半導体セクターを牽引するビッグニュース
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- 2023年1月13日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanです。
半導体セクターETFのSMHは昨年、一時47%と大きく下落しました。
しかし10月の安値以降、34%も急回復を見せています。
代表的な半導体株を見てみるとエヌビディアは底値から+47%、インテルは+19%、TSMCは+44%、ASMLはなんと+72%と非常に力強い上昇を見せています。
半導体は産業のコメと呼ばれ、PCやスマートフォンから冷蔵庫や洗濯機、水道メーターまで日常のあらゆる場所で使われています。
長期の視点に立てば、半導体銘柄をポートフォリオに組み込むことは賢明な選択肢になるでしょう。
では、この急回復に乗り遅れないため今掴み取るべき銘柄は何か?
今回は、Weiss Ratingsのアナリストでテクノロジー投資のスペシャリスト、ジョン・マークマン氏の分析をお届けします。
10月の安値以降、半導体企業の株価は静かに相場全体の上昇を牽引している。本番はこれからだ。
1月第1週に、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の経営陣は、次世代3ナノメートルチップの量産を台湾で開始すると発表した。
このチップは、性能を大幅に向上させながら、消費電力を35%削減することができる。そして、この進化は半導体セクターにおける大きなニュースだ。
投資家は、ブロードコム(AVGO) の株を購入することを検討すべきだろう。詳しくご説明したい。
半導体株は評判が低迷している。一括りにされているのが現状だ。アナリストの中には、チップは供給過剰であり、家電メーカーがパンデミックによる需要バブルを乗り切る中、このセクターは避けるべきだと主張する人さえいる。
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この議論のベースには、真実が半分含まれている。
パンデミックによって、サプライチェーンのひずみが生じたのは事実だ。企業、学生、そして多くの消費者が、リモートワークのブームに乗って新しいコンピュータ、スマートフォン、デスクトップモニター、ウェブカメラ、そして高価なマウスを購入した。これらの機器はすべて、すでに不足気味となっていたチップを使用していた。そこで、生産会社は、さらに多くのチップを発注した。
景気が回復し、金利が上昇し始めると、パソコンやスマートフォンの需要が鈍化した。そして2022年10月以降、デル・テクノロジーズ(DELL)やHP(HPQ)などのコンピュータ企業、マイクロン・テクノロジー(MU)、インテル(INTC)、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)、エヌビディア(NVDA)などのチップメーカーが在庫の増加を発表し始めた。
iシェアーズ半導体ETF(SOXX)は、製造業者や装置会社から特殊なプロセッサ設計業者まで、幅広いチップビジネスの株式を保有している。SOXXは10月中旬に287ドルで取引され、1月に記録した上場投資信託の最高値から47%下落した。
しかし、設備機器や専門企業の株式に牽引され、ETFは12月に400ドルまで急反発し、現在は363ドルで取引されている。次のことを認識することが、決定的に重要だ。
半導体セクターは一枚岩ではない
弱気なアナリストや投資家は、愚かにも、PCビジネスとその周辺機器にほとんど依存していた1990年代のこのセクターをイメージしている。現在の半導体セクターは、より広範な分野に及んでおり、トースターや洗濯機から電球に至るまで、あらゆるものの重要な構成要素だ。
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このチップ分野の進化は、小型化とコネクティビティに関わるものだ。
アップル(AAPL)の最新チップの1つには、1140億個のトランジスターが搭載されている。英国の資産運用会社Baillie Giffordによると、1993年に製造されたインテルの最初のPentiumプロセッサは、わずか310万個のトランジスタしか搭載していなかった。
新しい高密度チップは、ほんの数十年前まではSFのように思えた様々なことを可能にしている。スマートフォン、クラウド上のスーパーコンピュータ、人工知能を駆使して常に進化を続けるソフトウェア・アプリケーションは、文明の流れを大きく変えた。 共通するのは、より高性能なチップと、より高速な通信ネットワークだ。
ブロードコム: コネクティビティ・カンパニー
カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社が半導体業界の中心にあるのは、2000年代初頭に同社の経営陣が賢明にも、デジタルおよびアナログ半導体の基礎となる知的財産を次々と買収していったからだ。
9月に行われた企業調査では、有効な特許ポートフォリオは1万9000件以上と発表されている。この重要なIPは、アップル、サムスン電子(SSNLF)、HP、デル、AT&T(T)、シスコ・システムズ(CSCO)、その他多くの通信大企業を捕虜にしている。ブロードコムの製品がなければ、接続は不可能であるため、TSMが新しい最先端チップを現在構築している中では、ブロードコムが大きな勝者となる。
世界経済がどのような状況になろうとも、技術の進歩は衰えることはない。次世代マイクロプロセッサーは、AIや新しいデバイスカテゴリーの異種ネットワーク接続など、今後の課題を解決するための大きな役割を担っている。
投資家は気づいている。
10月の420ドルで取引されていた株価は、現在588.43 ドルで、株価収益率(PER)は13.5倍、株価売上高倍率(PSR)は7倍となっている。
投資家は、下落局面でブロードコムの購入を検討するとよいだろう。いつも通り、取引に入る前にご自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないで頂きたい。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
マークマン氏が取り上げた半導体銘柄、ブロードコムは10月の安値から36%も上昇。高値からの下落率は12%ほどと、半導体銘柄の中でもかなり力強い値動きを継続しています。
さらには3%を超える配当利回りがあり、かつ、10年で配当を27倍以上に増やした連続増配銘柄でもあります。
株価の成長性、配当収益ともに非常にバランスがいい銘柄と言えるでしょう。
多くの日本人にとってブロードコムはエヌビディアやインテルほどの知名度がない、地味で目立たない銘柄だと思うでしょう。
しかし、そうしたところにこそ優れた投資機会が眠っています。
以前、ジョン・マークマン氏が見つけ出した「ゴミ山からアップル以上の利益成長」を生み出した「Trash Rich Elite」もまさにそんな地味で目立たない、しかし着実に投資家を豊かにしてくれるであろう投資先です。
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※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。