インフレ悪化中、しかし暗号資産は上昇
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- 2022年10月17日
- トピックス
先週はインフレ見通しを悪化させる指標が2つ発表されたものの、ビットコイン(BTC、格付け「A-」)やその他の暗号資産は高値で取引されている。
水曜日の生産者物価指数(PPI)では、9月が0.4%上昇し、予想の0.2%の2倍となった。年間では8.5%の上昇だ。
消費者物価指数(CPI)も、前月比0.4%増、前年比8.2%増と、あまり良い結果ではなかった。これを受けて、市場は下落した後、直近の安値から力強い反発を見せた。
ビットコインは再び2万ドルを試しているが、重要な心理的ハードルと2017年の強気相場のピークからの抵抗に直面する可能性がある。BTCは、サポートを見つけた後、中立的なトレンドを維持しており、現在は、直近の1万7500ドルから2万5000ドルのレンジの真ん中あたりで安全な推移を続けている。
ビットコインは、先日の取引時間帯に21日移動平均線を超えた。このまま上昇を続ければ、2万ドルを超えるかもしれないが、インフレ率の改善やFRBが軸足を移すことを示唆しない限り、2万5000ドルを超えるようなブレイクアウトはありえないだろう。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
イーサリアム(ETH、格付け「A」)は先日3%上昇し、1330ドル付近まで戻していた。ETHは、上昇を継続した後、横ばいの取引レンジ内で安定して推移している。
しかし、時価総額で2番目に大きい暗号資産は、BTCの2%のドローダウンに対して15%の損失と、依然としてビットコインの月次パフォーマンスからかけ離れている。
イーサリアムは21日移動平均線を超えることができたが、まだそのレベルを一貫して維持するほどの強さを見せていない。暗号資産が弱気市場の終わりに近づく中、イーサリアムが勢いを取り戻すことができれば、アルトコインもそれに続くだろう。
注目すべきは、前週、発行量よりも焼却されたETHが多かったため、イーサリアムの総供給量が4000ETH減少したことだ。この供給量の減少は、プルーフ・オブ・ステーク・コンセンサス(PoS)移行の後、資産にとって初めてのデフレを迎えることになる。4000ETHの減少は、総供給量0.13%を占める。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
インデックス一覧
先週の暗号資産(仮想通貨)市場は下落したが、週後半に最近の安値から上昇したことは明るい兆しだった。取引は市場全体でほぼ一貫していたが、確立した暗号資産は最近のアウトパフォームを拡大させた。
ほとんどの暗号資産が下落して週を終えたため、ワイス・50・クリプト・インデックス(W50)は6.69%下落した。
ワイス・50・Ex-BTC・クリプト・インデックス (W50X)は7.75%下落し、ビットコインが幅広い市場をアウトパフォームしたことを示している。
パフォーマンスを時価総額別に見てみると、確立した暗号資産がより良い動きを見せたことが分かる。それぞれ下げて終わったが、規模が大きいほど値を維持した。
大規模コインはワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)が6.51%の下落し、最も下落幅が小さかった。
中規模コインは、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)が8.27%下落し、中位となった。
先週は小規模コインが最も苦戦し、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は9.05%の下落となった。
暗号資産(仮想通貨)市場のパフォーマンスは前週と一貫しており、この動きは暗号資産が冬の終わりに近づくにつれ、理にかなっていると言える。次の上昇トレンドの開始を目指す中、ビットコインと大規模コインが方向性を確立することになるだろう。
今後の推測
暗号資産は不透明なマクロ経済環境の中で強さを見せているが、インフレ率の見通しが悪いと、上昇の動きを持続させるのは難しくなる。卸売物価と消費者物価の上昇により、FRBは減速を求める声にもかかわらず、現在の積極的な利上げサイクルを継続せざるを得なくなると考えられる。
暗号資産は、ウクライナ戦争をめぐる不確実性や規制当局の監視にも直面しなければならないが、いずれも長期的な存続を脅かすリスクではない。暗号資産のセンチメントが改善されれば、機関投資家は次の強気相場の主要な原動力となるだろう。
市場は暗号資産の冬の終わりに近づいており、マクロ経済、地政学、規制の逆風が収まれば、大幅な上昇につながる下地が整うことになる。
健闘を祈る。
サム
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