迫るバランスシートの縮小、成長株は要注意
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- 2022年6月15日
- トピックス
ほとんどの銘柄が苦戦しており、米国債は暴落している。ウォール・ストリート・ジャーナルは「1842年以来最悪の債券市場」と呼んでいるが、その理由は明白だろう。
2008年以来、米連邦準備制度理事会(FRB)は無制限に紙幣を増刷しており、今、必然的な結果として、インフレの蔓延が表面化したのだ。
これまで続いてきた歴史的な強気相場が正式に終焉を迎えたというのが、現在の投資家にとっては残念な現実だ。そしてあなたの財産にとって最大の脅威かもしれない。
誰もが金利の上昇を話題にしているが、市場にとっては、密かに別の障害が現れ始めている。
FRBがバランスシートを切り詰めていることだ。
6月1日、中央銀行は8.9兆ドルのバランスシートを毎月475億ドルずつ縮小するプロセスを開始した。3カ月後には、縮小プログラムは月900億ドルに加速される。
誤解を恐れずに言えば、金利政策は、米国がインフレと景気後退の危機をどう乗り切るかについて決定的に重要なものだ。ただ、ウォールストリートで利上げが議論されている間、バランスシートの縮小は見過ごされているように見える。
この過程で市場の流動性が失われ、結果的に高倍率で取引されている企業が売り込まれた場合のダメージは大きい。
私は、これまで経済は底堅さを示してきたため、広範な市場の急落は起こらないだろうと考えているが、成長株からバリュー投資へのシフトが続くと見ている。
FRBのバランスシートは、パンデミックが始まって以降、2倍以上に膨張している。
FRBの総資産を減らす流れが始まっていることが分かるだろう。インフレが猛威を振るう中、FRBは手綱を引き締めるしかない。
FRBが資産購入を再開する前に、バランスシートを一度に7500億ドル以上切り詰めたことはないという点に留意することが重要だ。
前回、2017年から2019年にかけて、そのプログラムは毎月500億ドル(今から3カ月後に予想される割合の約半分)の資産を減少させた。今回は、より大きな規模となる。
短期的な市場の不確実性に備えるには、iシェアーズ・コアS&P米国バリューETF(IUSV)をチェックすると良いかもしれない。
反発のためのETF
米国中型・大型株を含むバリュー株の指数に連動する投資成果を目指すファンドだ。
これらの企業は一般的に低い倍率で取引されており、潜在的な急落の際に評価額の急激な変動に強いという特徴がある。
このファンドの直近12カ月(TTM)の株価収益率(PER)は17.14倍で、S&P500の直近12カ月のPER20.76倍より約17%低い水準となっている。
IUSVは、すべての市場セクターで742のポジションを保有し、大きく分散している。組入れ上位3銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、エクソンモービル(XOM)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)で、ファンドの7.5%を占めている。
IUSVは118億ドル以上の純資産を運用し、適切な流動性を伴って取引されており、1日平均約60万株の取引がある。
ファンドの経費率は僅か0.04%。配当利回りは2%で、手数料の何と50倍もの金額を支払っている。
IUSVのチャートを見ると、S&P500が史上最高値から20%以上下落した際にも、ほとんど動かなかったことがわかる。
このファンドは、69ドルを強力なサポートとして確立しており、これからブレイクアウトを試みる際に目先の抵抗線を試すだろう。
これは非常に強力な投資アイデアのように見えるが、ポジションに入る前には必ず自分自身で調べることを忘れないで欲しい。
FRBの経済引き締め政策で市場がパニックになれば、このETFは、素晴らしい動きを見せるかもしれない。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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