中国があなたに与える「銅の奇跡」
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- 2021年10月7日
- トピックス
最近打撃を受けている銅は現在、非常に過小評価されているコモディティの1つだ。
そして、9月20日、銅価格は一気に下落する場面が見られた。
その下落要因の大部分は、巨額な負債を抱えた中国の不動産開発会社である恒大集団と関係している。
恒大集団は、数週間前までほとんど知られていなかった中国の住宅建設ブームを支えている巨大企業だ。恒大集団は、中国国内の280以上の都市で1300の不動産プロジェクトを展開しており、これらの「ゴーストタウン」で重要な役割を果たしている。
さらに、電気自動車(EV)やヘルスケアをはじめ消費財、映像・テレビ番組制作、そしてテーマパークまで、さまざまな事業を展開している。
同社は20万人を雇用し、間接的に年間380万人以上の雇用を創出している。
では、なぜ世界中の市場が揺れ動いたのか。
恒大集団が抱える33兆円に膨れ上がった負債がデフォルト(債務不履行)に陥るかもしれない。という衝撃の発言があったからだ。
爆発的な成長を遂げた恒大集団は、非常に巨大な企業であるため、今回の債務問題で失敗すれば中国経済だけでなく、上海や深圳を超えた市場にも影響を与える可能性がある。
株式だけでなく、コモディティも同様だ。
特に銅だ。
なぜ銅が大きな影響を受けているのか?
世界第2位の経済大国である中国は、銅の最大の消費国でもある。中国では、建設業界の将来をめぐる短期的な思惑が、銅価格を支える次の要因よりも強くなっている。
国際銅研究会(ICSG)の最新の報告によると、5月の4000トンの供給過剰に対し、6月は9万トンの供給不足となっている。
これに加え、長期的な需要も増え続けている。
特に、家電製品や電気・熱伝導性配線の需要が急増していることから、「無酸素銅」市場が拡大している。無酸素銅は、一般的に酸化物を含まない99.96%以上の純度が高い銅で、低周波の音を伝える導電性が高いため、オーディオやビデオのケーブルに適しているのだ。
また、新型コロナウィルスの感染拡大による強制的なロックダウンが実施されたことで家庭用エンターテインメントに注目が集まり、エレクトロニクスの製造を後押ししたことも銅需要の拡大につながった。
無酸素銅線は強度や耐久性、耐腐食性にも優れているため、自動車のラジエーターやガスケット、配管製品などにも適しており、あらゆる種類の自動車の総合的な性能を向上させる。電気自動車の普及率が高まっていることも追い風となるだろう。
私は恒大集団の危機は大げさだと考えている。銅を含む各市場に押し寄せた恐怖の波は、絶好の買いのチャンスとなるかもしれない。
そして、銅はすでにケタ外れの可能性を秘めている。これは、パンデミックが始まった頃からの銅や銅鉱山株、S&P500のパフォーマンスを示す週足チャートだ。
昨年のパンデミック開始からのS&P500の上昇率は、64.3%と悪くないものだが、銅は73.9%とさらに好調となっている。グローバルXコッパー・マイナーズETF(COPX)で追跡されている銅鉱山株は、同じ時期に176.5%もの大幅な上昇を記録している。それは、鉱業株が原資となる金属にレバレッジをかけているからだ。
ただ、銅鉱業株は4月につけた高値を大きく下回っているのが現状だ。これがレバレッジであり、上昇と下落、どちらにも当てはまるということなのだ。
しかし、このことが示すのは、銅鉱山会社には上昇の可能性が十分にあるということである。特に銅価格が再び上昇した場合には、その可能性は大きくなるのではないだろうかと考えており、今は、加熱する投資の一部を手に入れる良い機会であると見ている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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