ビッグテックが新たな監視から恩恵を受ける理由
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- 2021年1月14日
- トピックス
トランプ大統領のすべてのソーシャルメディアアカウントが停止され、公の言論におけるビッグテックの役割をめぐって大騒ぎになっている。
しかし、論争が激化する中で、投資家は買いのチャンスを見極めるべきである。
先週木曜日、ツイッター(TWTR)は、トランプ大統領のアカウントを永久凍結した。さらにその数日後、彼の逃避先であったと考えられるソーシャルプラットフォーム「Parler」は、Androidおよびアップル(APPL)ストアから撤退した。
水曜日に発生したアメリカ連邦議会議事堂の一時占拠後、事態は急変した。暴徒は、大統領選挙の結果を変えることができると誤解されていたのだ。
そのデマは、フェイスブック(FB)、YouTube、Twitterなどの大きなソーシャルメディアで簡単に拡散された。
トランプ大統領が、暴徒を扇動したというコンセンサスがすぐに形成されることとなった。ビッグテックのソーシャルメディアのトップらは、不適切な投稿が暴動を誘発するとしてトランプ大統領のアカウントを停止したのだ。この結果、トランプ大統領は、日曜日までにTwitter、Facebook、YouTube、Instagram、Snapchat、Pinterest だけでなく、TikTok、Reddit、Discordのような小規模なインスタントメッセージングやオンラインコミュニティ構築プラットフォームまで投稿する権限を失った。
そして、トランプ大統領がユーザーコンテンツの監視が緩いことで知られるプラットフォーム「Parler」に逃げることが予想されたため、アップルとグーグルは、ストアからアプリを削除したのだ。
ニューヨーク・タイムズは、「ParlerはルールのないTwitter」として自社を売り込んだが、アップルとグーグルの答えは「もうこれ以上それは必要ない」と最高の見出しをつけた。
保守派はこれを検閲と呼んでいる。そして、過去には「検閲」と呼ばれる今回と同じ意見が、ユーザーのコンテンツに起因する法的責任をテックプラットフォームから免除する法律である通信品位法230条と、大手テック企業を脅してきた。
論点は単純に、テック系企業が、出版社のような振る舞いをしてコンテンツを検閲すれば、法的免責権を剝奪されてしまうということだ。
その論点は、別の時代には牽引力を得るかもしれないが、世論は、安全に向かって揺れているため、上院での新たな民主党の多数派は、テック企業に対する規制強化とオンライン上におけるコンテンツの投稿基準の厳格化を支持する可能性が高い。
しかし、投資の観点から見ると… 先週の水曜日に起きた出来事は、将来のすべてを変えてしまう可能性があるビッグテックに劇的な影響を与えるだろう。
ただ、大規模でよく確立されたテックプラットフォームは明確な優位性を持っていると考えている。
グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)が、有利な立場にある。カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするコングロマリットは、投資家から見過ごされ続けている価値あるソーシャルメディア・プラットフォーム「YouTube」を運営している。
月間アクティブユーザー数20億人のYouTubeは、Facebookに次いで2番目に大きなソーシャルメディアプラットフォームであり、親会社であるGoogleに次いで、YouTubeも検索エンジンとしては2番目に人気がある。
ソーシャルメディア・マーケティング・プラットフォームHootsuiteの報告によると、YouTubeは、テレビで動画コンテンツを視聴する際に2番目に好まれているプラットフォームで、1番はネットフリックス(NFLX)である。
投資家は、ソーシャル、検索、テレビの観点からYouTubeについて考えることはほとんどない。YouTubeの会員は、2019年3月までにスマートテレビで毎日2億5000万時間という驚異的な視聴時間を記録しており、前年比39%増となっているという。
YouTubeには企業価値がある。アルファベットの企業再編で、独立した会社として分社化されてもおかしくない状況にある。さらに、独立した取締役会があり、自己資金調達の能力があり、認知されたブランドがある。
トランプ大統領を追放したことによる目先的な株価の落ち込みはあるだろう。投資家はビッグテック株を先に売って、後に論理的な疑問を持つかもしれないが、長期的投資家はそれを念頭に置いた上で、この信じられないほどのチャンスを認識するべきである。
規制が強化されれば混乱の可能性が減る。そしてビッグテックの解体は、YouTubeのような貴重な資産のロックを解除するので、最終的には強気相場となる。
賢い投資家は、このような驚くべきチャンスが発生した時にはその流れに乗るべきである。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン