石油の上昇はどこまで続くのか?
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- 2021年2月18日
- トピックス
COVID-19のパンデミックによって需要が圧迫され価格が暴落したため、石油業界では 数カ月もの間、悲惨なニュースが流れ続けた。
しかし、そんな中、おかしなことが起こった。原油が1年ぶりの高値に跳ね返り、さらに高値を更新する勢いだ。
今、投資家が自問自答すべきは、「買うのは遅すぎるのではないか?」そして「この動きから、どのように利益を得ることができるか?」ということだ。
いくつかのアイデアがある。
まず、この上昇には主に次の3点の要因が重なっている。
要因1:中国主導により石油需要が復活
世界的な需要が落ち込み、2020年の原油価格は急落した。今、中国が牽引する形で、その状況が変わろうとしている。
第4四半期の中国経済は予想を上回る6.5%増となったことに伴い中国の石油輸入量は1月に32%以上急増したとみられている。
世界に先立ってパンデミックに見舞われた中国は、コロナ対策に奔走してきた。その成功は、他の国々が遅かれ早かれ追随するだろうという希望を石油トレーダーに与えている。
実際、米国エネルギー情報局(EIA)は1月の「短期エネルギー見通し」で、世界の原油需要は、2021年に前年比6%増加の日量560万バレル、2022年にはさらに日量330万バレル増加すると予想している。
要因2:OPECプラスの協調減産
OPECプラスは、OPECとロシアなどOPEC非加盟の主要産油国23カ国で構成されている。サウジアラビアを筆頭に、これらの国々は減産しており、供給抑制で合意している。OPECプラスは現在、1日の生産量を日量700万バレル未満、つまり世界の供給量の約7%に相当する量に抑えている。
さらに、サウジアラビアは今月と翌月に、1日100万バレルを減産し、さらに供給を引き締める。
OPECプラスは、コロナワクチン接種の進展と、パンデミックの緩和が世界経済にどう反映されるかを注視している。彼らが協調減産を行う限り、価格は維持されるだろう。
要因3:世界的な原油在庫の減少
原油需要の増加と協調減産が、世界の原油価格にとって最も重要な要素、つまり世界の先進国の原油在庫の減少につながっている。
世界の原油在庫は5月に32億バレル以上に急増したが、8月に入ってからは減少に転じ、現在は30億バレル前後まで減少し続けている。
米石油協会(API)は先週、原油在庫が430万バレル減少したと報告した。8週間で7度目の減少だ。
今後の価格見通し
EIAは2022年までの原油価格を平均50ドルと予想しており、すでにその価格に達している。
しかし、米議会やウォール・ストリートの多くの人間は、原油価格の崩壊によって、シェールオイル開発企業に壊滅的なダメージを与えたことを考慮していないかもしれない。その結果、多くのシェールオイル生産企業は去り、そして戻って来るまでに長い時間がかかるかもしれない。
新しい掘削では、年間6%から40%の減少率を相殺することはできない。また、米国の原油生産量は、2020年3月に過去最高を記録した日量1310万バレルから230万バレル減少している。
よって、私は、今年は原油は60ドル台半ばまで上昇し、ピーク時には70ドルを超える可能性があると予想しており、まだ上昇余地があると見ている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック