ハイテク企業にとっての大きな2週間
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- 2022年7月31日
- トピックス
投資家マインドが変化するのは早い。利益を得る方法を探す際には、何が重要で何が重要でないかを理解することが重要となる。
18日の報告によると、アップル(AAPL)の幹部は、起こりうる景気後退を前に支出を抑え、人員を削減しているという。このニュースを受けて、iPhoneメーカーである同社の株価は急落し、他の株式市場もそれにつられて下落した。
株価は悪いニュースを受けて上昇することはできない。今のところ、弱気トレンドが支配的であることに変わりはない。
このことは、強気筋のことを聞いている限りわからないだろう。彼らは、悪いニュースばかりが流れているせいでS&P500は今年に入ってから20%も下落していると語っている。先週のように株価が上昇すると、彼らのこの種の主張は大きくなる。
しかし、弱気相場の中で急騰することはよくあることであり、売り手が少ないからこそ、このような展開は起こる。長期投資家は身を縮めて不況を乗り切り、ボラティリティに耐えられない投資家はとっくの昔にポジションを閉じている。株価が上昇し始めると、弱気筋は神経質になり、ショートポジションをカバーするために必死で買い始めるため、売り手の不足が爆発的な上昇をもたらす。
弱気筋は通常、50日または200日移動平均線などの重要なレベルまでしか株を買いわない。このレベルまで上昇すれば、他の弱気筋がショートポジションを追加し、需要と供給の力が自分たちに有利に働くことを知っているのである。
これは18日にS&P500が50日移動平均の3927ドルに向けて押し戻されたときに起こった。アップルが支出を抑制しているというBloombergの報道は、その直後に取り下げられた。
アップルの経営陣が、起こりうる景気減速に備えた計画を立てていることは悪いことではない。彼らは有能だ。カリフォルニア州クパチーノに本社を置く同社は、将来予想される需要に対応した経営を成功させ、企業の象徴となった。
重要なのは、そのニュースに対する反応である。
株式や株式市場は、投資家が悪いニュースを無視したときに底を打つ。悪いニュースで株価が上昇するのは、投資家が過去の出来事を見ている証拠である。
それは、トレンドを変えるセンチメントの変化の始まりであり、投資家にとっては、好きな銘柄に全面的に移行する良いタイミングに見える。
約70社が四半期決算を発表する、これからの2週間が肝心となるだろう。企業経営者の 「Kitchen-Sink」経営により、2022年後半は、多くの報告書に暗い見通しが記載されるに違いない。
今、起こりうるすべての悪い知らせに先手を打つことで、後にポジティブな驚きをもたらす可能性があり、それは期待値を管理する秘訣である。それをすべて実現することは、優秀な経営陣が窮地に立たされた時に行うことだ。
これを背景に株価が上昇すれば、本当の意味での株価の底打ちとなる。逆に、弱気が続くと……それはもうお分かりだろう。
弱気筋が今のところ勝っている。18日のアップルのニュースに対する反応は、あまり良くなかった。また、CNBCの報道によると、インターナショナル・ビジネス・マシンズ(IBM)の株価は決算後、同社が2022年以降の現金予想を引き下げたため、4%下落した。
ハイテク株投資家は、この短期的な乱気流を乗り切るのが賢明だろう。株を購入する前には、必ずご自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないでいただきたい。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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