カナダの石油事情
- 902 Views
- 2022年4月11日
- トピックス
今年に入ってから、幅広い株式市場が棒で叩かれているようだ。
- S&P500は最近10%以上下落した。
投資家は隠れ場所を探している。金融メディアは「安い」という理由で欧州株を勧め続けている。
可能性はある。もしかしたら、さらに安くなるかもしれない。だが、
- もしあなたが大規模で強気のトレンドに乗っている投資先をお探しなら、カナダに目を向けるといいだろう。
なぜなら、悪化するインフレ、原油価格、地政学的不安によってS&P500が押し潰されている一方で、カナダの株式市場はコモディティ価格、特に原油価格に支えられているからだ。
カナダは世界第4位の石油生産国で、第5位の天然ガス生産国だ。
米国エネルギー情報局(EIA)によると、カナダは日量530万バレルの石油を生産し、日量420万バレルの原油を生産している。
- そして、石油やガスの価格が高騰するにつれ、カナダの貿易収支も合わせて上昇している。
カナダは1月に26億2000万カナダドル以上の貿易黒字を計上した。
これは、市場予想を上回り、2008年9月以来の大幅な貿易黒字となった。1月の米国の貿易赤字897億ドルと比較してみて欲しい。
このカナダの黒字は、2月の原油価格高騰の前に計測されたものだ。次はどうなるだろうか?
この朗報はカナダの株価を押し上げており、その結果、カナダの株式ベンチマークであるTSXコンポジットは今年、S&P500が崩れ落ちる中、実際に上昇している。
これは異常だ。
通常、カナダは米国の動きを追随するものだが、 カナダは石油やガス、金、小麦など、値上げが続くコモディティの多くを生産している。
当然、これらのコモディティを生産する企業(多くのカナダ企業を含む)の利益を押し上げることになる。
ロシアの代用
ここに興味深い事実がある:
- 現時点で最新の2020年統計では、米国の原油輸入量全体に占めるカナダのシェアは61%に上昇した。
そして今、アメリカはロシアから石油を買うことを拒否している。米国は石油の7%をロシアから輸入していた。
2021年時点で、米国はロシアから1日当たり約20万9000バレルの原油と、さらに日量50万バレルのその他の石油製品を得ている。
カナダの情報筋によれば、カナダが蛇口を緩めれば、米国が使用しているロシアの石油と製品の3分の1を代替することができるという。
- しかも、それが近い将来実現するかもしれない。
つまり、高値ですでに好調なカナダの企業の中には、50州もある石油に飢えた隣国の需要を満たせば、さらに好調となる可能性がある。
自分自身に尋ねて欲しい。コモディティ価格を高騰させているインフレは、すぐに落ち着くだろうか?それとも、今後も価格は上昇し、コモディティの利益が増えるだろうか?
私は、価格が上昇し、カナダがより大きな利益を得ることに賭ける。
どう行動するか
カナダへの投資に触れる最も簡単な方法は、iシェアーズMSCIカナダETF(EWC)だ。
この上場投資信託(ETF)は、大手銀行から鉄道、石油・ガス会社、金鉱まで、あらゆる銘柄を保有している。経費率は0.7%で、株価は過去1年間で13.59%上昇している。
あるいは、カナダの企業を個別に購入してもよいだろう。
大きな利益を得たい、配当を増やしたいとお考えであれば、今がチャンスだ。
どのような取引であっても、取引を行う前には、必ず自分自身のデューデリジェンスを行うことを忘れないで頂きたい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。