ビットコインが2万ドルを突破。史上最高値を更新
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- 2020年12月21日
- トピックス
ビットコイン(BTC, 格付け「A-」 )は、12月17日までの1週間で2万ドルの大台を突破した。暗号資産(仮想通貨)の王様と呼ばれるビットコインの数カ月に及ぶラリーは、記録的な水準まで成長した。
しかし、弊社のタイミングモデルが示すように、長期的なブルマーケットを再開する前には、一時的なプルバックが生じるかもしれない。そのため、今後小さな調整局面を迎えることは覚悟しておいた方がいいだろう。つまり、ビットコインは、直近で失速後に勢いを取り戻したが、短期的には下落する可能性があるということだ。
それでも、ファンダメンタルズは引き続き強い。短期的な下落局面は、良い買いのチャンスであると言える。では、週間ベースのパフォーマンスをチェックしていこう。
ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は15.56%上昇し、ビットコインが新高値に導く展開が続いている。
ビットコインが市場をリードしていることに変わりはないが、アルトコインも負けていない。ワイス・50・Ex-BTC・インデックス(W50X)は9.26%の上昇を示した。
今週の時価総額別パフォーマンスを見ると、時価総額が大きい銘柄が、中小規模の銘柄よりも大きく上昇していることが分かる。
ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス(W50X)が示すように、時価総額の大きい銘柄は16.76%上昇している。
ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は7.53%上昇し、中規模の銘柄も一時的な下落の後に堅調なパフォーマンスを取り戻している。
時価総額が小さい銘柄は、小刻みに上昇しているものの、最もボラティリティが高かった。ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)の上昇率は5.82%に留まっている。
ビットコインは引き続き、アルトコインをアウトパフォームし、市場の支配率は2ポイント上昇した66%となった。市場の調整を経てビットコインが市場をリードするのはセオリーの一つであり、低迷後の一連の流れは理にかなっている。
ビットコインは過去最高値を更新することができたが、2017年にバブルが膨れ上がったときのような熱狂ぶりは感じられない。以前にも述べた通り、「FOMO(乗り遅れる恐怖)」のレベルを調べるのにGoogle検索は非常に有効なツールである。
2017年時点で、「ビットコイン」や「ビットコイン価格」という検索ワードの関心度評価スケールはどちらも最大値に達していた。しかし、現在のスケールは最大値が100に対して、「ビットコイン」が12、「ビットコイン価格」が13と低い。つまり、市場価格の上昇は、恐怖に駆り立てられた個人投資家によるものではなく、機関投資家に起因しているということである。
今年の株式市場は、IPOブームを迎えている。米国最大の暗号資産(仮想通貨)取引所もこの動きに参加しているのだ。実際、コインベースは、証券取引委員会にS-1の機密書類を提出している。これは上場企業になるための第一歩であり、同社の計画については近日中に発表されるだろう。
このように、機関投資家は、暗号資産(仮想通貨)市場に立て続けに参加しており、今後その数は増えていくだろう。BI企業であるマイクロストラテジー(Nasdaq:MSTR)は、ビットコインに6億5000万ドルを追加投資したばかりであり、合計額は11億ドル以上にのぼる。
また、英国の資産運用会社であるラフェアー・インベストメント(OTCPK:RUFIF)は、ビットコインに7億4400万ドルの投資を行った。これは、同社の総運用資産の2.7%を占めている。
大手銀行や資産運用会社の中には、最近非常に強気になっているところもある。2300億ドル以上の運用資産を持つグッゲンハイム・パートナーズの最高投資責任者は、ファンダメンタルズの調査を通して、1コインあたり40万ドル前後の価値があるとの主張をしている。
この分析は、シティバンクのシニアアナリストがビットコインの価格が2021年までに31万8000ドルに達するという主張に似ている。
政府や中央銀行が無謀な財政・金融政策を続ける中で、金融機関は持続可能な代替通貨の必要性を認識しているのだろう。このような動きは、今後も長期的に暗号資産(仮想通貨)の採用を促進していくことになるはずだ。
健闘を祈る。
フアン