FRBがとんでもない動きを取る中、何を買うべきか
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- 2023年3月8日
- トピックス

米国の経済はかなり良いペースで成長している。アトランタ連銀のGDPNowモデルによる2023年第1四半期の実質国内総生産成長率の推定値は2.8%だ。
少し前までは、マイナスだった。一方、失業率は50年来の低水準で推移している。労働者はより高い賃金を求め、そして手にしている。
これらはすべて良いニュースだ。では、なぜこれほど心配する必要があるのか?
その理由をお話ししたい。FRBの取っている動きだ。このグレーのスーツを着た人間の集まったグループは、インフレに固執している。昨年の9.1%を大きく下回っているものの、1月の消費者物価指数は年率6.4%で推移している。
FRBは2%前後のインフレを望んでいるため、これによってFRBメンバーは発狂してしまった。
2月1日に終了したFRB公開市場委員会の最終会合で、メンバーは全会一致で連邦資金金利を25bp(ベーシスポイント)引き上げ、4.5%から4.75%の範囲にすることを決定した。だが、一部では50bpsの引き上げを主張する声もあった。
そして、最新のコア個人消費支出データが発表された。FRBはこれを非常に注視しており、前年比で4.7%上昇であった。
つまり、CPIとPCEのどちらの数字に従うにせよ、インフレはFRBにとって熱すぎる。一部のFRBウォッチャーは、FRBの次の動きは50bpsの引き上げになる可能性があると述べている。それだけではない。
その結果、トレーダーはFRBが最終的にどの程度の金利引き上げを行うかについての賭けを変えている。下の表では、ほとんどのトレーダーが6月までにFRBの基準金利が少なくとも75bps上昇すると予想している。

不動産は、金利の上昇によってすでに大きな混乱を受けた。金利上昇で手が出せず、住宅販売が急減し、新築住宅の着工が減少した。FRBは気にしていない。
自動車市場はどうだろうか。消費者は、コモディティのインフレのせいで高金利の自動車ローンを組まされ、その金利は上がり続けているが、FRBは気にしていない。
インフレには様々な原因があり、FRBが金利を上げることで抑制できるものは問題の一部に過ぎないという事実はどうか?FRBはお構いなしだ。
ここで、インフレについて補足しておこう。私は、FRBのインフレへの執着は少し行き過ぎで、経済を犠牲にしていると考えているが、それはまだ続くこともわかっている。インフレには波があり、今はまさに最初のうねりだ。
FRBはインフレに一心不乱に取り組むあまり、どんどん金利を上げようとしている。恐ろしいのは、FRBがどこまでやるのか、市場が織り込んでいないリスクが高まっている点だ。6月の5.5%予想は、さらなる金利上昇への道しるべに過ぎないかもしれない。
はっきりと言おう。私が一番恐れているのは、FRBはインフレ率が下がりさえすれば、経済にどんなダメージを与えても構わないと考えている。
そして、それは3つのことを意味している:
1. ロールオーバーやリファイナンスが必要な企業は、金利が上昇し、業績が悪化すれば、苦境に立たされることになる。さらに、今期はS&P500の収益が4.3%減少すると予想されている。金利の上昇に伴い、著名な大企業が打撃を受ける可能性がある。
2. どこかの時点で、金利の上昇は経済の仕組みをガラリと変えることになるだろう。FRBは私たちを景気後退、もしくはもっと酷い道へと導いている。
3. 最初の2つが重なれば、市場全体が大きく売られる可能性がある。
私がなぜ心配しているのか、おわかりいただけただろうか?
では、どうすればよいのか?
まず、プットオプションやインバースETF(市場が下がると上がるように設計されたファンド)などで、少なくとも部分的にポートフォリオを保護することができる。
そして、もしあなたがお金を安全に保管する方法を探しているのなら、私の行っている方法を教えたい。私は、米国債を買っている。
そう、退屈でつまらない国債だ。だが本題はここからだ。FRBの執拗な利上げのおかげで、1年物国債の利回りが5%を超えるものが出てきた。これは長期平均の2.87%より高く、1年前の4.5倍だ。

これが市場の重荷になっている部分もあるだろう。大口投資家が株式から資金を引き揚げて1年物国債に投資している。1年物で5%の利回りは、今、かなり良く見えるからだ。
インフレ率よりは低いが、FRBが経済を壊してまでやることとはいえ、インフレはおそらく下がってきている。
この状況下では、1年物国債は非常に良いと言える。これが私の購入理由だ。
債券ETFはどうだろうか?
良さそうなものもある。私はUS Treasury 3 Month Bill ETF(TBIL)を気に入っている。流動性があり、毎月配当金が支払われる。また、同じく毎月配当金を支払うiShares Short Maturity Bond ETF(NEAR)も良い。
最後は、iShares iBonds 2024 Term High Yield and Income ETF (IBHD)。このファンドも月払いで、iBondsの金利は6ヶ月ごとにインフレ調整される。
FRBが経済を破壊するとは確定していないが、深刻なダメージを与える確率は、利上げのたびに上がっている。
このような状況下では、ヘッジポジションを取り、ポートフォリオを守ると良いだろう。国債の高い利回りは、その手段を提供してくれる。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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