アルトマンは忘れて、今行うべきAI投資
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- 2023年12月12日
- トピックス
先月後半に起きたOpenAIのCEOサム・アルトマン氏の解任騒動。
最終的に、解任されたアルトマン氏がCEOに復帰するという決着になりましたが、その過程で非常に興味深いことが起こっていたのです。
それは、、、
アルトマン氏の後任に打診されたのは、OpenAIの「本命」ライバルと言われるアンスロピックのCEOだったのです…。アンスロピックという会社はOpenAIのChatGPTのような対話型AIを開発する企業。OpenAIは、そんなライバル企業からCEOを引き抜こうとしていました。
「OpenAIのCEOが突如解任」「ライバル企業からCEO引き抜きを画策」
確かにこれらは話題性もあって目を引くニュースですよね。
しかし、私たち投資家が注目すべきなのは、別の事実です。
それは、、、OpenAIだけでなく、多くのAI企業に多額の資金が流れ込んでいるということ。
実際に、マイクロソフトがOpenAIに130億ドルを出資しているだけでなく、
先のニュースでも話題となったアンスロピックに対して、
- グーグルが最大20億ドル
- アマゾンが最大40億ドル
の出資を発表しているのです。
Weiss Ratingsのシニアアナリスト、ジョン・マークマン氏も、OpenAIの解任騒動は忘れて、多額の資金が注ぎ込まれるAIが正当な投資トレンドになったことに注目すべきだと言っています。
さらにこの記事の中では、私たちが勝者の見えないAIトレンドに乗るための方法も紹介してくれています。
それでは、マークマン氏の記事をご覧ください。
ChatGPTを開発したOpenAIが混乱している。
1週間のうちに、最高経営責任者(CEO)解雇され、そして同じ人物がCEOに復帰した。しかも、OpenAIのほぼすべての従業員が、アルトマンの復帰が実現しなければ退職も辞さないと脅した。
理事会の証言によれば、OpenAIのAI開発は急ピッチで進められているようだ。これは投資家への警鐘だ。AIはすべてを揺るがすことになるだろう。
そして、私にはそんなAIに投資する最高の方法がある。
ChatGPTに注目が集まる理由
ChatGPTは、2022年12月に最初のバージョンが一般ユーザーに公開され、それ以来AIブームの中心となっている。
従来の演算方法とは異なり、生成AIは大規模な言語モデルにアルゴリズムを適用することで、ユーザーの問いかけに対する回答を生成する。従来の演算は、見栄の張ったデータ検索に過ぎない。
取るに足らない違いにしか見えないかもしれないが、それは違う。良い表現は思いつかないが、答えを生成するモデルとは、“思考”だ。
倫理学者たちは、膨大なデータセット(ChatGPTには2200億ものパラメータが存在する)で訓練された生成AIモデルが、指数関数的に、そして制御不能になるまで進歩することを懸念している。そして、彼らは生成AIモデルがコンピューティングの聖杯である汎用人工知能(AGI)に到達するのは時間の問題だと警告している。
AGIとは、SF映画に出てくる人型アンドロイドのように、コンピュータの知能が人間の知能を凌駕することである。
こうした懸念が、先月OpenAIの理事会でCEOであるサム・アルトマンが解任された根本の原因となっているのかもしれない。
サム・アルトマン
アルトマンの解雇、そして復帰
OpenAIのチーフ・サイエンティストであるイリヤ・サツキバーは、OpenAIの中で、AGIに消極的なグループの一員であった。ロイター通信によると、同社の研究者グループが11月初旬に理事会に宛てた書簡で、「強力な新AIが発見された」と警告していたという。このAIが人類に潜在的な脅威をもたらすことを恐れていたのだ。
11月17日、OpenAIの共同創設者であるグレッグ・ブロックマン氏は、理事会が前日にグーグルミートを通じて、サム・アルトマンに連絡を取ったと書いている。理事会は、一連の一貫性のない発言により解雇されることを彼に伝えた。この時から混乱が始まった。
それから数日のうちに、マイクロソフト(MSFT)は新しいAI開発プロジェクトの責任者としてアルトマンを招き入れることで合意した。その一方で、OpenAIのスタッフ770人のうち747人が、アルトマンが復帰しなければ辞めると脅した。
アルトマンは、OpenAIの従業員保有株を860億ドルの評価額で売却するため、個人投資家と交渉していたことを覚えておいてほしい。その取引が成立していれば、770人のスタッフの多くが裕福になっただろう。
OpenAIは2015年に非営利団体として設立された。その当時のミッションは、人類に利益をもたらすAIの開発だった。サム・アルトマンは2018年に営利部門を設立し、すぐにマイクロソフトを大口投資家として獲得した。
その後、マイクロソフトは130億ドルを投資し、営利部門の株式の49%を取得した。
ただアルトマンとマイクロソフトにとって不運なことに、営利部門は非営利部門の傘下にあった。そのため、OpenAIは非営利部門の理事会がコントロールしており、その理事会の決定でアルトマンは解任された。
アルトマンは結局、サツキバー氏の翻意によってCEOに復帰した。サツキバー氏は、解雇に関わったことを後悔していると書いている。そして、アルトマンの追放に賛成した取締役のうち2人は、元米商務長官ラリー・サマーズ氏と元Twitter会長ブレット・テイラー氏に代わった。
今行うべきAI投資:完全版
投資家にとって重要なことはいくつかある。
その中でも、明らかに重要なのがお金の動きだ。アルトマンはOpenAIに資金をもたらす“金のなる木”となった。金融界から、資本や大物を集めている。この富をもたらすきっかけとなった彼を追い出そうとするような支援者はいないだろう。
しかし、そのようなOpenAIの動向よりも最大の注目すべき点は、AIが正当な投資トレンドとなっており、熱狂的な新たなブームを巻き起こす可能性が高いということだ。
そして、価値あるものとそうでないものを見分ける時間がない今、この止まらない波に乗る投資先がある。それはアーク・イノベーション(ARKK)ETFだ。
ARKKのこれまでの業績
アーク・イノベーションは新興テクノロジー企業を集めたものだ。テスラ(TSLA)やスクエア(SQ)など、こうした企業の多くはAIをいち早く導入してきた。
さらに重要なのは、この440億ドルのファンドには投資家たちを惹きつけるほどの知名度があるということだ。
アーク・イノベーションの株価は2023年に入ってから50%以上も上昇した。それでも、2021年につけた最高値156.58$よりはるかに安い。またその付近の株価に戻る可能性はないとは言えないだろう。
また次回。
ジョン・D・マークマン
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