金のインフレ開始の号砲が、FRBによって鳴らされた
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- 2020年9月3日
- トピックス
金にとって非常に激しい一週間だった。木曜日だけで、金は一時30ドル以上上昇し、そして25ドル以上下落した。その後、金曜日には、金と銀の両方が上昇した。
投資家はこれをどう受け止めればよいのか?
金が今月初めに1オンス2,000ドルを超える高値をつけた後、それを維持することができずに、調整を行っていることは明らかだ。
金の上昇は終わったのか?
とんでもない!
年が明けてから、金は歴史的な上昇を続けてきた。そして、金は必要な調整局面に入った。
これは健全な調整であり、金の長期的な上昇トレンドを維持するのに役立つ。
これまで述べてきたように、底に達した時のための銘柄リストを作るのことが賢いやり方だと考えている。
そして、チャンスは思った以上に早くやってくるかもしれない。
なぜなら、FRBは金の強気要因となっているからだ。
実際、今週の金のボラティリティーは、木曜日の朝、パウエルFRB議長が米国の金融政策について非常に「ハト派」な演説を行ったことが大きく影響している。
パウエル氏は、FRBは、2%のインフレ率を超えたとしても、新型コロナウイルスに影響を受けた経済を刺激し続けるため、長期間に渡って金利を引き下げたままにすると述べた。
パウエル氏は、インフレ率が2%を下回っていた時期(ここ数年は平均1.4%)を経て、金融政策はしばらくの間、インフレ率が2%を緩やかに上回ることを目指すことになるだろうと述べた。
この発言が、金を乱高下させた。
パウエル議長の発言をまとめると、米国の中央銀行はインフレ抑制を維持する努力をするつもりはないということだ。
その代わり、FRBは雇用の拡大を目指すだろう。
実際に、パウエル氏とFRBがあまりにもハト派的な発言をしたため、英国の証券会社リベラム・キャピタルの投資ストラテジスト、ヨアヒム・クレメント氏は、次のようなタイトル記事を書いている。
「低金利は永遠に?」
この中でクレメント氏は、FRBが少なくとも今後5年間は利上げをしない可能性が高いと述べている。
その後、セントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁は、「1995年から2012年までに確立された物価水準を維持するのであれば、かなりの期間、2.5%のインフレ率となるだろう」と述べた。
なぜこれが重要なのか?
「インフレ取引」が再燃する可能性が高いからだ。 歴史的に見ても、上昇しているインフレは、ハードアセット(現物資産)を強気にする。
しかし、近年の低インフレは、金のようなコモディティの価格を緩慢にしてきた。
今はまだあまりインフレが進んでいない。
金曜日、商務省はコア個人消費支出価格指数(PCE)を発表した。
これはFRBが注視しているベンチマークだ。
7月のPCEは0.3%上昇した。6月の0.2%増からは上昇したものの、コンセンサス予想の0.5%増を下回った。
しかし、まだインフレが起きていないからといって、それが来ないわけではない。
そして、市場は確実にそのように動いている。
投資家が価格上昇に対するヘッジを開始したことで、現物金ETFの金の量が急増している。
現在の金は、史上最高値に近いが、長期に渡る本当の上昇の夜明け前かもしれない。以前ご紹介した金のチャートの更新版を見て頂きたい。
このチャートは、フィボナッチ・リトレースメント(テクニカル分析の一手法)で金を示している。
フィボナッチは中世イタリアの数学者で、自然界で何度も繰り返される比率を発見した。
フィボナッチの数字は、サポートと抵抗の想定水準を示すため、取引に役立つ。
フィボナッチの数字がくだらないと思う人もいるかもしれないが、多くのテクニカルトレーダーによって利用されている。
そして、金は明らかにフィボナッチのサポートレベルを保持している。
数週間前にこのチャートをお見せしたとき、私は、金が再び上昇を始める前に、しばらくの間、戻し続ける可能性があると述べた。
そして、それはまだ起こる可能性がある。しかし、最近の上昇トレンド(緑の点線)が非常によく保たれていることも考慮する必要がある。
よって、金は予想以上に早く上昇を始める可能性があるのだ。
私は現在、買いたい銘柄リストを作成している。先日のメルマガでは、実際にどのような銘柄がリストにあるかご紹介した。
私はまだ「買い」の引き金を引いていないが、今のところ正しい判断だった。とは言え、すぐに買うことになるだろう。
やるべきことは、次の上昇局面で買いたい銘柄のリサーチをしておくことだ。
確かに、金ETFを購入するのもよいが、個別銘柄は、はるかに大きな可能性を秘めている。
FRBは明確な警告を発している。彼らは次のインフレが起きても、止めようとはしないだろう。
投資家たちは、すでに金を買い込んでいる。
次の一手は大きいものとなるかもしれない!
あなたの成功を願って。
ショーン