アクセルを踏み込む金
- 872 Views
- 2022年4月14日
- トピックス
過去4週間のうち3週間、金は高値で推移した。
しかし、これは昨年末に始まり、1月に本格的に加速した、より大きな強気の動きの一部に過ぎない。
金はアクセルを踏み込んでいると言ってもいい。
この動きは、今の所、多くのテレビ番組コメンテーター達に広く無視されている。彼らが気付くころには、あなたは様々な形でお金を稼ぐことができる。
年初来、金は7%以上上昇している。これは、同時期に5%の損失を出したS&P500を大きく上回るものだ。
そして、金は1月28日に1800ドルを割り込み、振り返るとそれが底値となった。 そこから金は9.7%上昇している。
この動きの背景には何があるのか?専門家達は様々な理由を挙げている。
ウクライナの戦争。加速する世界的なインフレ。 ロシアへの制裁措置とそれに伴う多くのコモディティの価格高騰。
そして、金はFRBをはじめとする世界の中央銀行が強めているタカ派的な姿勢を無視している。
これらは、すべて事実だ。
しかし、金価格にはもっと注目されるべき大きな要因があり、3月8日につけた2043ドルの高値を超え、金をさらに上昇させるようなことが起こるかもしれない。
今、個人投資家がこぞって金塊を買っているという事実だ。様々な金券ショップで起こっている。そしてそれが、1月下旬から金が10%近くも上昇した最大の理由だ。
これが何か大きなことの始まりだと分かるのは、他にもある。
この需要の急増は、昨年に続くもので、昨年は金にとって素晴らしい年だった。 ワールド・ゴールド・カウンシルによると、2021年の金延べ棒とコインの需要は1124トンに達し、ほぼ過去10年で最高となった。
要因は何だろうか?
シンガポールのSilver Bullion Pte Ltdの創業者、グレゴー・グレガーセン氏は、自分が答えを知っていると考えている。グレガーセン氏によると、彼の会社では、ロシアのウクライナ侵攻を開始した最初の週に金と銀の売上が235%増加し、それ以来、需要はますます高まっていると言う。
「投資家はウクライナ戦争という最悪のシナリオに沿って考え、シンガポールのような安全な法域で現物の安全資産を購入することが賢明であると判断している。」と述べた。
しかし、それはシンガポールだけではない。ニューヨーク、ロンドン、ベルリンなど、世界各地の金地金販売店では、顧客が地金を求めて列をなしているという。
よって私は、金は上昇したとはいえ、まだまだ上昇する余地があると考えている。
私の金の短期的なターゲットは2100ドル。 長期的には、さらに上昇していくと考えられる。
金属にレバレッジをかけた金鉱業会社の株価はどうなるだろうか?
それを知る簡単な方法は、ヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF(GDXJ)だ。金と銀のジュニアおよび中型鉱山会社のバスケットで、保有銘柄は、パン・アメリカン・シルバー(PAAS)、ヤマナ・ゴールド(AUY)、SSRマイニング(SSRM)などが上位を占めている。
そして、GDXJは今、ブレイクアウトしているところだ。
GDXJが20日移動平均線(MA)に沿って上昇していることが分かる。20日MAは、短期的な弱気と強気の分かれ目となるラインで、GDXJは47.50ドル付近にある目先の抵抗線にすぐさま踏み込み、それを突き抜いた。
GDXJの次の目標は、おそらく61ドルだろう。
そこからどうなるか様子を見たい。しかし、金の動きを見ていると、それは短い休憩となるかもしれない。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。