暗号のムーンショットを後押しする中央銀行による貨幣印刷の祭典
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- 2023年5月2日
- トピックス
金融市場の値動きの原動力について、ソーシャル・メディアの見出しのことをあれこれ言う輩は、決して黙ることがないようで、まるで市場の魔術師であるかのように、延々と喋り続ける。
少し秘密をお教えすると、すべてナンセンスだということである。
過去15年間、金融資産にとって真に重要なものはただ一つ、中央銀行の流動性であった。
中央銀行がお金を刷り始めると、まるで手品のようになことが起こる。あらゆるものが値上がりしていく。
しかし、騙されないように。これは本当の富の創造とは言えない。これは、免れることのできないソブリン債バブルの崩壊を遅らせるために、金融聖職者が作り出した煙幕に過ぎない。
そして、私的な負債についても触れないようにしよう。
ここでは、世界最大の経済大国と、そのGDPに占める公的及び私的債務の山について、少しご紹介しよう。
– 欧州連合(EU):254%
– 米国:298%
– 日本:490%
– イギリス:272%
– 中国:422%
印象的だ。恐ろしいというべきだろうか。
この負債は基本的に返済不可能であるため、先進国の経済は常に財政の崖っぷちに立たされている。奈落の底に転落するのを避ける唯一の方法は、お金を刷って、デフォルトになるような債務を買い戻すことだ。
そして、印刷する!
2008年以降、中央銀行は流動性を4.5倍増加させた。 まるで終わりのない金策パーティーのようだ。
さて、株式市場についてはどうだろうか。2008年以降、世界の流動性とナスダックのパフォーマンスには、97%という驚異的な相関関係がある。暗号の場合は86%だ。
つまり、中央銀行が印刷すれば、資産価格は上昇する。
金利やインフレのことは忘れよう。気晴らしにしかならない。
重要なのは、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長と国際的な紙幣印刷者の一団が本格的に動き出すかどうかだけだ。
最近、FRBは暴走しており、3月以降バランスシートを数千億円拡大している。イールド・カーブ・コントロール(YCC)の一種を始めたほどで、私はこれをYCC-ライトと呼んでいる。
FRBは国債に対して額面通りに貸し付けることで、実質的にソブリン債の価格を固定し、「量的緩和」と言えるよりも早く、利回りが高騰して政府が破綻するのを防いでいる。
銀行が保有する水面下の国債についてはどうだろうか。彼らは実質的にFRBに買ってくれと懇願しているようなものだろう!
実際、米国の銀行システムは現在、1970年代以降で最大の銀行預金の減少を経験している。9/11のアメリカ同時多発テロ事件の余波の間に経験したものを除けば、だ。
なぜ、このようなことが問題になるのか?銀行は引き出しに対応するために、大量の債券ポートフォリオを清算する必要があり、FRBはさらにお金を刷らざるを得なくなる。
YCC-ライトでは、誰がその債券に最高額を支払っていると思うだろうか?ご存知のとおり、FRBである。
つまり、銀行からお金を引き出す人々、低い税収、高金利、熱心でない外国人投資家が混ざり合って、買い手のいない大量の債券を作り出したのだ。もちろん、FRBとその印刷機を除いては、であるが。
要するに、お金の印刷は今後も続くだろうー2023年以降も。 暗号資産にとっては、それは月への片道切符のようなものだ。
では、アレックスの見解を紹介しよう。
COVID-19による貨幣印刷の狂乱によって引き起こされた暗号ブームが思い出される。
2020年3月の暗号価格の大暴落が、歴史上最も注目すべき強気な展開に変わったことを鮮明に覚えている。当時、ビットコイン(BTC、格付け「A-」)は、容赦ないお金の印刷によって、4000ドル以下から69000ドルという驚異的な高騰を遂げた。
今年の初めにFRBが貨幣の増刷に熱中したことを考えると、暗号市場が華々しいアンコール・パフォーマンスを行う可能性は十分にある。
そしてこの記事のタイトルが示すように、貨幣の印刷は暗号のムーンショットにとって究極のロケット燃料である。
現在、暗号市場は一歩後退し、先週の上昇分を帳消しにした。
投資家たちが、これが上昇途中の単なる一時的な下落なのか、それとも最近の上昇の終わりなのかを心配しているため、マーケットリーダーたちは現在、支持線の水準を試している。
個人的には、これは単なる一次的な下落であり、上昇の終わりでは無いと考えたいところだ。しかし、今週末の値動きは、状況を判断する上で重要な示唆を与えてくれるはずだ。
このマイナスの値動きの一部は、証券取引委員会のゲーリー・ゲンスラー委員長が今週行った議会証言によって悪化した、米国の規制に対する懸念に起因すると考えられる。
さらに、コインベース・グローバル(COIN)が海外移転を検討する可能性があり、すでに海外のデリバティブ取引所の追加を検討しているというニュースは、間違いなくアメリカの投資家を動揺させた。
最近、ビットコインは以前の取引レンジに後退しており、週末にかけてサポートがどうなるかを注視する。
ビットコインは現在28000ドルのすぐ上で取引されており、現在の価格から27000ドルの間で自発的な買い手が見つかるはずだ。しかし、現在の上昇を維持するには、赤い水平線の上に跳ね返される必要がある。
Coinbase(コインベース)
イーサリアム(ETH、格付け「B」)については、今週の値動きはトレーダーにとってあまり喜ばしくないものだった。
イーサリアムは過去7日間で約10%下落し、重要な2000ドルレベルを再び下回る水準に沈んでいる。イーサリアムは現在、移動平均線の少し下で取引されているが、この上昇を維持するには、2000ドルレベルを回復する必要がある。
そうでなければ、現在の価格と1750ドルの間にサポートをいくつも見つけることができるはずだ。
Coinbase(コインベース)
仮に今回の上昇が終了したとしても、中長期的な市場の見通しは変わっていない。
FRBをはじめとする中央銀行が貨幣印刷機を焚き、暗号の価格が上昇するのは必定だ。
いつものように、上昇は一筋縄ではいかないであろう。そして時には、私たちの決意が試されることになる。とはいえ、これは瞬間ではなく運きなのだから、確信を持って進まなければならない。
ジュアン&アレックス