強まるファンダメンタルズ。一時停滞するビットコイン、弱まるアルトコイン市場。
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- 2020年12月15日
- トピックス
ビットコイン(BTC, 格付け「A-」 )は12月10までの1週間で勢いを失った。新高値にむけた数ヶ月に及ぶラリーは一時的に停滞している。
暗号資産(仮想通貨)の王様の価格に調整が起きている。ただ、いつも通りその下落幅は市場全体と比べると少なかった。
ビットコインは一旦クールダウンしているだけであり、そのファンダメンタルズはまだ強いと私は信じている。実際、短期的な価格調整は、市場の回復を可能にさえする。昔ながらのアナリストたちはこの調整を「リフレッシュするための一時停止」と考えることだろう。
ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は13.45%下落し、暗号資産(仮想通貨)市場の苦戦ぶりを表している。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス(W50X)は16.69%下落し、アルトコインのパフォーマンスがビットコインのそれを下回った。
今週のパフォーマンスを時価総額で分解してみると、大手コインが、中小規模のコインよりも価値を維持していることがわかる。
しかし、だからといって、それらの暗号資産(仮想通貨)もプルバックした市場の例外にはなっていない。 ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は11.07%%下落して週を終えた。
ミドルクラスのコインは勢いを失い、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は18.72%下落した。
最も苦戦を強いられていたのはスモールクラスのコインで、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)の19.44%下落がそれを如実に表している。
暗号資産(仮想通貨)市場が一時停止して、調整が起きているように、12月10日までの一週間は厳しい週だったと言える。ビットコインはアルトコインよりも価値を保持し、市場の支配率は64%とポイントを上昇させた。
ボラティリティが激しい時期には、投資家たちは最も大手な投資先に注目する。市場に調整が起きた場合、ビットコインのパフォーマンスはアルトコインを上回る傾向にあるのだ。なぜなら、仮想通貨の王様であるビットコインは、「安全な避難先」として認識されているからだ。
そのため、ビットコインの長期的なファンダメンタルズはこれまで以上に強く、短期的な調整は大きな問題ではない。もしビットコインがさらに下落して調整を続ければ、ここ数ヶ月で最高の買い時の一つになる可能性がある。なぜなら、このブル・マーケットの最大の要因である機関投資家による採用と持続不可能な財政・金融政策が全く変わっていないからだ。
先週の更新では、機関投資家のモメンタムがどのように構築されているかについて触れた。S&Pダウ・ジョーンズは、カスタマイズ可能な暗号資産(仮想通貨)サービスの今後の開始を発表し、親会社であるS&Pグローバルはブロックチェーンエンジニアの採用を継続している。
今週、マスミューチュアル生命保険はビットコインを1億ドル分購入したことを発表した。同社の管理下にある2350億ドルと比較すると取るに足らないように見えるが、暗号資産(仮想通貨)の導入姿勢について、機関投資家に強いメッセージを発信していると言えるだろう。
また同社は今回の購入を可能にしたニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ(NYDIG)の株式を500万ドル分購入した。これはより大きな機関投資を促進するインフラへの投資と考えることができる。
これにより同社は、暗号資産(仮想通貨)市場に参入している機関投資家リストに仲間入りすることになる。スクエア(NYSE:SQ)や ペイパル・ホールディングス(Nasdaq:PYPL) は大手決済処理業者の2社であるが、早期に受け入れを開始したことで、機関投資家向けの暗号市場の浸透を牽引している。
より多くの大手企業が機関投資家としての採用を進めており、大手銀行が参入するのも時間の問題だろう。資産規模別で第4位の銀行であるシティグループ(NYSE:C)は、ビットコインが来年末までに1コインあたり31万8000ドルに達する可能性があると考えている。
つまり、低金利によって政府が紙幣を刷り続け、それを消費している今、多くの機関が、実用性があり持続可能な代替品へのニーズを認識し始めてきているのだ。
健闘を祈る
フアン