”恒大”なインパクトを乗り切るための3つのセーフマネー戦略
- 1241 Views
- 2021年9月24日
- トピックス
中国恒大(Evergrande)グループという名前を聞いたことがあるだろうか?
あなたが中国に住んでいる ― あるいは中国市場に積極的に投資しているのでなければ、答えは「ノー」だろう。
もしくは少なくとも、この企業の破綻の可能性をめぐる憶測が、月曜日に世界的なリスク資産の売りを引き起こす前であれば、「ノー」だったのではないだろうか。
恒大(Evergrande)は、中国の不動産市場での巨大なプレーヤーで、近年はあらゆるビジネスに積極的に進出してきている。そして今、この企業は3000億ドルを超える負債の影響にさらされているのである。
恒大(Evergrande)の株価は、一時1年前から85%も下落する場面があった。
― 世界市場は、ほとんどこの話を無視して満足していた・・・しばらくの間は。
しかし、今週になって大きな警鐘を鳴らすことになってしまったのである。これまで経済的に敏感なセクターのみに限られていた弱さが波及し、月曜日にはついに山火事のように広がったことで、ダウ工業株は日中に900ポイント以上も下落した。
ただし、こういう時に市場で当てにできるのは、トレーダー達は飽き性だということだ。そして案の定、火曜日に米国のトレーダーが自国市場にまた目を向けたことで、株式はなんとか持ちこたえることができた。
しかし、目先のことにはとらわれないようにして欲しい。このような市場では、セーフマネーの投資戦略に徹する必要があるのだ。
セーフマネー戦略①:訂正や売却の際に有利になるよう、手元に現金の準備をしておく
ほとんどの投資信託は現金をほとんど保有しておらず、ファンド資産の数%程度であることが多い。これは、市場が完全な強気市場モードの時には良いことだが、そうでない場合にはあまり良いとは言えない。
いつも100%の投資をしており、自分の手元にキャッシュを貯めていない人間は、今回のようなショックを受けた時に不意打ちを食らうことがある。
損失が拡大するだけでなく、プルバックで安くなった価格に乗じるための現金が手元に残らないということだ。
セーフマネー戦略②:株式以外の資産を狙う
ダウが900ポイント以上暴落したにも関わらず、問題がなかったのは何か知っているだろうか?
金だ。
SPDRゴールド・シェア(NYSE:GLD)は月曜日に0.7%上昇している。
セーフマネーのメンバーが投資をおこなう際、私は常に、安全マージンを維持することを推奨している。
セーフマネー戦略③:利益を得ることを忘れず、もともとメリットのある銘柄に投資する
一部の人気セクターを除き、市場は夏以降、広がりのなさに悩まされている。それが、ここ数カ月、セーフマネー購読者に利益の一部を手にすることを勧めてきた理由のひとつだ。
また、だからこそ私は、高いワイス・レーティングやより余裕のある利回りなど、投資家にとってクリティカルな安全マージンを提供する銘柄にフォーカスし続けているのである。
そしてこれは、強力なビジネスの追い風を受けている企業が、非常に重要な理由でもある。
次に恒大の売りがいつ起こるのか・・・私にはわからない。 ただし、「セーフマネー」の投資アプローチを維持していれば、状況を乗り切り、その先にある繁栄を手にすることができるのは確かである。
それではまた。
マイク・ラーソン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。