不透明感の中、暗号通貨は上昇へ
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- 2022年2月28日
- トピックス
暗号資産(仮想通貨)と伝統的な株式市場の両方で、2月初めからかなりのボラティリティを記録している。
先日の取引で、ビットコイン(BTC、 格付け「A-」 )は安値3万4300ドルまで下げた後、強気な展開が続き、ピーク時には3万9700ドル、終値は3万8300ドルとなった。
その勢いは現在も続き、BTCは3%上昇して重要な4万ドルのレベルを再び試そうとしている。ビットコインの暗号資産(仮想通貨)市場支配率は、70べーシスポイント増加して43.1%となった。
ニュース速報は金融市場に影響を与えるため、このような乱高下は今後も続くと思われる。
ビットコインはテクノロジー株や他のリスク資産と連動して取引されており、現在の市況が不透明であることから、その相関性の高さは今後も続くと予想される。当面は不安定な動きを余儀なくされるだろう。
最近の上昇にもかかわらず、ビットコインは2月16日に始まった4万6000ドルからの下落を受け、依然として21日移動平均線の下で取引されている。短期的な勢いを真に取り戻すには4万1300ドルを奪回する必要があるが、それは完全に、ウクライナの動向とFRBの利上げスケジュールへの期待に対する市場の反応次第だろう。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
イーサリアム(ETH、格付け「A」)をはじめとするアルトコインは、これまでビットコインの動きに追随してきたが、今後も追随する可能性がある。
ETHは先週、2500ドルと2300ドルの両方でサポートを見つけ、この資産が2700ドル以上を維持することができれば、ポジティブなサインとなるだろう。
イーサリアムは現在、2900ドル付近の21日移動平均線を下回って取引されている。最近の市場のマイナス傾向や世界的な緊張の高まりを考慮すると、これを超えるのは難しいかもしれない。ETHが2900ドルを超えることができれば、短期的にはアルトコインにとって良い兆候となる。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
インデックス一覧
暗号資産(仮想通貨)市場は、投資家がロシアのウクライナ侵攻に大きく反応したため、週を通して大苦戦を強いられた。どのコインも打撃を免れることはできなかったが、通常そうであるように、最も確立された暗号通貨が最も価値を保った。
暗号資産(仮想通貨)市場全体が強い売り圧力に直面し、ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は16.01%下落した。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス (W50X)は18.22%下落し、他のコインに比べてビットコインの強さが確認された。
パフォーマンスを時価総額別に見てみると、「大規模コイン」が最も下落を抑えられたものの、ダメージは避けられず、ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は15.18%下落した。
ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は20.59%下落し、中規模コインは最大の下落を見せた。
小規模コインのパフォーマンスは中規模コインをわずかに上回り、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は19.33%下落した。
今後の推測
暗号資産(仮想通貨)市場は、FRBの政策期待、地政学的な不安定さ、差し迫った規制によるネガティブな心理などから、今後も大きな変動に見舞われる可能性が高い。バイデン政権は先週中に大統領令を出す予定だったが、ウクライナ危機を重視する必要があるため、延期される可能性がある。
通常、規制変更の噂は投資家を不安にさせるものだが、賢明な規制は暗号市場に恩恵をもたらし、時間の経過とともに機関投資家の採用を加速させるだろう。暗号通貨がピアツーピアや企業間取引の主流となるためには、規制は避けて通れない。
ビットコインの供給量の76.5%が手つかずで残っており、暗号資産(仮想通貨)市場の成熟が進むにつれ、短中期的な不確実性が薄れるというワイスの見通しを裏付けている。
賢明な投資家は、暗号通貨の普及が常に進んでいるため、長期的にブームが起こるはずだと認識している。
健闘を祈る。
サム
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