スマートなスケーラビリティは存続し、成長する
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- 2022年6月6日
- トピックス
ハイテク株はスランプに陥っている。投資家たちは2020年3月のCOVID-19の暴落以来、このセクターはバブル状態にあり、現在の弱気は大きな清算の始まりであると懸念している。
だが、それは間違っている。
モルガン・スタンレー(MS)のアナリストは5月31日、前回の大きなハイテクバブルであった2000年と比較を行った。彼らの調査によると、投資家はまだイノベーションに過剰な対価を支払っているとのことだ。
スケーラブルなイノベーションはまだ珍しく……そして今や歴史的な安値となっている。
5月13日、スペースXのロケットが53基の小型衛星を地球低軌道に乗せた。付属のブースターは宇宙の果てで切り離され、複雑なテレマティクス操縦を行った後、カリフォルニア沖300マイルの無人探査船に自律的に着陸した。
スペースXの再利用型ブースターの着陸は120回目の成功となった。カリフォルニア州ホーソーンに本拠を置く民間企業である同社は、その後1週間の間にさらに2回、この複雑な作業を行った。
奇跡と驚異の時代
投資家はほとんど時代を正しく理解している。ブルームバーグで5月に発表された報告によると、株式非公開のスペースXの評価額は1250億ドルにまで伸びている。
問題は2000年のように、あまりに多くの非スケーラブルなイノベーションが高値で取引されるようになったことだ。
そして確かに、それが真実であることを示すいくつかの顕著な例があった。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)は、ウォール街の投資会社によって過度な期待をされた特別目的買収会社(SPAC)であった。宇宙旅行会社である同社は、裕福な人間を天空に打ち上げて、勇敢な新ビジネスを構築するはずだった。
2020年、モルガン・スタンレーのアナリストは、この株の価値が70ドルであると述べた。ヴァージン・ギャラクティックの株価は、昨年2月に62ドルまで上昇したが、その後、現実に戻った。宇宙旅行の市場はスケーラブルではなく、金持ちが大挙して押し寄せたとしても、駆け出しの会社には高速ターンアラウンドロケットはない。
株価は暴落し、炎上した。現在の7ドル前後という価格は、より正確に実際の企業価値と一致している。
調査会社オーディット・アナリティクスは、平均的なSPACが高値から60%下落していると指摘している。他の多くの企業は、倒産すると警告している。
確かに多くの過大評価があるが…しかし、このような企業と真のデジタル・トランスフォーメーションの勝者とを混同してはいけない。
モルガン・スタンレーのアナリストは、こうした小規模で非スケーラブルな企業をビッグテックのプラットフォームと混同している。規模の重要性を否定するような無謀な分析である。
例え話として完璧なストーリがある。
1995年、マイクロソフト(MSFT)の創業者ビル・ゲイツ氏が『レイトショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』に出演した。
ゲイツ氏がインターネットの将来性を謳うと、レターマン氏は、当時ネットで可能だったことは既存のテクノロジーで簡単に複製できることを指摘した。
レターマン氏の素人目には、スケールメリットを感じられず、インターネットは不要に思えたのだ。ゲイツ氏が「メディアはバックアップしてオンデマンドで提供できる」と主張すると、レターマン氏は「テープレコーダーをご存じですか」と揶揄した。
現実には、レターマン氏が言及していることはすべて、インターネットを使えば、はるかに容易に拡張できるわけで、あの名インタビューを振り返ると笑ってしまう。
悲観的なアナリストは、より重要でスケーラブルな技術革新について、今日も同じように無意味な議論をしている。クラウドネットワークの急速な進歩により、スーパーコンピューターレベルの処理がオンデマンドで利用できるようになり、すべてを変えようとしている。
コンピューターは、ロケット工学、輸送、物流、生物学など、ほとんどすべての先端技術分野の解明へと発展していった。
いくつかの官民企業が論理的な勝者として浮上し始めており、ハイテク株のスランプのおかげで、それらの企業の多くは、ここ数年来で最も安値となっている。
スペースXは、イーロン・マスク氏が設立した民間企業であり、同社は何千もの小型衛星を打ち上げ、世界の未開拓地域に高速・低遅延のインターネットをリーズナブルな価格で提供している。
一般投資家が株式を取得する方法は今のところないが、それでもテスラ(TSLA)の株式を購入することは可能だ。電気自動車(EV)メーカーである同社は、自動車ビジネスの仮面を被った一大テクノロジー企業である。
クラウドベースのソフトウェアを数十万台のテスラEVのオンデマンドで利用できるスケーラブルな驚異である完全な自動運転を展開している。完全自動化はゲームチェンジャーであり、安全性を飛躍的に高めると同時に、全車両の物流を数段安くすることができる。
ハイテクセクターには行き過ぎたところがあり、今でもまだ残っている。
しかし投資家は、小規模で非スケーラブルなハイテク系企業と大規模な革新的プラットフォームを混同するのは間違いである。これらの企業の多くは、現在では歴史的に安値となっている。
ハイテク系に完全に戻るのはまだ時期尚早かもしれない。テスラを含む多くの重要企業の株価は、主要な移動平均線を大きく下回ったままではあるが、投資家はハイテク株が一枚岩でないことを認識する必要がある。
スケーラブルなプラットフォーム、特にテスラのような典型的なプラットフォームを狙う時がきた。
一つ注意点がある:ハイテク系企業は、出現するのと同じくらい早く消えてしまう可能性がある。未知数だからこそ、偉大な進歩が意味のない思い出になってしまうことがあるのだ。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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