ビットコイン、4万2000ドル近くで調整

暗号資産（仮想通貨）市場にとって、1/14までの1週間はボラティリティが高い週となった。

ビットコイン(BTC, 格付け「A-」 )は、4万2000ドルの史上最高値近くまで上昇した後、3万1000ドルまで急落した。実際、我々のタイミングモデルも、新たなマイルストーンが作られる前に、短期的かつ急激な下落が見られることを示唆している。

そして、ビットコインを含む暗号資産（仮想通貨）市場は、短期的な調整局面からほぼ回復しているように見える。急落した後に力強い回復を見ることができたのは非常に良い傾向だ。14日までの1週間の動きを確認しよう。

ワイス・50・クリプト・インデックス(W50)は、突発的な調整後に反発して、1/14まで1週間の下落幅は6.24%となった。

ワイス・50・Ex-BTC・インデックス(W50X)は、3.83%下落した。通常、調整時にはビットコインがアルトコインよりも値を保つ傾向にあるため、このような状況は少し珍しい。

週間パフォーマンスを時価総額別に分解すると、中小規模のアルトコインが大手コインをアウトパフォームしていることが分かる。

ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス(WLC)は 8.23%下落したが、1月13日を底値にして順調な回復を見せた。

中規模のアルトコインであるワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス (WMC)は12.82％増となった。

それに比べると、小規模株の暗号資産（仮想通貨）の上昇幅は小さい。ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス(WSC)の上昇率は10.832%に留まっている。

14日までの1週間で暗号資産市場は、大きな調整を経験したが、これは市場が前進している健全な兆候である。25％の急落の後に急反発したのは、非常に心強い傾向だ。我々のタイミングモデルは、調整が回復するまでもう少し時間がかかるかもしれないと警告しているが、このようなトレンドは、ブル相場がまだ長く続くであろうことを示している。

また、暗号資産（仮想通貨）市場におけるビットコインの優位性は69％に低下したが、これはアルトコインが勢いをつけていることの現れである。

通常、ビットコインが最も価値を維持できる理由は、「安全な避難先」として機能しているからである。 一方で、大幅なプルバックが起きたにも関わらず、アルトコインがラリーを継続している。直近でビットコインに投資資金が集中した結果、一部の投資資金がアルトコインに流入したことが原因だろう。

時価総額がビットコインに次いで2番目に大きい暗号資産であるスマートコントラクトの主要サービスであるイーサリアム(ETH)の価格は横ばいだあった。イーサリアム(ETH）は、未だに2017年のブル相場時に記録した1400ドルの最高値には達していない。

イーサリアムが、分散型金融（DeFi）のための重要なプラットフォームであることを考えると、このコインは眠れる巨人であるかもしれない。

今ある私たちの状況は、ある悲惨な運命を辿ったドイツ人のビットコイン投資家よりかは幾分ましである。その人こそ、大手暗号技術企業リップルの元最高技術責任者であるステファン・トーマス氏だ。彼は、ニューヨーク・タイムズ紙でデジタル・ウォレットのパスワードを忘れてしまったと語っている。彼はデジタル・ウォレットにアクセスするために最大１０回まで使えるパスワードをすでに８回まで使い切っている。

仮想通貨を取り扱う取引所では、資金を回復するためのバックアップ・プロトコルがある。外付けのウォレットでは、パスワードを10回間違えられると暗号化されてしまう。もし、パスワードを思い出せなければ、彼の資金は永遠に失われてしまうということだ。 そして、彼の持っている資産には2億4000ドルの価値があるという。

それでも、オンライン上の財布に資金を入れておく方が安全だろう。これは不幸な出来事の一例だが、暗号資産は、常に最も安全性の高い資産の一つであることは確かだ。ただ、パスワードはしっかりとバックアップして、安全な場所に格納しておくようにしよう。

暗号資産（仮想通貨）の上昇トレンドが崩れていない今、彼のパスワードの価値は、より上がっていくだろう。この段階において、マクロ経済要因と暗号資産の制度的な採用が市場を新たな高みへと導くはずだ。実際に、毎週のように良いニュースが出てきている。

バイデン次期大統領が提案した1.9兆ドルの経済対策は、新政権が打ち出す経済政策の始まりに過ぎない。新たな景気刺激策の発表は、暗号資産（仮想通貨）市場には反映されているが、真の目的であるドルへの効果はまだ分かっていない。

パウエルFRB議長は、金利上昇を抑えるために過去に例を見ないマネーの増刷を実施せざるを得なくなるだろう。これが、暗号資産（仮想通貨）市場に機関投資家が真っ先に飛び込んでいる要因であり、これこそが私たちの強気な姿勢が変わらない理由である。

健闘を祈る。

フアン