テスラが投資家たちをオルタナティブ資産へ突き動かす
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- 2021年2月26日
- トピックス
株式投資で「現金化に走る」動きは、不確実性が高まり、投資家が損をしたくないと思う時に、よく見られるものだが、現在の状況はこれにあてはまらない。
現在見られているものは、それとは全く異なるものだ。
現在はオルタナティブ投資に走っている状況が見られている。 私の言う「オルタナティブ」とは、現金以外のことを指している。
そして、オルタナティブ投資に走るべきもっともな理由があると私は考えている。
2月8日にマーケットに衝撃が走った。 電気自動車大手のテスラ(TSLA)が米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書の内容に起因するものだ。
同社は、「内部留保を現金以外の資産に振り向けられるよう投資方針を変更する」と述べた。 その目的は、「営業上の流動性を適切に維持するため、必要のないキャッシュを分散させ、リターンを最大化する」ためであるとしている。
報道の多くは、テスラが15億ドルもの巨額な資金を投入して過去12カ月間で4倍以上上昇しているビットコインを購入したことに焦点を当てている。 何と言ってもテスラのイーロン・マスクCEOは、以前から仮想通貨をはっきりと支持する立場を表明していた人物だからだ。
しかし、テスラが強調したオルタナティブ投資は仮想通貨だけではない。 同社は金地金と金に焦点を当てたETFの銘柄名を、投資先となり得るオルタナティブ資産として列挙している。
実際、私がセーフマネーレポートの購読者に推奨してきたスプロット・フィジカル・シルバー・トラスト(PSLV)は、年間トータルリターンが50%以上となっている。 ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX)は、27%近く上昇。SPDR S&P500 ETFトラスト(NYSE)の同年間のリターンは20%だ。
もしオルタナティブ投資の投資先を探しているのが、テスラ1社だけだったらこれらの資産が、粘り強く大きな利益を上げることはなかっただろう。当然ながらオルタナティブ投資の投資先を探しているのが、テスラ1社だけではないことは明白である。
他の多くの投資家は、FRB=アメリカ連邦準備理事会 から大量の資金が転がり込んでいることも、議会から何兆ドルもの追加支出措置が流れ込んでくることも知っている。 そしてこの「景気刺激策」は、株式などリスク資産に流動性をもたらし急回復という結果をもたらすと彼らは判断している。
だから、オルタナティブ資産がヒートアップしているのだ。
ここ数年、私の投資アドバイスに従っていた方は、おめでとう。うまくいっていることだろう。
もしまだ傍観して行動を起こしていない方は、あなたのポートフォリオにオルタナティブ資産や貴金属を追加する時間は残されている。 現在はまだ初期段階にあるからだ。
それではまた
マイク・ラーソン