金利上昇に伴い、投資戦略をおさらいしよう
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- 2022年2月27日
- トピックス
2022年に入ってから、一つの傾向がはっきりしてきた。 金利が上昇している。
- 特に米2年物や5年物中心に短期債の利回りの上昇も顕著だ。これらはFRBの政策に最も影響を受けやすい債券の一つであるため、今回の動きは、投資家が積極的なFRBへの懸念を強めていることを示している。
この背景には、まずエネルギー価格の上昇がある。
原油価格は、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて24日に一時7年7か月ぶりに1バレル=100ドルを超えたばかりだ。
ゴールドマン・サックス(GS、格付け「B-」)は、2023年にも原油価格の上昇が続くと予想しており、ガソリン価格の上昇を示唆している。
そして、インフレだ。
1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.5%上昇した。前の月(7.0%)から伸びが加速し、1982年2月以来約40年ぶりの高水準となった。
また、市場は現在、FRBが数ヶ月前よりも早く、より積極的に利上げを開始すると予想している。
以下のチャートは、どのような潜在的なFRBの金利アクションが短期金利市場に織り込まれているかを示している。
2022年6月15日のFRB会合は、1年の半ばであるため、ゼロとした。
数四半期前のこのチャートは、ほとんどが水色になっている。
つまり、金利トレーダーはほぼ全員、金利を現在と同じ0%から0.25%と予想していた。
また、25ベーシスポイントの引き上げを行い、0.25%から0.50%の範囲で実施すると予想した人はごく少数だった。
- しかし、2022年初頭の引き上げなしに賭けている人はほとんどいない。
それどころか、それまでに25ポイントの引き上げを1回(オレンジ)、2回(グリーン)、3回(パープル)と予想する投資家の割合がいずれも急激に上昇している。
その結果、舞台裏では強力なセクターローテーションが行われている。
次の2つの例を見てみよう。
1. 銀行などの金融株は、利益率の向上につながるため、金利の上昇を好む傾向がある。そのため、ファイナンシャル・セレクト・セクターSPDRファンド(XLF、格付け「B」)は、苦戦している市場の中で、上昇が目立っている。
2. 逆に、価値の高い、あるいはお金のかかるテクノロジー株は、金利の上昇を嫌う。そのため、投資家は「将来」生み出すであろう利益に対して、「今」支払うべき金額を減らす。だからこそ、テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLK、格付け「B+」)は、今年に入ってから下落トレンドにある。
まだある。
割高な成長株から割安なバリュー株への資金移動も増えている。
iシェアーズ・ラッセル2000グロースETF(IWO、格付け「C」)も冴えない展開が続いている。
一方、iシェアーズ・ラッセル2000バリューETF(IWN、格付け「B-」)は、底堅さが伺える。
このパターンがいつまで続くかは断言できないが、これらの動きは、昔からある「金利上昇のシナリオ」に当てはまるものだ。
- そこで私がアドバイスしたいのは、流れに逆らおうとするのではなく、それらを認識して適応することだ。
投資戦略を読み返し、そこに書かれている通りに動いてみて欲しい。それが私が「セーフマネー・レポート」の会員に勧めていることでもあるため、ぜひ最新号をチェックしてみて欲しい。
それでは、また。
マイク・ラーソン
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