F150の電動化で示すフォードの未来像
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- 2021年10月17日
- トピックス
フォード・モーターは、有名なピックアップトラック「F-150」の電気自動車バージョンである「ライトニング」を発表したが、これが新しいフォードだ。
フォードの経営陣が、ライトニングの発表で、思わずニヤリとしてしまうのも無理はない。
今、大手自動車メーカーがこぞってガソリン・エンジン車からから電気自動車に移行し、大きな転換期を迎えている。これからもさらなる成長が期待できる。
これは、現在の自動車業界の常識を覆すような大きな出来事である。
電気自動車はガソリン車に比べてメンテナンスが少なく済む。そのメンテナンスを提供することが、全国に散らばるディーラーの現在のビジネスモデルの大きな部分を占めているからだ。
フォードをはじめとする自動車業界の経営者たちは、系列のディーラーや修理工場を疲弊させることなく、EVへの移行を実現する方法を考えなければならない。
解決策は、EVへの移行のようだ。
2022年に登場する新型ライトニングは、1981年からアメリカでベストセラーとなっているF-150のガスエンジンおよびディーゼルエンジン車と肩を並べることになる。
しかし、4万ドルを下回る価格で発売されるライトニングは、牽引力やトルク、そしてフラットな加速の点で、明らかにこのカテゴリーの中で最高のものとなるだろう。
新型ライトニングは、スーパーカーの先進的な機能もすべて備えている。プロダクトマネージャーによると、新型ライトニングには、レベル2の自律走行機能が搭載され、ハンズフリーで高速道路の車線変更ができるようになるほか、将来的には加速や航続距離の延長などの新機能を実現するためのソフトウェアのアップデートが行われる予定となっている。
伝統を重んじる人たちにも違和感のない、愛すべきF-150の姿をしており、フォードを未来のテクノロジー議論に参加させるのに十分なものだ。
ライトニングはフォードの方向性を表しており、EVはたとえ1年先のことであっても、既存のガソリン車と同じように見える一過性のものであっても、フォードにとって重要なデジタル変革を意味する。
これは、アナリストが旧来の自動車産業界の大手をハイテク企業のように評価する新しい評価基準に移行することを意味する。つまり、収益性だけではなく収益性とEV目標への進捗状況に基づいて評価しているのである。
別の分野で最近の前例がある。
2年前、ウォルト・ディズニー(DIS)の経営陣は、テーマパークや夏の映画、スポーツ放送から、Subscription Video On Demand(SVO)への移行を始めた。
彼らのタイミングは完璧だった。新しいビジネスモデルを始めて1年後、世界的なパンデミックの影響で従来のビジネスは閉鎖せざるを得なくなった。しかし、その一方で在宅勤務制度を利用して、何百万人もの人々がまだ始まったばかりのSVODサービス「Disney+」を利用しディズニーの成長性を高めたのだ。
フォード株でも企業の将来性をめぐる指標の変化がリアルタイムで起きている。
フォードは、すでにライトニングの新規受注がわずか1日で2万台を超えたことを明らかにしている。
それを実現するのは、古い循環株ではなく、熱いハイテク株である。
フォードの株価をめぐる評価基準もすべてが変わってしまったため、投資家は注意しなければならない。今の株価は、EV工場の転換や充電ネットワークの提携、バッテリー、自律走行などの新しいテクノロジー開発の指標を反映することになる。
フォードは、ラストベルトの退屈な自動車会社からデジタル・テクノロジーの大手へと変貌を遂げつつあると見ている。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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