アップル、ようやくAIに参入?
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- 2023年11月1日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
今年、ぐんぐん上昇していた米国株ですがここしばらくは難しい相場が続いていますね。
※tradingview
こちらは年初来のS&P500チャートに50日、100日、200日、350日の移動平均線を表示したもの。
僕は相場のトレンドをサクッと評価するならこうした複数の移動平均線をみるのが一番わかりやすいと考えているので、チャートをみる時はいつも移動平均線とセットです ^^)
この移動平均線を見ると、今の相場の難しさがわかります。
今日は本題に入る前にこの移動平均線から読み取れる市場の雰囲気のようなものをお伝えしたいと思います。
※tradingview
S&P500のチャートを拡大して気になるポイントに丸をつけてみました。
1つ目の丸ですが、青色の50日移動平均線が下がり、紫色の100日移動平均線とクロスしています。
短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下に交差することをテクニカル用語で「デッドクロス(死の交差)」と言うのですが、
①のところでデッドクロスが形成されています。
名前の通り弱気シグナルです ^^;
ちなみに逆に短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に交差することを「ゴールデンクロス」と言います。
前回これが起こったのは2022年12月30日
昨年の米国市場の最終営業日です。
ゴールデンクロスの後、それまでの下落が嘘のように急上昇していきました。
※tradingview
わかりやすいよう50日と100日移動平均線のみを表示しています。
2022年は投資家にとって散々な1年ですがゴールデンクロス発生で締めくくるという縁起がいい終わり方をしていたんですね ^^)
実は、以前も非常に似たような動きをしていた時間帯があります。
それがこちら↓↓↓
※tradingview
ゴールデンクロスが発生してからぐんぐん上昇
その後少し下落し始めデッドクロスが発生しています。
これがいつかと言うとコロナショックの後、2020年6月から2022年2月までです。
さて、、、、このデッドクロスの後、どうなったか…
・上半期のS&P500は 過去半世紀で最大の下落
・上半期のナスダック指数は 指数誕生以来、最悪のパフォーマンス
という投資家にとってかなり苦しかった昨年の下落相場が始まりました。
その時と同じように、デッドクロスが発生…
※tradingview
もちろんこれは数あるテクニカル指標の一つにすぎないので気にしすぎる必要はありませんが、ちょっと意識しておきたいポイントです。
長くなってきましたが、ここからはサッといきます ^^;
※tradingview
僕が気になるポイント2つ目は赤色の200日移動平均線です。
世界中の投資家が長期トレンドを分析する時に、最も注目しているのが200日移動平均線だと言われています。
一般的な使い方としては、
・移動平均線の向き・株価との位置関係
の2つから相場を分析します。
200日移動平均線が上向きで現在の株価が一貫して200日移動平均線の上にあるなら、強気相場継続中。
200日移動平均線が下向きで現在の株価が一貫して200日移動平均線の下にあるなら弱気相場継続中。
向きか位置関係のどちらかが崩れたら(向きは上だけど株価が下など)トレンド転換の可能性。
そんなふうに使います。(指標の使い方はいろいろあるので あくまでも一例です)
それで言うと、この②の部分
※tradingview
移動平均線の向きは上向きですが価格は下になってしまいました。
この日は陽線(1日の中では上昇)なので年初から続く上昇トレンドが終わったのか判断が難しいところですが、
①のデッドクロスに加え、②で重要なサポートラインを下抜けたというのは嫌な雰囲気がします ^^;
そこで注目しているのが③です。
こちらは350日移動平均線かなり長期のトレンドを表しています。
これも重要なサポートラインなのでたとえ下落が続いてもここで反発してくれたらまだまだ強気相場継続という判断でいいんじゃないかと考えています ^^)
それに、米国株式市場は年末にかけてクリスマスラリーと呼ばれる上昇しやすい時間帯です。
こちらはS&P500の月別パフォーマンスを1950年から70年分も調査したデータ。
それによると、過去平均して10~12月は連続してプラスです。
パレスチナ情勢に加え一部大手企業での冴えない決算など不安な状況ではありますが、
しっかり350日移動平均線で反発して200日移動平均線まで回復してくれれば、
クリスマスラリーが発生していい1年で締め括れるんじゃないかと期待しています ^^)
さて、そんな不安定な株式市場ですが結局、株価を動かすのは実体経済。
特に、市場を牽引する一部の企業の動向でしょう。
その中でも最も株式市場に大きな影響を与える企業といえば…
当然、時価総額世界一位のアップルです。
アップルは数ある投資先の中でもトップクラスに素晴らしい
僕は個人的にそう考えていますが、実は今年、1つ不満があったんです ^^;
それは、、、
AIがイノベーションを起こし数々の企業がAIシフトを加速させる中、
アップルからAIに関する具体的なニュースが全然出てこない…
というもの。
ChatGPTが話題になった時、マイクロソフトは自社サービスに次々組み入れGoogleはすぐさま対抗するサービスをリリースしました。
メタ(フェイスブック)もAIサービスを発表しています。
一方、アップルはまだ目立ったAIサービスをリリースしていませんしAI関連のニュースもほとんどありません。
最近の決算発表で経営陣が「AI」という言葉を使った回数は、
グーグル:66回、マイクロソフト:47回、メタ:42回
なのに対し、アップルは「0回」だったそうです…
AIイノベーションという最新技術に取り組まないアップルは大丈夫なのか…
そんなふうに思っていました ^^;
ですが最近ようやく、アップルからAI関連で具体的なニュースが増えてきました。
これまでもAI関連の情報はありましたが匿名のリーク情報だったり、金額や人がわからないふわっとした情報が多かった印象です。
ですがここ数日、金額や関わっている人の名前、AIの用途などが具体的に書かれているニュースが増えてきています。
僕が気になったのは次の3点。
・大規模言語モデルを使い Appele GPTを開発していること
・エッジAIを使って Siriを大幅アップデートすること
・KenoteなどのPCアプリに AIを導入すること
です。
これらはいずれも確定情報ではなく、報道機関の調査によるものです。
Apple GPTの噂は数ヶ月前からありましたが今回の報道では
プロジェクトを率いるリーダーの名前と年間10億ドル投資という具体的な情報が追加されました。
そうして開発したAIシステムをSiriのように広く普及したサービスの中に組み入れるとされています。
ある日突然Siriが賢くなっていたら面白いですね ^^)
より注目しているのは、エッジAIを開発予定だということ。
AIには「エッジAI」と「クラウドAI」がありますがChatGPTはクラウドAIです。
クラウドAIはサーバー側で一括処理して行うもの。
一方、エッジAIはスマホやPCなど端末側で動くAIです。
エッジAIのメリットは
・サーバーと通信が不要なので インターネット通信なしで利用できる
・通信が発生しないため セキュリティが強い
・デバイス内で完結するため 処理が早く、デバイス上のデータを 存分に活用することができる
などがあります。
例えばクラウドAIに画像編集を行ってもらう場合、
1.デバイスからサーバーに 画像をアップロード
2.サーバー上で画像を編集
3.サーバーから画像をダウンロードして デバイスで画像を表示
というステップを踏みますが、エッジAIの場合、デバイス上でそのままAI画像編集ができてしまうんです。
ChatGPTのようなクラウドAIが注目される中いきなりエッジAIに取り組んでいるとは…
・iPhoneやMacという すでに浸透したデバイスを持っている
・iPhoneやMacはデバイス側で AI処理ができるくらい 高性能な半導体を搭載している
という強みを持つアップルならではの戦略だと思います ^^)
まだまだ不確定情報が多いですがアップルは過去に何度も革新的な製品で私たちのライフスタイルを変えてきました。
(個人用パソコン、スマートフォン タブレット、スマートウォッチ これらいずれもアップルのイノベーションで 市場全体が発展していきました)
アップルのAI関連ニュースには強くアンテナを張っておきたいと思います ^^)
ということで最後に、最初に見せたS&P500の移動平均線チャート
※tradingview
これのアップル版を見てみましょう。
※tradingview
同じく①〜③のポイントに丸をつけています。
アップルはS&P500の中でも最大の比重を占めているので当然、似たような形をしています。
①では同じようにデッドクロスが形成されていますね。
でも②の部分には大きな違いがあります。
S&P500は200日移動平均線を下抜けてトレンド転換の可能性を示唆していますが、
アップルは200日移動平均線でしっかり反発して強気トレンドの中にいます。
ギリギリの状況なので、もしかしたらこのメールが届く頃には下抜けてトレンド転換…となっていてもおかしくないですが ^^;
しかしこのことからも、アップルはS&P500など市場全体より強いと言えそうですね ^^)
投資信託やETFで市場全体に投資するのも悪くありませんが、
市場全体より強い一部の優良銘柄に投資して市場平均を超えるリターンを狙う。
これこそ株式投資の醍醐味だと思うのでぜひWeiss Ratingsの格付けやアナリストの情報を元に優良銘柄への投資で資産形成を進めてください。
最近取り上げていませんが、また近々「最高ランク米国株25銘柄」から僕の注目銘柄も取り上げていこうと考えています ^^)
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