ウランの需給圧迫が深刻化
- 2895 Views
- 2020年9月15日
- トピックス
今、ウランの需給がひっ迫している。不思議なのは、それがエネルギー金属のスポット市場の最新の動きに反映されていないことだ。
なぜだろうか?
いくつかのファンドは、絶好調のナスダック株に囚われ過ぎてウランに見向きもしていないのかもしれない。しかし、それは信じられないほど浅はかだ。
私は以前にウランについて述べたことがあるが、それ以来、圧迫感は強くなる一方だ。そして、選ばれたウラン株がもたらす利益の可能性は莫大だ。
私が言いたいことをお見せしよう。まずは、ウランの価格が今年に入って急騰した後、下がり続けているという事実だ。
ウランのスポット価格は、2020年2月から4月にかけて35%急騰した。5月に1ポンドあたり34ドルでピークを迎えた後、30ドル強まで下落している。
これでは誰も金持ちにはなれない。
では、私の言う供給圧迫とはどういうことか?
新型コロナウイルスによって世界中の金鉱山、銅鉱山、ウラン鉱山でさえもが閉鎖に追い込まれた。カナダからカザフスタン、アフリカとオーストラリアに渡る。
これにより市場から多くの供給が消えた。業界ウォッチャーのトレードテックによると、パンデミックによる鉱山閉鎖により、2020年現在までの鉱山供給量から約1,400万ポンド(約6,350メートルトン)が失われたという。
加えて、業界関係者の間では、2022年に向けて供給不足に陥る可能性があると言われている。
さらに先の未来については、予測が異なる。
しかし、モーニングスターのアナリストであるクリストファー・イントン氏は、世界のウラン需要は2025年までに約40%増加すると予測している。
どこから供給されるのだろうか?
これは、世界原子力協会が発表した、ウラン探査・開発会社であるディープ・イエロー(DYLLF、未格付け)を通したウランの潜在的な需給ギャップのチャートだ。
資料: 世界原子力協会/ディープ・イエロー
予測はあくまでも予測だ。変わる可能性がある。
ただ、一つ指摘するべき点は、この予測はCOVID-19によって各鉱山が停止する前の2019年9月に出されたものであるということだ。
そして、最新の情報によると、カザトムプロム(カザフスタンの国営ウラン会社)は、コロナウイルスの拡散を止めるため、数ヶ月間鉱山を閉鎖した。
現在、カザトムプロムは年間生産量の6~7ヶ月分程度の備蓄を維持するために、スポット市場でウランを購入する計画だという。
これは、CEOのガリムジャン・ピルマトフ氏がインタビューで明らかにした。
私の簡単な試算では、おそらく3,000メトリックトンほどになるだろう。
カザフスタンは通常、世界の約40%のウランを生産している。かなり重要な事業だ。
進む供給の圧迫によるウラン価格の上昇はまだ始まっていない。
しかし、多くの人は時間の問題だと考えている。
世界では、新規建設中の原子力発電所がアジアを中心に48基ある。これらは、欧州全域で段階的に廃止されている発電所を補うに十分すぎるほどの数だ。
特に、ウランを使用している電力会社が、ウランの「買い控え」、つまり、消費量をカバーするのに十分な長期契約を結んでいないことを考慮に入れれば、なおさらだ。
その代わりに、スポット市場でウランを買っている。供給の抑制があるまでは、それで大丈夫だろう。
あるウラン会社によると、各電力会社は、年間9,000万ポンドの「買い控え」を行っており、私は遅かれ早かれ、それが市場に現れるだろうと考えている。
「予備の」ウランを買いに行って、商品がないことに気づく電力会社も出てくるだろう。 一方、グローバルXウラニウムETF(URA、格付け「D」)は、確実に誰かが高値を予想しているような動きをしている。
ウラン価格にレバレッジをかけたこのファンドは、3月の暴落以降、上昇傾向にあり、現在は節目を超えてきている。
ウラン株でこの上昇に上手く乗るにはURAが良いだろう。
しかし、さらに良い方法は、素晴らしいレバレッジでウラン鉱業会社、開発会社、探査会社を買うことだ。このような銘柄の利益は莫大なものになる可能性がある。
あなたの成功を願って。
ショーン