アマゾン株はCランクなのに投資すべき?
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- 2023年11月21日
- トピックス
アマゾンがついに、ネットショッピングで車を販売することが発表されました。
韓国の大手自動車メーカー現代自動車と提携し、来年から米国内でオンライン販売するそうです。その仕組みは、アマゾンのサイト上で車種や装備選択などを選び、地元の現代自動車販売店で納車するといったようなもの。
このように続々と新しい試みを始めているアマゾンは最近、素晴らしい決算を発表し、Weiss Ratingsの評価も格上げされました。
Weiss Ratingsの格付けは「C」ですが、格付けシステムの総責任者であるギャビン・マゴール氏はアマゾンを「要注目のC銘柄」だと言います。
なぜ、まだC評価のアマゾンに注目するのか?
それでは、マゴール氏の記事をご覧ください。
今年は「最高の時代でもあり、最悪の時代でもあった。」
これはチャールズ・ディケンズの名作「二都物語」の冒頭である。この言葉は、今年の株式市場にも当てはまる。
7月31日、S&P500種株価指数は年初来約20%上昇した。10月27日には約10%下落したのち、現在は7月31日の年初来最高値をつけた水準まで回復している。今の市場は、はっきりしない市場環境、つまり「慎重ながらに楽観的だ」と私は見ている。7月以降のS&P500種株価指数が売り優勢になった大きな理由は、債券市場において国債利回りが上昇し、売りに大きな圧力がかかったからである。
金利変動やインフレ、地政学的な不安定さなどの多くの問題があるため、私は慎重な見方をしている。しかし、米国経済の好調ぶり、消費者の支出増、企業収益の堅調さ、海外からの投資という事実には楽観的な見方もしている。
私は10月末ごろに、半年以内にS&P500種株価指数が今年7月の水準に反発する、そう考えていたが、予想より早く7月の水準まで回復した。しかし、2021年12月につけた史上最高値に再び近づくには、まだまだ時間がかかりそうだ。
投資家が常にリターンを狙うための方法の一つは、Weiss Ratingsの格付けを見ることだ。そして今日は、前四半期、つまり7〜9月の間に格上げされたばかりの主要銘柄に注目していただきたい。それは、アマゾン(AMZN)だ。
8月にWeiss Ratingsはアマゾンを「D+」から「C」に格上げしたが、その理由を理解するのは難しくない。アマゾンの利益が急上昇し、成長が加速しているからだ。
あなたもアマゾンをよく知っているだろう。インターネットショッピング界の巨人であるアマゾンで買い物をしたことがあるだろうし、もしかしたらあなたはプライム会員なのかもしれない。つまり、私たちはプライム会員でなければ、サーズデーナイトフットボールの試合(レギュラーシーズンの木曜夜に行われるNFLの試合)を見ることができない。(※日本では、視聴することはできない)
多くの人にとって、アマゾンは生活の中心になりつつある。信じられないほどの利便性から私はそのように思う。ほぼすべての商品が1〜2日以内に発送され、私たちの買い物のスタイルはここ数年ですっかり変わってしまった。
しかし、あなたはこの企業がどれほど巨大になっているかはご存知ないかもしれない。そして、もしあなたがアマゾンに投資していないなら、投資すべきなのだろうか?
現在の見通しは強気なので、Weiss RatingsのStock Screenerの評価が「保持」の領域にアップグレードされたのをみても驚きはしないだろう。
アマゾンCEOのベゾスさえ信じられないほどの速さで流れ込んでくる利益
現在、アマゾンは時価総額で世界第5位の企業で、米国のオンライン小売売上高の38%を占めている。
今年、アマゾンは毎年恒例のアマゾン・プライムデーで、多くの商品を大幅に値下げし、アメリカではわずか2日間で129億ドルを売り上げた。
上のグラフは、アマゾンの年間売上高を示しているのだが、年々増加しているのは容易に理解できる。
アマゾンは2017年4月25日、Weiss Ratingsの格付けで「買い」と評価された。それ以来、株価は222%上昇している。その後、格付けは変わり続けたが、現在は「保持」の領域である「C」に格上げされている。
10月26日に発表された直近の決算発表も含め、過去3回の決算は印象的なものであった。
Weiss Ratingsの格付けシステムの素晴らしい点の一つは、直近の一時的な評価ではなく、安全性に重きを置いた全体像を見ることができることだ。
例えば、私たちが8月にアマゾンの株を格上げした理由について、具体例を見てみよう。
営業キャッシュフローは244%急増し、1株あたり利益も急増した。さらに税引き前利益は55%という驚異的な伸びを記録した。これらはすべてポジティブな財務指標であり、それぞれの指標がこの1年で着実に増加していることから、現在「保持」である「C」の理由も理解しやすいだろう。
アマゾンが常に力強い企業であったことは明らかだが、年初は割高な水準に達していた。だから「D」、「売り」と評価されたのだ。企業は時には自分の会社が強みを持っていることを証明する必要があるが、利益を伸ばしたアマゾンの決算を見ればそれは明らかだ。これが、投資家がアマゾン株に注目すべきだと私が考える大きな理由だ。
そして、忘れてはならないのは、アマゾンは小売業だけではないということだ。クラウド事業を行うアマゾン・ウェブ・サービス、アマゾン・プライムビデオ向けに映画や番組などのコンテンツを制作するアマゾン・スタジオ、食料品配達を行うホールフーズ、その他多くの分野など、同社は他の主要な産業にも進出している。
例えば、アマゾン・ウェブ・サービスは昨年800億ドルの売上だ。これは昨年のソニーの売上に匹敵するほどで、この部門だけでも1つの巨大企業だと言えるだろう。
アマゾンは、さらに拡大する機会を窺っている。良いタイミングがあれば、どの分野にでも進出するだろう。そして、これまでの事業を拡大させてきた歴史とWeiss Ratingsの評価が示すように、アマゾンは投資家に対して、まだまだ成長の余地があることを証明する準備が整っているようだ。
Weiss Ratingsの格付けはアマゾン株に注視することを推奨している。
健闘を祈って。
ギャビン・マゴール
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。