密かにあなたのお金を狙う泥棒
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- 2021年5月6日
- トピックス
あなたは今、インフレという名の泥棒のターゲットとなっている。
「インフレがやってくる」と言われ続けているが、インフレは既に到来しており、その影響によって、あなたの購買力が、毎月少しずつ削がれていく。
長い間、多くの人がインフレは過去のものと考えていた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは最近、次のように書いている。
「2008-09年の世界金融危機以降、インフレ低迷は米国経済の決定的な特徴となっていた。」
大きな変化だ。
私は実際、インフレの状況は政府が公表しているよりも悪いと考えている。
まずは、インフレ率をどのように測定するかについてお話したい。
一般的なインフレ率の指標は、米労働統計局が発表する消費者物価指数(CPI)と、米商務省経済分析局が発表する個人消費支出(PCE)価格指数の2つだ。
最も一般的に挙げられるのはCPIで、社会保障費の調整に使われるほか、物価連動米国債(TIPS:Treasury Inflation-Protectioned Securities)やインフレ・スワップなど、一部の金融商品の参考レートにもなっている。
一方、米連邦準備理事会(FRB)は、インフレの目標をPCEで示している。ウォール・ストリート・ジャーナルの興味深い下記チャートをご覧頂きたい。
CPIは赤、PCEは黄色で示されており、同じくFRBによって設定されるフェデラル・ファンド金利の誘導目標値は青となっている。
ここで重要なのは、CPIが急激に上昇している一方で、PCEは追随しておらず、フェデラル・ファンド金利はゼロ付近を維持している。このフェデラル・ファンド金利は、より多くの金融緩和を意味し、インフレをさらに促進させる。
3月のCPIは2月に比べて0.6%上昇し、約10年ぶりの早いペースで上昇した。そして、1年前に比べて2.6%増加している。銅、アルミニウム、原油、鉄鋼などが大幅に上昇し、木材は過去最高の価格を記録した。
だがコモディティ価格は、あなたに直接的な関係はない。単なる情報であり、あなたが購入するあらゆる製品を製造する企業が、しばらくはこの痛みを甘んじて受けている。
そして、コカ・コーラ(KO)やキンバリー・クラーク(KMB)、ワールプール(WHR)をはじめとする各企業は、消費者への販売価格を引き上げる準備を進めている。
世界各国でもインフレが進行している。私たちは海外から沢山のものを購入しているため、彼らの痛みは、グローバルなサプライチェーンを経て、あなたの財布を圧迫することになる。
これらは公式に発表されている数字だ。
私は、短期のインフレ連動債(TIPS)の利回りの方が、より実際のインフレ率に近い指標であると考えており、それがウォールストリートが考えるインフレだ。
また、TIPSによると、米国の実質的な消費者物価のインフレ率は年4%程度で推移している。これはFRBの目標である2%を大きく上回り、4月に発表された前年同期比2.6%の増加をはるかに上回るものだ。
あなたにとって朗報なのは、インフレ時に良い結果をもたらす投資が多くあるということだ。そこで今回は、ETFでインフレ対策をするための注目ETFをご紹介しよう。
代表的なETFは、SPDRポートフォリオTIPS ETF(SPIP)だ。上記で案内したTIPSに投資するファンドだ。CPIが上昇すると、TIPSの元本が増加し、金利による収益も増加する。
このほか、 DBCインベスコ・DB・コモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド(DBC)にも注目している。
あなたに忍びよる泥棒は、さらにお金を奪っていくだろう。怒るのも当然だが、それをチャンスに利益を得ることもできる。
あなた次第だ。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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