バイオテックのミラクル・プレイ
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- 2022年2月6日
- トピックス
バイオテックの世界では、毎日のように起こっているのを目の当たりにしている。
以前、その奇跡のひとつであるゲノム編集についてお話した。
今回は、ゲノム編集のように、聖書の「生命の樹」に似た話をご紹介したい。
- 人間の寿命を延ばし、さらには老化プロセスを元に戻すことができる幹細胞治療だ。
幹細胞は、発生初期にさまざまな種類の細胞に分化する。スタンフォード大学の研究チームは、4つの「転写因子」を使って、古い細胞を若々しい状態に戻すことができることを発見した。
彼らのスタートアップであるTurn.bioは、このアプローチを皮膚疾患、肺疾患、変形性関節症、眼科に応用しており、いつの日か、変性した脊椎の障害や怪我をした人が再び歩けるようになるかもしれない。
会社はまだ非公開だが、今後の展開に注目したい。
- もう1つの「奇跡」は、神の「氷のような」創造物の1つと思われる、クモに基づいている。
クモの糸は、強度、弾力性、柔軟性に優れており、大きな可能性を秘めている。
クモは共食いをするため、コロニーで育てることができず、大量にシルクを生産する方法がなかったが、クレイグ・バイオクラフト・ラボラトリーズ(KBLB)がそれを変えようとしている。
遺伝子組み換えクモ糸のリーダーである同社は、独自の技術を、商業的に最も効率的にシルクをつむぎだすカイコ/チャタテムシに応用している。
イモムシの体重の実に40%がシルク腺に費やされており、クレイグは、遺伝子組み換えのクモの糸が、鉄よりも強い機械的特性を持ち、現在のさまざまな高機能繊維を上回ると想定している。
- クモの糸は、防弾チョッキをはじめとするさまざまな用途に使用される新しい「スーパー繊維」として商業的に導入され、需要(市場機会)が拡大するだろう。
また、遺伝子組み換えのバクテリアを使ってクモの糸を作ることも試みられているが、製造コストは1キログラムあたり3万7500ドルを超える可能性がある。一方、クレイグはそのコストの1%以下でシルクを作ることができ、現在、同社は生産を強化している。そして先日、米軍と初の契約を結び、「Dragon Silk™」を提供することを発表した。
ペニー株であるため、リスクははるかに大きいが、先に述べたように、報酬はクモの巣一杯の利益となるかもしれない。
いつものように、投資を行う前にはデューデリジェンスを行って頂きたい。
そしてもちろん、新型コロナウィルスを語らずにバイオテックの話を終わらせることはできない。
パンデミックが今後もある程度継続する可能性があることから、mRNAワクチンやモノクローナル抗体に加え、
- SARS-CoV-2の新種が出現するたびに、その特定をリードしている企業がある。
世界保健機関(WHO)がオミクロンを懸念すべき変種と分類してからわずか2週間後、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(TMO)は、「TaqMan SARS-CoV-2 Mutation Panel」をアップデートし、リアルタイムPCR装置を用いて1時間以内に新変異種を検出できるようにした。
サーモ・フィッシャーの遺伝子検査ソリューション担当シニア・メディカル・ディレクターのマノジ・ガンジー氏は、次のように述べている:
「TaqMan Mutation Panel」は、このような新たな変異種を考慮して容易に調整を加えることができるため、パンデミックのこの段階で、研究室において大規模なサーベイランス検査を実施すること可能だ。これにより、各公衆衛生機関はオミクロンを追跡し、感染拡大を抑制するための対策を講じる必要があるかどうかを判断することができる。
1956年に設立され、2580億ドル以上の時価総額を誇るサーモ・フィッシャー・サイエンティフィックは、分析機器、特殊診断薬、ラボラトリー製品やサービスなど、膨大なライフサイエンスソリューションを世界中に提供している。
- クレイグ・バイオクラフト・ラボラトリーズとは異なり、サーモ・フィッシャーは時価総額2550億ドルの大手優良株だ。
リスク許容度が低い場合は、こちらの方がはるかに良い選択肢となるだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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