回復に向けて動き出す広範囲な市場
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- 2021年12月10日
- トピックス
- ビットコイン(BTC、 格付け「A-」 )はわずかに回復しているが、まだ5万ドルの抵抗レベルを突破していない。
- イーサリアム(ETH、格付け「A」)は上昇を続けているが、まだ前回の高値は超えていない。
暗号通貨市場は、この1~2週間の間に手のひらを返したように変化している。先週末に底を打ったと思われるものの、それ以降、ほとんどの資産が重要な抵抗レベルをクリアできていない。
ビットコインは移動平均線を上回っておらず、重要な抵抗レベルである5万ドルも突破していないため、まだ困難を乗り越えていないのは間違いない。
だが、現在のビットコインが苦難に陥っている訳ではなく、今後、5万4000ドル以上を維持していれば問題はないだろう。しかし、その後、BTCの回復は次のステップに進み、6万ドルを超える必要がある。
これが実現すれば、次の大きな抵抗レベルは5月の高値である6万4900ドル付近となる。BTCがこの上昇を始めるのは、市場全体のためにも、早ければ早いほどよいが、今後1週間以内に強気の動きを見せられなければ、さらに弱まる可能性がある。
先日、デンバーを拠点とする投資会社がイーサリアム先物ベースの上場投資信託(ETF)を申請したというニュースがあった。今年の秋に米証券取引委員会(SEC)がビットコイン先物ETFを承認したことを考えれば、この申請が通る可能性は十分にある。ETFは、イーサリアムが新高値を更新するために必要な後押しとなるかもしれない。
いずれにしても、ETHが4000ドル台を維持している間は問題ないが、ビットコインと同様に、抵抗レベルを突破するタイミングは、早ければ早いほどよいだろう。
インデックス一覧
12月2日までの1週間の動きを振り返りましょう。
ワイスの各クリプト・インデックスは、2週連続で取引をマイナスで終えた。「大規模コイン」はわずかな下げだったが、「小規模コイン」は過去7日間でさらに下落した。
ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は、トップ50の暗号通貨の大半が市場全体につられて下げたため、2.35%の下落となった。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス (W50X)は2.03%下落し、ビットコインを含むW50インデックスよりもわずかに少ない。これにより、ビットコインが多くのトップ暗号資産に対して劣勢となっていることが浮き彫りになった。
パフォーマンスを時価総額別に見てみると、直近は「中規模コイン」が最も大きな打撃を受けたことがわかる。中規模コインは小規模コインよりもさらに下落し、大規模コインによる回復の一歩を踏んでいないからだ。
ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は11.14%下落し、多くのトップ暗号通貨にとっても荒れた週であったことを示している。
中規模コインは再び最大の敗北者となったが、その差はわずかで、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は15.33%の下落となった。
ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は7.15%下落し、先週も小規模コインによる連勝を続けた。
広範な市場はマイナスで終えたが、回復は加速し始めているように見えるため、次週のインデックスが異なるストーリーを描いてくれることを期待したい。
今後の推測
前週の安値からわずかに回復したものの、この市場はまだ危うい状態にある。ビットコインとイーサリアムは、今、アグレッシブな弱気の見方を退けるために、説得力のある上向きの動きが必要だ。
今後は不安定な動きが続く可能性があり、投資家がどのように見ているかは、様子を見ていかなければ分からないだろう。
健闘を祈る。
アレックス
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