恐怖を煽る人間は無視しろ
- 2073 Views
- 2022年12月15日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanです。
・CPI(インフレ率の発表)
・FRB政策金利
重要な2つのイベントを終えて今、米国株式市場は重要な局面にあります。
こちらはS&P500の年初来からの下落トレンドをオレンジ色の線で表示しています。12月頭にこの下落トレンドにタッチした後S&P500は4%ほど下落。その後、CPIの発表を受けて一時トレンドを超えたもののまた下落し、現在もトレンドの下にあります。
この水準を超えていけるのか?それが今注目されていますが、世間的にはまだまだネガティブな意見が多いようです。
しかし、Weiss Ratingsアナリストジョン・マークマン氏はこうした意見について「恐怖を煽る人間は無視しろ」と言います。
なぜこうした情報を無視すべきなのか?では、弱気な意見が多い中でどう投資するのか?マークマン氏の最新記事をご覧ください。
株価は再び下落し、識者は悲観的で、最悪の事態はまだ来ていないと警告している。
投資家は注意すべきだろう。株式市場で本当に儲けたいなら、恐怖を煽る人間を無視し、現実的な目標を設定して、長期的な投資ポートフォリオを構築する方が良い。
今回は、恐怖に直面しても投資がうまくいく5つの理由をご紹介したい。
1. ウォールストリートのストラテジストやアナリストは、あなたの仲間ではない。
悲しいことに、彼らは取引を促すために設計された、より大きな、よく整備された機械の一部だ。彼らの目的は、株式市場が活況を呈しているときは熱狂的になり、底値では気力を奪い、次の取引に移ることだ。
彼らの分析の根底にあるのは手数料とひどい自己宣伝があって、あなたの利益の為ではない。
関連記事:
85%下落した金融株に待ち受けるさならる試練
これは誇張などではない。株価が急上昇した銘柄で、株価が頂点に達したときのアナリストのコメントを調べてみてほしい。
アナリストは、上値では強気で、株価の大幅な上昇を予想し、下値では圧倒的に弱気であったことがわかる。プロの株式分析は強気・弱気に関わらず、将来の価値を評価する能力であることを覚えておこう。
2. メディアは機械の一部。
客観的な主張に惑わされないでほしい。金融メディアは重要な機械の一部だ。テレビのプロデューサーや新聞の編集者は、視聴率や広告のクリック数、ページビューを増やすには、極端な視点を売り込むことが一番だと理解している。その結果、常識にとらわれない群集心理的なジャーナリズムが生まれる。
あなたは、暗号資産から生まれた大富豪の話や、特別目的買収企業(SPAC)のデイトレードの儲け話などの魅力的な話を目にしたことがあるだろう。今では馬鹿らしく思える。
当然のことながら、ほとんどの暗号資産とSPACは不発に終わった。
3. プロの投資は、あなたが考えているようなものではない。
株式市場が不調になると、確実にある種のプロのマネーマネジャーが再び声を上げる。彼らの多くは、投資は数学だと考えており、株式の価値は本質的な純資産倍率や株価収益率などの基本的な財務指標に基づいている。
これは明らかに誤りであるが、問題はそこではない。ほとんどのアクティブなプロの取引ポートフォリオの問題は、ベンチマーク・インデックスが下落傾向にあるときにのみ、インデックスよりも優れたパフォーマンスを発揮することだ。顧客にとって残念なことに、インデックスは長期的に上昇している。
S&Pグローバルが2020年に行った15年間の大規模な調査では、88.4%の運用会社がベンチマークを下回っていることが判明した。
4. 質の高い成長株が急落することは滅多にないため、怖がらずに買う。
ある企業の株式は、他の企業より単純に良い投資先だ。経営陣は、より集中し、より革新的になっている。彼らの中核事業は、より強い競争力を持ちながら、より速く成長している。
不思議なことに、株価が下がると、投資家はこうした企業のを買うことに消極的になる場合が多い。株価の下落に伴うネガティブな話題が絶えない中で買うのは難しいことは理解できるが、大きな誤りであることには間違いない。
マスターカード(MA)は、世界でも数少ないクレジットカード決済の処理業務を運営している。現在の株価は348.83ドルで、2006年の株式公開以来8,099%上昇している。
さらに重要なのは、2010年、2014年、2020年に株価が高値から少なくとも30%下落した点だ。マスターカードの株価は、上場からわずか2年後の2008年には60%も下落した。
事業に変わりはなく、価格の下落は買い場だった。
5. 投資は、簡単に売買できる電子証明書ではなく、事業の一部を買うことだと考える。
多くの投資家が、心配する必要のない要素について心配している。優れた経営陣がパン屋を経営していたとする。世界経済が縮小しているからと言って、彼らは店を閉じ、事業を売却するのだろうか。世界経済の縮小に適応するのが普通だろう。
投資家は、優れた企業に投資する戦略を立て、不利なマクロ経済情勢を乗り切るのは企業の経営陣に任せるべきだ。 これが実証された富を築くための方法だ。
イーロン・マスク氏やジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏、ウォーレン・バフェット氏など、世界の富豪の多くは、優れた企業の株式を長期的に保有することで財を成してきた。
経済状況や、アナリストのコミュニティ、メディア、プロのポートフォリオマネジャーの間で語られる意見に左右されることなく、投資していた。
これらの情報源は、世代を超えた富を築くことはおろか、正確さの歴史もない。
長期的な投資は簡単ではないが、本来なら逆だ。きちんとした情報と不屈の精神があれば、むしろ簡単になる。
良い投資には、計画性と、誰もが売ると言っているときに買う不屈の精神が必要だ。買うことを怖がらないでほしい。恐怖に直面する中で投資を行い、覚悟しよう。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
P.S
米国株式市場には200年以上の歴史がありますが”長期の資産形成”という立場に立った時弱気派の意見が正しかったことは一度もありません。
もちろん2022年に始まった下落はまだ終わっていませんが200年間、弱気な意見を乗り越えて成長し続けてきたのが米国の株式市場です。今回もおそらく、10年後、20年後には、弱気な意見を聞かないのが正解だった、何も考えず長期投資しておけばよかったと振り返られることになるでしょう。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。