有望な鉄鋼大手 アルセロール・ミタル
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- 2021年2月4日
- トピックス
ワシントンの議員たちは、米議会乱入事件から落ち着きを取り戻したが、投資家は再び経済成長を心配し始めている。これにより、景気循環株に買いのチャンスが生まれている。
引き続き、米議会では追加経済対策をめぐり政治的な駆け引きが繰り広げられそうだが、投資家はアメリカの行き詰まりを乗り越え、ワシントンで何が起きようとも成長の期待が持てる特定の銘柄に目を向けるべきである。
今回は、鉄鋼大手アルセロール・ミタル(MT)についてお伝えしていく。
アルセロールは、世界60カ国で事業を展開する世界最大の鉄鋼・鉄鉱石総合鉱業会社である。ルクセンブルクに本社を置くこの巨大なコングロマリットは、2006年にアルセロールとインドの鉄鋼会社であるミッテル・スチールが合併して誕生。当時は、世界の鉄鋼生産の10%を支配していた。
その後15年間、アルセロールの経営陣は分断された鉄鋼事業の統合を続け、自動車や家電製品向け鋼板の生産に焦点を当てて、ヨーロッパ、南アフリカ、中国の新しい製鉄所を買収すると同時に、その事業規模の大きさから価格支配力を強めることができた。
現在は、最新鋭の研究施設11カ所を有している。エンジニアは現在、自動車や建築分野での3Dプリンターをはじめ、100以上の研究プロジェクトで活躍している。
2019年にアルセロールのエンジニアが3Dプリント技術を使用し世界で初めて「プリント」した鉄橋は、2020年にアムステルダムの有名が運河に架けられた。
この取り組みは、鉄橋を建造するという物理的なプロセスを、3Dプリンターなどのソフトウェアに置き換えることで、建設コストなど削減するというデジタル・トランス・フォーメーションのテーマを、産業界の企業がどのようにビジネスに取り入れているかを示している。
今回のプロジェクトは、一回限りの実験ではなく、鉄鋼メーカーがテクノロジー・リーダーになれる新しい時代の幕開けともいえそうだ。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン