため、株主にとって非常に有益である。
SECへの提出書類によると、10-12月期中、チャブの経営陣は自社株買いに9億500万ドルを費やした。
昨年7月のプレスリリースで、チャブ取締役会は2022年6月まで実施される50億ドルの一回限りの自社株買いプログラムを承認した。
長期的な投資を成功させるには、規律と戦略が必要だ。特に、地政学的な問題とインフレ懸念が前面に出ている今、これは案外難しい。
ウォーレン・バフェット氏は投資家にプレゼントを贈っている。同氏は、時間をかけて検証された、効果のある投資戦略に光を当てているのだ。
チャブの株式は、予想PERの12.7倍、売上高の2.2倍で取引されている。配当利回りは1.55%、最近の株式は201.84ドル前後で取引されている。
長期投資家は、株価が下落した際にチャブ株の追加を検討する必要がある。購入する前には、ご自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないで頂きたい。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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