この市場に何が起こりえるのか?その2つの答え
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- 2021年10月15日
- トピックス
「何が起こりうるか?」
先日、ラスベガスのMoney Showに参加した投資家から、こんな質問を受けた。
これは、購読者に新しいトレードのアイデアをお届けする時や、ポジションを解消する時、私が自分自身に常に問いかけているものでもある。
結果的に言うと、あなた自身が確かな買い、もしくは売りであると信じるものにデータやチャートなど、何でも自分の好きなもので裏付けを取る事もできるが、「最終的にはうまくいかないこともある」ということを認める覚悟が必要となる。問題が発生する可能性を予測し、もしもの時に対応できるようにしておかなければならない。
この質問者は、私の「マネー・フラット」理論を狂わせる可能性があるものを知りたがっていた。
政策担当者が「永遠の低・ゼロ・マイナス金利政策」を変更する場合の原因は何が考えられるだろうか。
また、世界がどんな状況に陥ってもすぐに回復するという、ここ1年ほどの市場傾向に変化を起こす可能性を起こすものは何だろうか。
私の言葉で簡潔に言うと・・・
― 大きな政治的変化や、金利における「ショック」だ。
まずは政治の話から始めよう。米連邦準備制度理事会(FRB)は、安価で容易な資金供給を続けるよう政治的圧力を強めており、トランプ政権下だけでなく、バイデン政権下でも現状同様である。
FRBの支持者は常に、政治的圧力は問題ではない、FRBは非政治的であると主張している。しかし、その実績を見てほしい。
政治と市場の圧力が高まった事により、2018年後半に利上げが中止となっている。その後、COVID-19危機の最悪の時期に金利をゼロに切り下げた後に、傍観する立場へと移動した。
政策担当者たちは、(純粋に経済的観点から見て)パンデミックの最悪の状況はすでに過ぎ去った可能性が高いにもかかわらず、すぐには利上げを行わないことをはっきりと表明している。
― この流れを変えるには、政治的状況が大きく変化に舵を取る必要がある。
例えば、インフレがひどくなった結果、政治家が規制をかけてコントロールしようとFRBへ請願するような状況などが考えられる。
チャート:アメリカ年間インフレ率(2011 – 2021)
このチャートは驚異的だが、誰か引き締め政策を主張している人がいるかどうか?私はそうは思わない。
― では、2つ目の変化のきっかけとは何か・・・レート“ショック “だ。
債券投資家たちは、立ち上がって「もう我慢できない」と言うことができる。終わりのない財政赤字、急上昇する負債額、インフレ調整でマイナスに深く沈んだ「実質」利回りにうんざりしていることをワシントンに示すことができるのだ。
どうやって?答えはシンプルだ。売る。トレジャリーズを大量に売る。ワシントンに変化を強制するのだ。
なお、これは以前にも起きた事があるため、「何が起こりうるか?」というシナリオの中で、いつも私が頭の片隅に置いている、もっとも可能性の高いものになる。そして、そのシナリオが始まっているという証拠に常に目を光らせている。
ただ、この1年間、「マネー・フラッド」での利益のために取引してきた事は、あなたのような投資家にとって素晴らしい結果をもたらしてきた。利回りの低さに対抗して、収益を上げるためのキー戦略が大きな成果を上げてきている。
状況が変わらない限り、もしくは変わるまで、私はあなたがトレンドを活かして現金を得るための手伝いをし続けるつもりだ。・・・たとえ私が、オーディエンスの一人がしたのと同じ、重要な質問を自分自身に投げかけ続けるとしても。
それではまた。
マイク・ラーソン
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