定年退職者とFRBの終わりなき戦い
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- 2020年8月3日
- トピックス
「軍隊を率いて幽霊の森に行って女の子と犬をさらって来い!あとはお前の好きにしていい!」-西の悪い魔女「オズの魔法使い」
「オズの魔法使い」を始めてみた時、私は7歳か8歳だった。皆さんがその時、何歳だったかは分からないが、少なとも私は空を飛び回る猿たちにひどく怯えていた。
あの頃は小さかったし、今はさすがにその猿たちのことを怖がったりはしない。むしろ現在は、FRB(連邦準備制度理事会)が操る空飛ぶ猿たちの方が怖い。FRBは、ドロシーとその犬を追い回す代わりに、お金を貯めようとしている人たちと戦いを繰り広げているのだ。
これは銃や爆弾を使う戦いではない。これは、定年退職後のために必死にお金を貯めた人々と当局との戦いだ。
今、アメリカのゼロ金利政策と長引く自粛生活は、このような人たちを追い詰めている。
3月以降、FRBはゼロ金利政策を打ち出し、増加する資産購入価格の無限の買い占めに取り出した。さらに、アメリカ国内の企業にフリーマネーを流して、金融システムを守るために、数多くの対コロナショックプログラムを実施している。
しかしこれらの政策は、退職金を得るために、利息収入を頼りに生きている平均的な高齢者にとっては無意味なものだ。
それでも拍車をかけるように、FRBはより量的金融緩和や多くの企業救済、低い(最終的にはマイナスの)金利政策の準備を整えている。
FRBは、V字回復がただの幻想となり、今よりも経済状況が悪くなることを恐れている。だからこそ、彼らは金融市場をここまでブーストさせようとしているのだ。
彼らのもとには、地球上で最も迅速かつ的確な経済データが揃っており、そのデータがFRBをけしかけ、私たちに悪夢を見させようとしている。多くのFRB職員が、当初の予定よりもコロナショックが経済に与える影響が大きく、そして長期化すると予測していることは明白である。
FRB職員の意見No.1:「いまだにアメリカの多くの地域で感染が広がっており、これは、公衆衛生的な問題だけではなく、経済的な問題も引き起こしかねない」-ボストン連邦準備銀行総裁、エリック・ローゼングレン
FRB職員の意見No.2:「経済活動はコロナショック以前よりも落ち込んでいる。これにより、損失が増え、当初予測していたよりも回復に時間がかかるかもしれない」-アトランタ連邦準備銀行総裁ラファエル・ボスティック
FRB職員の意見No.3:「依然、コロナショックは経済状況に大きな影響をもたらしている。不確実性が高く、マイナス面でのリスクが目立っている」-FRB理事ラエル・ブレイナード
FRB職員の意見No.4:「大小を問わず多くの企業が、コロナショックが短期的問題ではないことを認識し、ビジネスを再構築している」-FRB総裁トーマス・バーキン
FRB職員の意見No.5:「相変わらず、マイナス面でのリスクが高い」-セントルイス連邦準備銀行総裁ジェームズ・ブラード
また、FOMC(連邦公開市場委員会)が公開した議事録によると、「第二波が訪れる可能性が高く、シナリオによっては、さらなる経済混乱や長期にわたる経済活動の低下が生じることもありうる」という。
つまり、経済の行末は不透明で、2020年の後半にはウォールストリートが想像している以上に悪いシナリオが待っている可能性が高いということだ。これがFRBの今のところの総意だ。
実際に、連邦の法人税の価格も下がり続けていおり、いまだに回復していない。
もし経済が回復しているなら、企業の利益は上が利、財務省の財源にはより多くの税金が流れ込んでくるはずだ。保有株を利確するならから、今がいいだろう。私も退職金用の口座でそうしている。
現在私は、個人用のポートフォリオとして、5つの銘柄とETFしか保有していない。そして、そのうちの2つは金と銀の鉱山会社である:パンアメリカンシルバーコーポレーション(Nasdaq:PAAS、評価「C-」)とU.S.グローバル・GO ・ゴールド・アンド・プレシャス・メタル・マイナーズETF(NYSE:GOAU、評価「C」)だ。
資産の26%を株に割当てている状況だが、この選択肢が間違っている可能性もあるが、FRBの空飛ぶ猿たちが私を脅かしている様子を見ると、間違っているようには思えない。
健闘を祈る
トニー・サガミ