ガソリン価格の高騰に備えよう
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- 2021年6月7日
- トピックス
ガソリンの価格がどんどん高くなっていることに、恐らくお気づきだろう。
GasBuddyによると、直近の全米の平均価格は1ガロンあたり3.04ドル。これは1カ月前に比べて16セント以上、1年前に比べて1.17ドル/ガロンの増加だ。
下のチャートを見て頂きたい。
米国のガソリン価格は、この7年間で最も高くなっている。
そして、これからさらに上昇するだろう。朗報なのは、この波に先んじて投資するための時間がまだあるという点だ。
なぜ、価格が高くなると思うのか?
今月行われた石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の閣僚級会合は、わずか20分で過去最短の会合となった。
生産量の増加を決定したが、市場は瞬きもしなかった。
価格を下げるニュースが出たにも関わらず、価格が上昇した場合は、非常に強気のサインが点灯しているものと分析している。
5月には、日量60万バレルを増加させている。今月はさらに日量70万バレル、7月は日量85万バレル近く増える。そして、前述のように、市場はこのことを分かっており、気にしていない。価格は上昇している。
要因はいくつかある。
高まる需要
国際エネルギー機関(IEA)は、今年の世界の石油需要が日量約500万バレル増加すると予測している。
エネルギーコンサルタントを行うウッド・マッケンジーのアナリストは、「OPEC+が合意した毎月の増産を考慮しても、需要の伸びが供給の伸びを上回っている。」と述べている。
ひっ迫する供給
米国では、ガソリンの備蓄量である「在庫量」が3週連続で減少した。これから夏のドライブシーズンに突入するため、在庫はさらに減少する可能性が高い。
また、世界的に見ても、OPECは下半期の石油需要が日量600万バレル増加すると見ている。その結果、石油在庫は大きく減少することになる。
OPEC+の予測では、世界の石油在庫は7月末までに2015年から2019年の5年間の平均値を下回るという。
そしてそれは、パンデミック時に始まった供給過剰の終わりを示すものだ。
原油のスーパーサイクルがやってくる
シュルンベルジェ(SBL)のオリビエ・ル・プェッシュCEOは、先日行われた投資家向けの会議で、「景気の回復が進む中で、次の産業サイクルはスーパーサイクルとして特徴づけられる可能性がある」と述べた。
ル・プェッシュ氏によると、パンデミック前のフリーキャッシュフローのマージンが8%程度だったのに対し、この上昇傾向によって10%以上になるという。
素晴らしい。
潜むリスク
この強気の予測にはリスクも伴う。
それは、COVID-19パンデミックの再燃だ。世界的な感染率低下の傾向に反して、世界各地でホットスポットが発生している。
もう一つのリスクは、原油価格の上昇そのものによるものだ。エコノミストによると、ガソリン価格が10%上昇するごとに、消費者心理は約1.5%低下すると言われている。また、ガソリン価格が50セント上がるごとに、消費者の財布から約600億ドルが消えることになる。
そして、「イラン要因」もある。 イランは現在、核兵器の研究をめぐって西側諸国から制裁を受けている。もし、イランと欧米が新たな取引を成立させることができれば、イランがオイル・タンカーに貯蔵している6900万バレルの原油が欧米に輸出され始める可能性がある。
しかし、今のところ、市場はこれらのことを懸念しておらず、その事実が、強気の動きを構築している。
どのように行動するべきか
原油やガソリンの価格が上昇するにつれ、製油会社のマージンは拡大している。そして、ヴァンエック・ベクトル・オイル・リファイナーズETF(CRAK)は上方にブレイクアウトしている。
この週足チャートを見て頂きたい。
CRAKが2019年に見られた高値を上回ったことがわかる。原油市場は回復しつつあるのかもしれない。
次の石油ブームは到来している。ガソリン代の高騰を嘆くか、行動して利益を掴むか、あなた次第だ。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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