アマゾンを顧客に持つAランク銘柄
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- 2021年12月10日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
前回は最近相場を賑わしていた新型コロナの変異種、オミクロン株を話題にしました。
アメリカの主要株価指数であるS&P500に関する2つのチャートをお見せして、オミクロン株のような相場の動きにどう対応すべきか?について僕なりの考えを書かせてもらいましたが、
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コロナショックでさえ年単位で見れば誤差範囲、これを聞いて右往左往している自分がダメだなぁと思いました。恐怖感情にあおられていてはダメ、もう少し永い目で見ていないとダメなんでしょうね。少し安心しました!
アキララ 様
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といった感想をいただきました^^)
他にもこうした感想を何件もいただいています。
実際、株式市場も回復傾向で、いつも通り「何もしないのが正解」という感じになりそうです^^)
とはいえ、僕もやっぱり株価が下がると落ち着かないもので、
毎日自分の口座を見ながら「ああ〜結構減ったな〜」「一旦利確して後で買い直そうかな…」とか考えてしまいます。
僕自身、このメルマガを書くことで情報を整理して、投資に向き合っていけると感じているので、これからも感想や質問、お待ちしています^^)
前回のメルマガはこちらからご覧いただけます。この1週間で株式相場の動きも変わりましたしオミクロン株に関する新しい情報も出ているので、振り返るためにもぜひ読んでみてください。
↓
アメリカのアナリストもオミクロン株について記事を書いてくれています。
ブルームバーグ出身、2001年からWeiss Ratingsで安全な投資戦略のスペシャリストとして活躍するマイク・ラーソン氏と、貴金属や資源などのスペシャリストで、投資先を選定するために自ら鉱山を探検する姿勢から天然資源のインディ・ジョーンズと呼ばれるショーン・ブロドリック氏です。
2人の記事もぜひ見てください。
オミクロン株による錯乱-マイク・ラーソン氏
新型コロナウィルスの変化球が市場にもたらすもの-ショーン・ブロドリック氏
やっぱり相場歴数十年のベテランアナリストは目の付け所が違いますね^^)
マイク・ラーソン氏は市場がどうなっても資産を守るための方法を、
ショーン・ブロドリック氏はデータや事実から今考えるべき3つのことを、それぞれ書いてくれています。
株式市場は回復傾向、と書きましたが油断は禁物。オミクロン株は急に出てきた話題で注目されましたが、米国株式市場にはインフレ、テーパリングなど懸念材料がいくつもあります。
これからもアンテナを高くして、色々な情報を手に入れてくださいね^^)
さて、最近は投資メディアを見てもオミクロンのことばかりでもう飽きているかもしれません。笑
なので今回は明るい話題というか、隔週で公開しているレポート「米国最高格付の株式ランキング」から、新しいAランク銘柄を紹介したいと思います。
その銘柄とは…
現在、「米国最高格付の株式ランキング」で1位のDUKE REALTY CORPORATION (デュークリアルティ)です。
あまり聞き馴染みがありませんが、商業用不動産を多数保有する不動産企業です。
国際REIT(リート)の投資信託に投資している人はその投資信託が何に投資しているか調べてみてください。
米国REITが組み入れられていたら、かなりの確率でデュークリアルティが入っていると思います。
デュークリアルティはアメリカを中心に大量の不動産を持っているのですが、
・流通施設・倉庫
・オフィス
・店舗
など、個人向け不動産ではなく、産業向け不動産を扱っています。
流通施設と倉庫といえば…?
アマゾンですね。世界中に超巨大な流通施設と倉庫を持つECの巨人です。
もしかしてと思って調べてみると、やっぱりそうでした。デュークリアルティの最大の顧客はアマゾンで、年間賃料の9.6%を占めているそうです。
ちなみに2番目に大きな顧客はホームデポなのだそう。ホームデポはECにも力を入れている小売チェーンで、「米国最高格付の株式ランキング」でも常連銘柄です。
不動産なんて地味なセクターの銘柄をどう紹介しようか考えていましたが、いらない心配でした(^^)
EC化は今後数年でさらに加速して、2025年までに30%も上昇
そしてその時には、今の2.5倍の倉庫、流通施設が必要になると言われています。
つまりデュークリアルティは、EC化という大きな波に乗って急成長しようとしている企業なんです。
EC化の波に乗るならアマゾンに投資した方がいいんじゃ?と思ったかもしれません。
もちろんそれもアリだと思いますが、僕はデュークリアルティのように大きな波の周辺にいる企業が好きです^^)
だって、、、
アマゾンがしっかり成長して物流倉庫とかを増やせばデュークリアルティの売上も上がるでしょう。
でももしアマゾンを超えるEC企業が出てきてアマゾンが停滞・縮小することがあれば…
デュークリアルティはアマゾンに貸していた倉庫をその新しいEC企業に貸せばいいだけです。
EC化の波が思ったより来なくて、コロナ後はみんなお店で買い物するようになったら?
アマゾンは困るかもしれませんが、その分お店向けのテナントや倉庫需要が増えるので、デュークリアルティは困りません ^^)
こういう企業を「ツルハシとシャベル型」と呼んだりします。
ゴールドラッシュの時、多くの人が一攫千金を夢見て鉱山を堀に行きました。
その中には何も掘り当てられず無念に散った人も実際に金鉱山を掘り当て億万長者になった人もいたでしょう。
でも結局、確実に、しかも一番儲けていたのは、彼らに道具(ツルハシやシャベル)を販売した人だったという話があります。
デュークリアルティも同じように、EC化という大きな金鉱脈を掘りにきた企業に道具(施設など)を提供する立場です。
一攫千金狙いも面白いですが資産を増やす、安全に守るということを考えると、大きな波の周辺にいる「ツルハシとシャベル型」のほうが個人的には好みです ^^)
そしてデュークリアルティにはもう一つ、大きな波があります。
それがインフレです。
そもそも不動産はインフレに強いと言われます。物価が上がっても不動産は必要なので、しっかり値段が上がってくれるからですね。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると工業用不動産のリース契約料金は5年前から25%も上がり、アメリカの一部の州では60%以上も上がっているそうです。
つまり、これまで月10万円で貸していた部屋が、16万円で貸せるようになるんです。
追加の開発をしたわけではありません。新しい契約を取るために営業が汗水たらしたわけでもありません。
金融政策や物流の混乱などによって、アメリカは今歴史的なインフレが始まっています。
デュークリアルティのようにリース契約で不動産を貸し出す企業にとってどれほどの利益になるのか想像してみてください^^)
ということで最後にWeiss Ratingsの評価を見ておきましょう。
といっても、あえて言うことはありません。成長性も事業の効率性も財務状況も、過去のリターンも最高評価。ボラティリティ(株価変動)の評価が高いのも魅力的ですね。
配当評価が少し低いですが、株価成長を狙った投資なら十分すぎるほどあります。
新しい読者の方もいると思うので、Weiss Ratingsの6つの評価基準についてまた画像を載せておきますね。
ちなみにデュークリアルティは少し前まで「Bランク」でした。
それが11月の決算の後、「B+」「A-」を飛ばして1万銘柄以上ある米国株の中でたった2銘柄しかない「Aランク」銘柄に飛び級したんです。
かなり業績が良かったんですね ^^)
今回は業績まで深掘りしませんが、デュークリアルティに興味を持った方はぜひ調べてみてください。
ちなみに「米国最高格付の株式ランキング」にはデュークリアルティ以外にも全部で3銘柄、不動産セクターの銘柄がランクインしています。
僕も全てを調べたわけではありませんが、デュークリアルティと同じような理由で業績が急成長し、評価も上がっているのかもしれません。
ぜひ「米国最高格付の株式ランキング」を見て興味を持った銘柄を調べてみてください^^)
P.S.
Weiss Ratingsは1万銘柄以上ある全ての米国株を日々評価しています。
格付け情報のほか、アメリカ人アナリストの記事もたくさんあるので、ぜひご覧ください
P.P.S
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