「スター・ウォーズ」から利益を得る方法
- 979 Views
- 2021年10月2日
- トピックス
中国共産党(CCP)の100周年記念日である2021年7月1日、習近平総書記は、中国が台湾との「平和的民族統一を進める」と宣言した。
少し前までは、それは「平和的」という部分も含め、ただの政策論として捉えられていた のだが、現在、中国の国営メディアは、中国軍が台湾付近で軍事演習を行ったと報じている。
また、米軍のアフガニスタンからの完全撤退を受け、米国を「弱くて頼りにならない国」として描くことも目的としている。中国共産党の機関紙「人民日報」の傘下にあるタブロイド紙「環球時報」は、「ならず者国家」である台湾に対し、中国と対立した場合には、米国も長年の同盟国を見捨てることになると警告している。
台湾は、中国がタリバンを「模倣」しようとしていると非難している。ツイッター(TWTR)では、台湾のジョセフ・ウー外交部長(外相)は、米国の継続的な支援に感謝し、「我々は台湾を守るための意志と手段を持っている」と述べた。
中国は艦艇と戦闘機を出動させている。しかし、この地上における戦いは、唯一、あるいは最も強力な武器ではない。
急速に進歩している衛星攻撃兵器(ASAT)能力は、銃撃せずとも、米国による介入を抑止することができる。
米国の大きな宇宙支配にもかかわらず、敵国に比べて非常に不利な立場にある。あらゆることを衛星に依存しているからだ。
銀行や投資にも衛星が使用されている。
アメリカ合衆国宇宙軍のミゲル・クルーズ大佐は、
「標準的なアメリカ人は、起床してから朝食をとるまでの間に20〜30回は衛星を使っているだろう。」と述べている。
米軍の場合、衛星は軍艦や戦闘機の航行や通信、誘導爆弾やミサイルの命中率の向上、陸海空の脅威の監視などに役立っている。
だからこそ、中国共産党はアメリカの宇宙の脆弱性を利用しようと画策しているのだ。
宇宙を制するものは世界を制す
中国の宇宙兵器には、ミサイルやサイバー兵器、衛星妨害装置、衛星が頭上を通過する際に地上から見えなくする高出力レーザーなどがある。
衛星攻撃兵器は、文字通り衛星を軌道から外したり、太陽電池パネルやアンテナを曲げたり切断したりして、衛星を無能力化する。
宇宙戦略を専門とする作家・研究者であるポール・シマンスキー氏は次のように語っている。
「私が驚いたのは、中国がマニピュレータの武器を搭載した検閲用衛星を持っていることを、米国がすでに認めていることです。そういうものがあるならば、何でもできてしまいます。」
それだけではなく、将来の攻撃者は平時の間に、宇宙機を好きなだけ、好きなように、 価値あるターゲットに向けて準備することが可能だ。
その結果、
– 突如として重要な宇宙資産への攻撃。
「スペースニュース」によると、中国は1万3000個の衛星を搭載した全国規模のインターネット・メガコンステレーション(大量の衛星によって構成される衛星網)の建設を計画している。中国が数百機のASAT機を同時に投入することも不可能ではない。
– 中国は、ロケット実験を装ったASATの発射を続ける一方で、長年宇宙開発に携わってきたロシアと協力。
1970年代、ソ連は爆撃防御砲を衛星に搭載することに成功し、公に知られた唯一の宇宙での弾道兵器の試射を行った。
また、最近の中国と同様に、ロシアも昨年、新しい宇宙ベースのASAT兵器の実験を行っていることが発覚した。
ロシアもまた、周辺国と米国にとって問題だ。
ロシアは米国の宇宙資産を破壊するカミカゼ衛星を配備しており、ロシアの有名な人形にちなんで名づけられた新兵器「ネスティング・ドール」も脅威の1つだ。
米国の宇宙活動の責任者であるジョン・レイモンド米宇宙軍作戦部長(宇宙軍大将)は、ロシアが2017年に行ったこの兵器の実験について、次のように述べている。
その衛星が開き、別の衛星が出てきた。そこから、物体を発射した。その物体は、アメリカの衛星を破壊するためのものだ。2019年の同じ実験では、我々の衛星の隣に位置させた。宇宙にルールはない、まさにワイルド・ワイルド・ウエストの世界だ。
また、ロシアと中国は、離れた場所から人工衛星にダメージを与えたり、機能を停止させたりすることができる指向性エネルギー兵器を保有しているという。
– 宇宙にレーザーを照射する「スターウォーズ」の登場。
米国の宇宙資産が脅かされている中、中国が台湾に侵攻すれば、米国は難問に直面することになる。介入を断れば、同盟国が追随し、台湾が戦わずして屈服する、あるいは、長くて血なまぐさい戦争を始める可能性がある。
幸いなことに、米国の人工衛星は現在、次の設計が進んでいる。
– 操縦性の向上
– 指向性エネルギー兵器を遮断するシールド
– 何千もの交換可能な超低軌道飛行衛星を使用することで、複数の衛星を失った場合もシステム停止を防ぎ、回復力を高める
これがディフェンスだ。では、オフェンスについてはどうか。
噂によると、米国防総省は「極秘の宇宙兵器」を公開するかどうか議論しているところだという。
セキュア・ワールド・ファウンデーションのブライアン・ウィーデン氏は次のように説明している。
これは、衛星や宇宙兵器を攻撃する際に、通信を妨害したり、レーザーでレーダーや光学センサーの目をくらませたりして、標的システムを妨害するものではないかと私は考えています。
莫大な防衛費が必要になることは避けられないと思われるが、次のような宇宙関連のETFを利用するのも良いだろう。
アーク・スペース・エクスプロレーション ETF(ARKX)
世界的に著名な投資家であるキャシー・ウッド氏が運用するこのファンドは、人工衛星やロケット、3Dプリンター、人工知能(AI)、ロボット工学など、宇宙開発やイノベーションに携わる国内外の企業に投資している。
さらに、農業、全地球測位システム、ドローンメーカーなど、航空宇宙活動の恩恵を受けている企業も取り扱っている。上位の保有銘柄は、トリンブル・ナビゲーション(TRMB)、3DプリンティングETF(PRNT)、イリジウム・コミュニケーションズ(IRDM)、クレイトス・ディフェンス&セキュリティ・ソリューションズ(KTOS)とL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)となっている。
経費率は0.75%。
プロキュア・スペース ETF(UFO)
このファンドは、衛星技術などの宇宙関連事業に従事する企業のグローバルな取引ポートフォリオの株式ベンチマークであるS-ネットワーク・スペース・インデックスに連動している。上位の保有銘柄は、ガーミン(GRMN)、グローバルスター(GSAT)、TRMB、IRDM、ディッシュ・ネットワーク(DISH)となっている。
経費率は0.75%。
iシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETF(ITA)
このファンドは、ダウ・ジョーンズ米国セレクト宇宙航空&国防インデックスに連動している。 上位の保有銘柄は、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)、ボーイング(BA)、ロッキード・マーチン(LMT)、TDY、LHXなどだ。
経費率は0.42%。
いわゆる「平和的統一」と、中国の大誤算という矛盾した状況はは、完全に防ぐことができそうだ。しかし、それが実現するまでは、これらのETFに成長の機会を求めて頂きたい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。