新型コロナウィルスは、これらの市場の成長を止めることはできない
- 1811 Views
- 2020年12月10日
- トピックス
世界経済が(徐々に)パンデミックから回復しつつあることを示す兆候の一つは、世界経済の原動力である銅の動きから見てとれる。
そして、先週、銅は金を置き去りにして、大きく急騰した場面があった。
11月には、貴金属からわずか1週間で41億ドルが投資資金が流出した。そのうち10億ドルはGLDのような金ETFからの流出だった。
このような金からの投資資金の流出は、1年を通して初めてのものだ。背景には大口投資家が、よりリスク選好であることを示している。
また、投資家は将来のインフレに対するリスクヘッジとして金を購入するのが一般的だ。現在は誰もがインフレを懸念しているため、この金における動きはさらに不可解だ。(そして、この動きは一時的な現象だと私が信じる理由でもある)
では、その資金はどこに行ったのか?
11月の最初の3週間で、108億ドルが、なんと新興市場に流入したのだ。
この驚くべき展開は、リスクと報酬、そしてパンデミックが生み出した未知の世界の間で、多額の資金が行き先を失っていることを示しているに過ぎない。
確かに、米国の経済活動と雇用が、まだCOVID-19発生以前の水準を大きく下回っているという事実にもかかわらず、S&P500は、COVID-19発生以前の高値から4%近くも上昇し、年間では16%も上昇している。
しかし、 iシェアーズMSCI エマージングETF(EEM)は、米国とカナダを除く世界の先進国市場を対象としているiシェアーズMSCI EAFE ETF(EFA)との比較で見られるように、世界の先進国市場を凌駕している。
実際に、この若いファンドは全体として、今年に入ってから、より成熟したファンドのほぼ3倍の成績を残している。
東アジア市場はきらめく星だ。
先ほどお話した北米以外の先進国市場である中国、韓国、台湾、インドとの比較で、1年間の上昇率をグラフにした。
チャートに載っている新興国市場はすべて先進国(赤線)を追い抜いていることがわかる。台湾と韓国は特に好調だ。
その理由は何か?
新型コロナウイルスの蔓延を抑えることに比較的成功したという事が一部あるかもしれない。東アジア主要市場の新たな症例はゼロに近く、経済活動の正常化を可能にしている。
カナダのカルガリーにあるメイワー・インベストメント・マネジメント・リミテッドのポートフォリオ・マネージャーであるピーター・ランパート氏は、次のように述べている。
「COVID-19は、(これらの国と)インド、ブラジル、南アフリカなどの他国との相対的な違いを浮き彫りにした。」
そして、彼は、2020年に何かが変わったとも述べた。
新興市場では、過去に成長を牽引してきた銀行、通信事業者、石油会社といった従来のビジネスが追いついていない。
アジアの消費者はスマホに熱中しており、Eコマースの成長は目を見張るものがある。オンラインのトレンドはパンデミックの影響を受けて高まっており、さらに高性能なスマホの登場により加速している。
新興市場での投資に適した方法は、iシェアーズMSCI エマージングETF(EEM)だ。
約1400銘柄のうち、アリババ・グループ・ホールディング(BABA)、 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM) が 最初の3四半期の利益の40%以上を占めている。中国株は3月の底値からの回復率の35%以上を占め、韓国と台湾が合計でさらに30%以上を占めた。
より幅広いインデックスを上回る国の市場をターゲットにしたい場合は、
1.iシェアーズMSCI 韓国ETF(EWY): この大型ファンドは、韓国株式市場の幅広いインデックスであるMSCI韓国インデックスに連動する。
2.iシェアーズMSCI台湾ETF(EWT): このETFは台湾株式へのエクスポージャーを提供しており、台湾の準発展経済へのエクスポージャーを実現する最も流動的で人気がある。
3.iシェアーズ 中国大型株 ETF(FXI): FXIは、他に類を見ない流動性を提供し、中国市場へのエクスポージャーを達成するための最もポピュラーなETFだが、欠点もある。ポートフォリオは、金融とエネルギーに偏った大型株の一握りで構成されており、ハイテク株と消費関連株を軽視している。
流動性を重視する短期トレーダーにとって、FXIは素晴らしい選択肢だ。しかし、長期的に中国へのエクスポージャーを求める人にとっては、より良いオプションがある。次回はそれらを見ていこう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
P.S. 米国市場は、世界でも最も多いCOVID-19の感染者数にもかかわらず、堅調に推移している。
それはなぜか?
連邦政府の政策だ。また、米国株式市場が「安全な避難所」となっている状態によるためだ。そして、この状態は今後数週間でさらに強まる可能性がある。