2024年、石油株から利益を得る方法
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- 2024年1月16日
- トピックス
米国は現在、世界第1位の原油生産国であり、天然ガスの主要生産国でもある。
ロシアや中東など、他の産油国はどこも安定しない。ということは、米国の石油生産会社の株価は上がるのだろうか?
米国が最大の原油生産国であることは好ましいことだが、生産量の急増は多くの投資家を混乱に陥れる。この混乱は当分続き、石油価格を激しく上下させる可能性がある。
現在、世界にはたくさんの石油が出回っており、その多くが米国の石油から産出されている。
米国の平均原油生産量は9月の日量1325万2000バレルから10月には1324万8000バレルへと、わずかに減少した。 1日辺りの平均生産量は、4月以来初めて減少したが、それでも過去2番目の高水準だ。そしてこれはサウジアラビアやロシアの生産量よりも多い。
2022年初頭以来、石油の輸出量は日量およそ80万バレル増加しており、アナリストは2024年にはさらに50万バレル増えると予想している。
これは、米国が掘削リグ(石油を掘る機器)を削減する中でも起こっていることだ。米国の採掘リグの数は、およそ170も減少している。
では、米国は少ない採掘リグでどのようにしてより多くの石油を生産しているのだろうか。
答えはシンプルで、リグの効率が驚くほど向上しているのだ。10年前と比べてリグ1基き当たりの生産力は約6倍になっている。新しいリグは、高度なエレクトロニクス、ロボット工学、人工知能(AI)を駆使しており、非常にスマートだ。
少ないリグでより効率的に生産できるということは、原油価格へ下落圧力がかかる可能性があるということだ。
通常、原油価格の下落は、石油生産企業にとってネガティブだ。だが本当にそうだろうか。
イノベーションにより生産性が向上することが、企業にとってネガティブであるはずがない。実際、優良油田を効率的に生産するための機器を扱う石油サービス企業の受注は増加している。
S&Pグローバル・コモディティ・インサイトのラウル・ルブラン副社長は最近、深刻な不況が発生し、価格が1バレルあたり約10ドル下落し、65ドル未満にならない限り、アメリカの生産量は2024年末までに日量1370万バレルまで増加する可能性があると予測した。
これはガソリン価格にも影響する。世界的な精製能力の改善により、2024年の大半は低価格が続くだろう。その結果、経済活動が活性化し、消費者の信頼感も高まるだろう。
一方、石油価格が65ドルから75ドルの間の価格で動けば、石油生産企業はあまり多くの利益を得ることができない。ではこの価格帯で利益を得るのは誰だろうか?
石油生産を支援する石油サービス会社だ。
ウォール街の常識では、石油価格が下がれば、石油生産企業は生産を減らし、石油サービス会社への発注も減ると考えられる。
確かに価格が急落すればそうなるだろう。しかし、石油価格が60ドル以上を維持する限り、ほとんどの石油生産企業はキャッシュフローがプラスになる。そして石油生産企業は、数少ないキャッシュフローのプラスを積み上げるため、石油をもっと組み上げることになるだろう。
石油をもっと効率的に、多く生産するには、石油サービス企業に頼る必要があり、そうした企業と投資家にとっては朗報だ。石油と石油株が12月に底を打って以来、石油サービス企業はすでにアウトパフォームしている。これが、私が話していることを示すパフォーマンスチャートだ。
IEZの価格チャート
このチャートは、原油価格、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)、および代表的な石油サービスETFであるiシェアーズ・米国石油設備&サービスETF (IEZ)を掲載しており、石油産業を幅広く俯瞰することができる。どちらの上場投資信託も、底値以降原油価格をアウトパフォームしており、IEZが先行して上昇していることがわかる。私はこの傾向が今後も続き、IEZに投資チャンスがあると考えている。
だが今すぐ投資すべきか?という質問には一旦「チャンスを待とう」と回答したい。IEZは短期的には買われすぎだと考えている。IEZだけではない。S&P500種株価指数は9週連続で上昇している!遅かれ早かれ反落する可能性が高い。
反落が来た時のためにIEZやそれに含まれる石油サービス企業にアンテナを貼っておこう。
今日はここまで。
ショーン
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