大金が転がっていることはもう話題になっていない?
- 1714 Views
- 2021年3月26日
- トピックス
元上院議員のエヴァレット・ダークセン氏が、今も生きていたら、何を語るだろうか。
ダークセン氏は、イリノイ州出身の共和党員で、
「ここにもあそこにも10億ドルが転がっている。近いうちあなたも大金の話をするようになる」
という名言を語った人物である。
ダークセン氏は、ニューディールの時代に1933年〜1949年は下院議員、1951年〜1969年は上院議員として過ごした。彼が在任期間中に目撃したものを、現在、ワシントンで語られているものと比べれば、見劣りしてしまうだろう。
何故なら、バイデン大統領は、1.9兆ドルのコロナ対策景気刺激策に署名してからまだ2週間も経っていないのに、大金を投じる別の景気対策法案を計画しているとのことだ。それも、3兆円規模の計画である。
バイデン大統領の「ビルド・バック・ベター・リカバリー・プラン(より良い復興計画)」は、橋や道路、鉄道、港湾、5Gネットワークなどのインフラに1兆ドルの支出が予定されている。
クリーンエネルギーや気候変動への取り組みや職業訓練プログラム、エネルギー効率に優れた低価格な住宅を最大100万戸建設、あれもこれも盛り込まれている。
実際、この計画はあまりにも規模が大きく、議会がますます懐疑的になり始めているので、バイデン政権は実行しやすい、小さな法案に分割しなければならなくなるかもしれない。
今どき、野党側のリーダーと組んで軍事と経済を両立させるような気の良いダークセン氏のような人物はいない。
バイデン政権は、様々な収入源を確保することで、少なくともこのコストの一部を相殺したいと考えている。法人税の増税や高額所得者への増税も選択肢に入っている。
しかし、それでもこのコストすべてを賄うことはできない。
つまり、さらに膨大な財政赤字が積み重なり、その財源としてもっと多くの国債が売られることになる、ということだ。
2月の財政赤字だけでも3110億ドルにのぼり、過去最高となった。米国議会予算局(CBO)も先日、2021年度通期の赤字見通しを2.3兆ドルに引き上げた。しかもそれは、1.9兆ドルの景気刺激策が通る前のことである。
ここにさらに2兆ドルの支出が加わり、海外での危機を織り交ぜれば、雄弁なダークセン氏でも言葉を失うだろう。それは、米国の長い歴史の中でも、かつてないほどの「資金の洪水」である。
この大きな動きが投資家にどう影響するかは、これまでに何度もお伝えしてきた。私が推奨するのは、ワシントンの有名な言葉に集約される。「その資金を追え。」
その意味することは以下である。
– 政府の異常なほどの大盤振る舞いから恩恵を受けるセクター、株式、資産を買おう。
– 逆にそのために苦境となるセクター、銘柄、資産は売ろう。
このような支出の長期的な影響が、急速に拡大していることを覚えておいていただきたい。
どう対応するかは、あなた次第だ。
それではまた
マイク・ラーソン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。