2万ドルを射程圏内にいれるビットコイン。暗号資産市場はさらに拡大するか?
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- 2020年12月9日
- トピックス
9日に再び1万8000ドル割れとなる場面があったビットコイン(BTC, 格付け「A-」 )の直近の動きを振り返るとともにファンダメンタル面から今後のアプローチを分析していきたい。まずは、先週の動きから見ていこう。
ビットコインは、3月中旬に始まった爆発的なラリーの勢いが増し続けており、ここにきて初めて2万ドルの大台を突破する兆しが見えていた。
ワイス・50・クリプト・インデックス(W50) は8.25%上昇した。ビットコインのパフォーマンスは、週初めの勢いがあった市場全体の動きと一致している。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス(W50X)は7.96%プラスとなり、アルトコインはビットコインと非常によく似たパフォーマンスを示している。
時価総額でパフォーマンスを分けると、ここ数週間で見てきたよりも少しだけ変化の兆しもあるようだ。
ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は、週半ばのボラティリティーに乗って8.56%上昇して週を終えた。
一方、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)の上昇率は3.61%と控えめであり、週半ばの下落からほとんど回復しなかった。
ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は、週間ベースで12.72%上昇し、小型株が大型株や中型株を再びアウトパフォームした。
12月3日までの暗号資産(仮想通貨)市場は全体的に見ると、落ち着いていたと言えるだろう。アルトコインは2週連続でビットコインと歩調を合わせ、ビットコインのシェアは63%と安定した状態を維持している。
これまでにもビットコインが市場全体を上回るスピードで上昇することが、多くの暗号資産の持続的な成長にとって、良い前兆であると指摘してきたが、今、それが起きているのかもしれない。また、機関投資家の参入は、大量の資本の流れを封じるためにも重要である。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、価格データを提供する方法として、カスタマイズ可能な暗号資産(仮想通貨)のインデックスサービスを作成している。コインデスクの記事で、ダニー・ネルソン氏は「ウォール街の投資家がこれまで以上に暗号資産について調べている。今年のブル市場は、ビットコインへの投資を求める機関投資家が牽引していると言えるだろう」と述べている。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのイノベーション及び戦略グローバルヘッドであるピーター・ロフマン氏は次のように語っている。「私たちは[暗号資産市場]を見てきた。そして、私たちのような企業が参入して、市場の透明性に貢献したいと考えているということは、機関投資家の関心が成熟してきた段階にあるということである」 。彼らは評判の良い暗号データ会社であるルッカと提携する予定だ。さらに、S&Pダウジョーンズの親会社であるS&Pグローバルは、ここ数ヶ月間でブロックチェーンエンジニアを採用し、ブロックチェーン技術を倍増させている。また同社は、今後の暗号資産(仮想通貨)の流れにポジティブな姿勢を取る一例にすぎない。
実際、スクエア(NYSE:SQ)は、5000万ドルの資産をビットコインに投資しており、ペイパル(Nasdaq:PYPL)は、もうすぐ自社のプラットフォームで暗号資産(仮想通貨)の購入と保持を可能にする。これに続き、他の著名な投資家らもこのトレンドに乗ってくるだろう。
これが最近の暗号資産(仮想通貨)のラリーで起きていることである。このラリーでは、以前のブル市場よりもファンダメンタルズが強く、機関投資家が市場をリードしている。さらに、これらの要因はマクロ経済の混乱によって補強されている。
バイデン次期大統領が、次期財務長官に指名したジャネット・イエレン氏がFRB議長を務めていた時、彼女はハト派的な金融政策のスタンスを保持していた。今後、彼女はより緩和的な財政アプローチに取り組むだろう。
パウエルFRB議長と共に、「富の効果」を刺激する「量的緩和」を行うと同時に、長期的な低金利にコミットすることになるはずだ。
今後、世界各国の政府や中央銀行は、景気刺激策に夢中になっているように見える世界経済を今後も下支していくだろう。
健闘を祈る。
フアン