チタンという名のロケット
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- 2021年5月4日
- トピックス
チタンというと、NASAの宇宙船やプロテニスプレーヤーのラケットなどに使われているイメージがあるが、それは氷山の一角に過ぎない。
アルミニウムやステンレスなど、他の金属を含むチタン合金は、金属疲労やひび割れ、高温に対する高い耐性を持っているため、高負荷がかかる軍事用途やスポーツ用品に最適なだけでなく、腐食にも強いことから、パイプや産業機器にも使用されている。
核廃棄物の長期保管にチタン製の容器が検討されているのもそのためだ。
また、チタンは、半導体のほか、生体適合性(毒性がなく、体に拒絶されない)があるため医療用途にも使用されている。
イギリスの聖職者でアマチュアの地質学者であったウィリアム・グレゴール氏が、1791年に小川のほとりで黒い砂を見つけ、その砂が磁石に引き寄せられることに気づいて初めてチタンを発見した。
その数年後、ドイツの化学者であるマルティン・クラプロート氏が、ギリシャ神話のオリンポスの神々よりも以前の支配者であるタイタン(Titan)にちなんで命名した。
チタン(Titanium)は、鉄よりも45%軽く、同じ強度を持つ。
しかし、地殻中に9番目に多く存在する元素でありながら、純粋なチタンは非常に珍しい。
多くは二酸化チタン(TiO2)として存在し、現代において驚くべき価値を持っており、今では無数の用途がある。
酸化チタンの顔料は、塗料やプラスチック、紙、建材、化粧品、歯磨き粉、医薬品、食品など、さまざまな製品に使われている。また、紫外線に強いことから、日焼け止めの成分としても使用されている。
また、TiO2コーティングは、コンクリートやセラミック、床材、屋根材などの改修に役立つ。
さらに、これらのコーティングは、再生可能なインフラの生産コストを下げ、汚染の除去や廃棄物の削減にも貢献している。
特に今は、バイデン大統領が再生可能エネルギーの壮大な利用拡大を呼びかけているため、チタンは無視できない投資対象だ。
チタンに投資するには、チタンを採掘したり、チタンを使って製品を製造している企業の株を買うのが一番良いだろう。
対象銘柄には、重要なTiO2を生産している企業も含む。
二酸化チタンの寡占化
世界の二酸化チタンの70%は、わずか7つの企業による「寡占」状態となっている。
クロノス・ワールドワイド(KRO)はその一つだ。
同社は、世界の化学コーティング会社にTiO2を供給しており、私が繰り返し述べてきた、インフラ投資の増加による恩恵を得ることができる。
株価は1月7日につけた高値を抜けたばかりで、モメンタムも上昇している。
さらに、3月10日の決算では、予想を大きく上回る結果となった。また、四半期の売上高は4億1500万ドルという驚くものだった。
チタンに関する投資では、ロケットのように高く急騰していく可能性のある企業が多く含まれていると考えており、2021年の注目セクターになるだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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