きたる石油ブームへの用意は?
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- 2020年8月17日
- トピックス
これからやってくる石油ブームへの準備はできているだろうか?
この恐ろしいパンデミックが始まって以来、石油・ガス業界は打撃を受けている。
事態は好転するか?
私はそう考えている。
何よりもまず、今年の石油・ガスの暴落が、約7年の痛みを味わってきた石油・ガスの長きに渡る弱気市場の終わりだった。
2014年の原油価格は1バレル100ドルを超えた。そして今年は20ドルまで暴落した。
これには3つの要因がある。
1.供給過剰
2.OPECとロシアの短期的な価格競争
3.世界的なパンデミックによる需要の崩壊
今年は多くの石油会社が破産申請を行った。
ひどい時期だ。しかし、時代は変わる。
石油・ガス業界は非常に循環的だ。最悪の事態から抜け出してきている。実際、原油価格は回復しており、数ヶ月間の狭いレンジでの取引により、上値抵抗線をどんどん試している。これは、米国の原油ベンチマークであるウエスト・テキサス・インターミディエイトのチャートだ。
原油が上値抵抗線を試していることがわかる。週足でこの抵抗線を抜けることができれば、次のターゲットは65ドル、その後は80ドルだろう。 よって、テクニカルベースでは、原油はすぐに上昇する可能性がある。
ファンダメンタルズはどうか?世界中の経済が回復し始めており、石油・石油製品の需要が戻ってきている。最近のエクソンモービル(XOM、格付け「D+」)が発表した輸送用燃料需要を示すチャートを見てみよう。
航空会社やクルーズ船の需要はまだ十分でない。一般的な予想では、2023年までは通常営業の再開はない。
しかし、その前に世界の原油需要が「正常」に戻ればどうなるだろうか?
結局のところ、中国の 原油は、今年初めにコロナウイルスが大流行する前の水準の90%以上に回復している。
そして中国の 原油 輸入量には目を見張るものがある。中国の原油輸入量は昨年上半期に比べて9.9%も急増した。1~6月の輸入の伸びは、1~3月に比べて4.9%増となっている。実際、最近では中国の原油輸入量が1年前に比べて25%も増えている。
おかしい。
パンデミックで不振に陥った国が行う輸入量には見えない。
中国の輸入が急増している今、アメリカから原油を購入し始めるのはいつになるだろうか?
その結果、米国の原油価格は上昇することになる。
明らかに中国の需要は加速している。また、ウッドマッケンジーのアナリストは、中国の下半期の原油消費量は前年同期比2.3%増の1,360万バレル/日(bpd)になると予想している。
実際、多くの新興国市場では需要が急増している。もちろん、どこでも同様な訳ではない。インドの原油輸入量は6月に5年ぶりの低水準に落ち込んだ。しかし、一般的には世界中の人がCOVID-19と共存していく道を学んでいる。
さて、面白い話がある。先週の月曜日、OPECはCOVID-19を引き金とした需要の減少に対応するため、歴史的な協調減産の縮小を開始した。このニュースを受けて、トレーダーは原油価格が下がることを警戒したが、価格は上昇した。
金曜日に、イラクは8月に原油減産を日量40万バレル拡大し、125万バレルにすると発表した。過去3カ月の超過生産分を相殺するためだという。イラク国営石油販売公社(SOMO)の声明によるものだ。
悪いニュースに反応して価格が上昇する場合は、大抵強気だ。
米国石油協会(API)が火曜日に発表した国内原油在庫の週間統計(7月31日まで)は、前週比858万7,000バレル減だった。アナリストは、326万7,000バレルの小幅な在庫減を見込んでいた。2週連続での強気のサプライズだ。
また、APIは同週のガソリン在庫は前週の108万3,000バレルに比べて174万8,000バレルと発表した。今週の在庫発表も予想を上回るものだ。
そして、さらに強気のニュースが出てきている。水曜日は、米国の原油在庫が3ヶ月ぶりに低水準に達したとの報道があった。
米国の石油生産量は3月13日の131万バレル(bpd)から7月24日には111万(bpd)に減少している。米エネルギー情報局(EIA)によると、2週間ほどその低水準で推移している。
これらはすべて、原油市場が底を打っていることを示す初期の指標だ。確かに、違う展開になる可能性はある。中国は何らかの理由で石油を買わなくなるかもしれない。しかし、石油に賭ける価値はある。
どのように行動するか。
金と同じように、私は原油そのものよりも、原資産にレバレッジをかけた株やファンドを好む。石油株ETFの代表は、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)だ。しかし、より大きなリスクで、より大きな報酬の可能性を狙いたい場合は、SPDR・S&Pオイル&ガス・エクスプロレーション&プロダクションETF(XOP)も検討してみると良い。
個別銘柄を購入することもできる。これが私の推奨だ。個別銘柄を購入するならば、自身でリサーチを行うとよい。私が言ったように、どのみち先行きは明るい。
あなたの成功を願って。
ショーン