ミーム株がもたらす災難
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- 2022年9月6日
- トピックス
なぜ、私が「ジャンク株を捨てろ」というメッセージを発し続けるのか?
なぜ、私は投資家にセーフマネー投資を重視するよう促し続けるのか?
投資を台無しにし続けるミーム株マニアに近づいてはいけない。セーフマネー戦略がなぜこれほどまでに賢明なのか、その明快な例がある。
まずはベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)。全くのジャンク銘柄だ。
ワイスの格付けシステムで「D」(「売り」)となっているこの破綻した小売業者は、直近の四半期でなんと3億5800万ドル(1株当たり4.49ドル)の損失を出している。これは、前年同期の損失額の7倍にあたるものだ。
あまりにひどいため、支払いが滞ることを恐れて、同社への商品の出荷を控えているサプライヤーもあるという。
しかし、買わずにいられない投資家がおり、彼らは8月上旬、再び株を買い漁った。10%の株式を保有する大富豪のライアン・コーエン氏に信頼を寄せる人が多かった。
だがだが、同じく「D」評価で昨年52%下落したチューイ(CHWY)の共同設立者は、持っていた全ての株を売却し、その結果、数日で株価は69%も下落した。
次に、AMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)。このミーム株もまた、ワイス格付けシステムで「D」評価となっている。直近の四半期では約1億2100万ドル、12カ月ベースでは8億1800万ドルなど、赤字まみれだ。
今月初め、この映画館運営会社が株主に対して優先株式を発行する計画を発表したこともあり、一部の投資家はこの株に殺到した。
ニューヨーク証券取引所に上場しており、ティッカーシンボル「APE」は、個人投資家の愛称である「Ape」にちなんだものだ。
しかし、案の定、AMCの株は今、大暴落している。8月上旬に27ドル程度だったのが、先日は11ドル以下に急落した。APEは、先日日中の高値約10.50ドルから、終値で6ドルにまで急落。
AMCの主要な競合相手であるシネワールドが破産申請を考えていると述べたことが、一つの重要な引き金となった。同社は、会社固有の債務問題を抱える一方で、大ヒット映画の公開がなければ収益が悪化すると警告している。そうなるとAMCにも明らかに影響が出るだろう。
ミーム株投資は長期的にはどうなのか?
このチャートが全てを表している。 この2つの銘柄だけで、過去1年間に投資家の資金の65%と69%が燃やされたことになる。
このようなバカげたことが行われている間にも、ディフェンシブで利回り重視の不況に強いセクターは史上最高値またはそれに近い水準で取引されている。
ミーム株が投資家の資金を破壊する中、私の気に入っているセーフマネー銘柄は、ジャンクなペーパー配当ではなく、本物の現金配当を支払っている。
よってもう一度繰り返したい。 セーフマネー戦略は、この種のジャンク銘柄に投資するよりも、長期的な富を築くのに非常に適している。
信じて、追いかけてほしい。
それでは、また。
マイク・ラーソン
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