ニュースに左右されない仮想通貨市場
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- 2020年10月10日
- トピックス
価格面においては、9月末の木曜日から10月頭の金曜日にかけての7日間で仮想通貨市場に大きな変動はなく、パッとしない結果となっている
その週に大きな出来事があったことを考慮すると、この事実に驚く人がいるかもしれない。
その出来事とは、トランプ大統領が新型コロナウィルスの陽性反応となり、米商品先物取引委員会とアメリカ合衆国司法省(CFTC)が、世界初であった仮想通貨デリバティブ取引所であるBitMEXを告発したことだ。
これら2つの出来事は仮想通貨市場全体にどのような影響を与えただろうか?
意外なことに、今までの値動きをみると、市場にそこまで大きな変化は見られていない。
ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)では、低い変動率が影響して、木曜日の終値での変化率は0.79%となっている。
チャートの右端に注目してほしい。素早い反転があるのが分かるだろう。これは、未登録の暗号デリバティブ取引プラットフォームを運営し、規制に違反したとして、CFTCがBitMEXに対して「民事執行措置」を発表した時の反応である。
しかし、このチャートでは、トレーダーたちがこの出来事を理解した後に起こった反射的な反応が示されていない。
一方で、トランプ大統領の新型コロナウィルスの陽性ニュースの影響は少なく、10月2日の正午時点では、市場に本質的な変化は無かった。
ビットコインを除いて見ても同じことが起きている。実際、ワイス・50Ex-BTC・クリプト (W50X)は上昇し、アルトコインは3.47%上昇して一週間を終えた。下チャートは、W50XがW50と同じパターンであり、10月1日の最後に反射的な反応があったことを示している。
時価総額の差も、ほとんど同じである。
ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は、1.05%下落して一週間を終え、W50とW50Xの動きを反映していると言える。
ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス (WMC)は、7日間の間に3.85%上昇した。
一方で、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス(WSC)は、4.27%値を下げている。
この分野は2つの出来事の影響を最も受けていないにも関わらず、パフォーマンスが一番悪い方向に進んでいる。とても興味深い事象だろう。これらのことからも、仮想通貨市場が、独自の法則にしたがって取引されていることが分かる。
つまり、トランプ大統領の陽性ニュースが仮想通貨市場から人々が撤退する根本的な理由になることはなく、すぐにベア市場になることはないということだ。
政府が経済の収縮を食い止めるために量的緩和をおこなっているため、現在仮想通貨市場は長期的なブル市場に突入している。
無謀な量的緩和計画は経済的効果がないだけでなく、長期的には資産価格のインフレを引き起こし、経済的な不平等を増大させるだけである。
これは歴史的に見ても真実である。
今や、無計画な経済回復によってでおきた政治的緊張は世界中に広がり、大統領候補たちや、彼らが所属する政党も、この長期的なインフレ傾向を止められるとは思っていない。
このような、先進国のインフレが進む状況の中で、仮想通貨はおそらく唯一の避難先であると言える。
同時に、CFTCと司法省がBitMEX(世界初の仮想通貨デリバティブ取引所)を告発したという出来事も、大きな影響は及ぼしていない。なぜなら、市場内では、すでにBitMEXが当局から規制を受けるだろうという認識が広がっていたからだ。
そもそも多くの取引所がアメリカの顧客にサービスを展開しようとは思っておらず、規制を避けるために企業は厳格な「顧客要件」を設定している。
つまり大局的に見れば、この問題の影響は、アメリカに拠点をおく仮想通貨企業に留まることになる。
今後のためには、長い間続いてきた他のトレンドをさらに強化する必要がある。そして今や、仮想通貨市場がアメリカで発展することは難しく、ほとんどの開発者や人材は海外に移動して製品開発を行っている。
仮想通貨市場は、「ショッキング」な出来事に直面しても動じることはない。そのことが、今回の2つの出来事でさらに確かになったのだ。
健闘を祈る
フアン