7年で143万ドルの資産増
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- 2023年11月21日
- トピックス
この記事は投資月刊誌「月刊Weiss Ratings」12月号でナイルズ・マティブ氏が語った内容を無料メルマガ用に追記・編集してお届けしています。月刊Weiss Ratingsをご購読中の方は、ぜひ12月号の内容も併せてご覧ください。
私が妻と車道を歩いていると、隣の玄関ポーチからけたたましい声が聞こえてきた。「あんなボロボロの家に100万ドル以上も払うなんて、信じられないね」
ちょうど7年前に購入した家を初めて見に行ったときのことだ。
隣人が100万ドルの価値がないと言った私の家は現在、私が支払った金額より100万ドルも以上も高くなっている。7年で100万ドル以上の資産増だ。私がこれまで行ってきた投資の中で、単一の投資先としては最大の利益となった。
一方の隣人は、約30年間の土地を借りていたが、大家が急遽売りに出したため、トレーラーハウスへの引っ越しを余儀なくされた。
正直なところ、隣人の視点はとても理解しやすかった。
この話は隣人をあざ笑うためにしているのではない。正直、隣人の言うことはもっともだった。
この家はわずか1068平方フィート(約100平米)だった。1953年に建てられ、手入れは行き届いていたが、設備は古いままだった。軒先のひとつにシロアリの被害が見られた。裏庭の芝生は手入れされておらず、キッチンには1950年代のウェッジウッドのコンロが残っていた。
この物件のどこに 120 万ドルという提示価格に見合う価値があるのだろうか?特に、当時、既に何年も値上がりしてきたことを考えればなおさらだった。
懐疑的な隣人と同じように、私は成人してからのほとんどを賃貸暮らしで過ごしてきた。
20 代前半のころは、ニューヨークで欲しい物件を買うには頭金が足りなかったからだ。そして 30 代前半の頃は、住宅バブルが鮮明だった南フロリダに住んでいた。
しかし住宅市場の暴落が起きてから、すべてが変わった。
私はついに資金とタイミングの両方を手に入れた。
まず、フィラデルフィア郊外の高級住宅街にある美しい川沿いの物件を購入した。
その後、ニュージャージー州ケープ・メイのビーチに別荘を購入した。
そして、両物件の価値が順調に上昇した後、私たち夫婦はカリフォルニアに引っ越すことに決めた。かなり長い間やりたいと話していたことだ。私たちは、新居を構えたいと思っていたエリアであるサンタバーバラに慣れるため、1 年間賃貸で暮らした。
そして、20 年以上にわたる私の経験に基づく物件精査で、私たちが狙っている家が、これまでの値上がりや現在の高い購入価格、そして明らかな欠点があるにもかかわらず、まだ絶好のチャンスであるという結論に至った。それから7 年後、その考えは想像以上に正しかったことが証明された。すべての投資家が何かしらの不動産を所有すべきだという私の信念はさらに強くなった。
個別物件の購入が有利な理由
不動産投資についてこの記事だけで網羅することはできない。不動産投資についての本がたくさんあるように、不動産投資には膨大な知識が必要だ。
しかし、私が最も重要だと考えている基本的コンセプトについて話すことはできる。それは、不動産を丸ごと一軒を購入するというものだ。
いくつかの理由から、これが不最も有利な方法だと考えている。
まず、何を、どこで、いつ買うかを正確に決める。
私のサンタバーバラの家を例に取ろう。私がこの物件を選んだのは、立地がよく、小学校も近く、買い物も徒歩圏内だったからだ。しかも、すぐ近くに素晴らしいビーチがあり、眼下にはサンタバーバラ港が広がっている。
また、この地域は地理的条件や建築基準法が非常に厳しいため、住宅在庫は常に限られている。
コロナパンデミックの後、さまざまな設備が整って天候にも恵まれた地域に住みたいと考える人が増えていた。私の物件はそのニーズを満たすものであり、物件の価値を上昇させてきた。
つまり、適切な「場所、場所、場所(三回言ったのはそれだけ重要だからだ)」の物件を、適切なタイミングで選ぶことで、不動産投資によって資産を増やすことが狙えるのだ。
第二に、テコの力を利用できる。
レバレッジとは、自身の資金だけでは買えないものを、借金の力によって手に入れることで、投資の世界では評判が悪い。
しかしどんな道具でもそうであるように、すべては使い方次第だ。
短期トレードでレバレッジを多用すると、借りた金額以上の負債を抱える可能性もある。
一方、住宅ローンもレバレッジの一つだ。住宅を現金一括で買う人などほとんどいない。誰もがレバレッジを使っている。
住宅バブルの最中に頭金を入れず投機を繰り返していた人にとって、レバレッジは悪夢のような結果をもたらした。しかし全体的に見れば、不動産は時間の経過とともに値上がりする傾向がある。そのため、多くの借り手はレバレッジによって利益を得ることができる。。
ここ数年は特に、ほとんどの人が不動産投資で資産を増やし続けている。
例えば、私が2016年に116万9000ドルを現金で支払っていたとしよう。
私が行った改修や追加投資はさておき、その家は現在、約260万ドルの価値があると査定されている。もし売却すれば、最初の投資額に対して143万1000ドル(7年足らずで122%の利益)を得ることになる!
私は綿密に計画を立て、シミュレーションした上で物件の購入を決断したが、正直にいって予想以上のリターンだ。
だが私は116万9000ドルを現金で支払ってはいない。頭金を20%入れ、残りは借りた。
私の先行投資はわずか23万4000ドルだった。そこから得た利益は?同じ143万1000ドルだ。
投資資金に対する利回りは?驚くことに、612%だ。
もちろんシンプルにするために、住宅ローンの金利や税金、リフォームのコストなどは考慮していない、7年間この家に住んだわけだが、代わりに賃貸に住んでいた場合と比較して節約できた莫大な家賃のことも考慮していない。
重要なことは、レバレッジによってリターンが122%から612%へ、ほぼ5倍になったということだ。
もちろん住宅を購入する魅力は、資産価値が増えることだけではない。
第三に、準備が整えばいつでもスマートにリノベできる。
私の家はオーシャンビューの高台にあり、車2台分のガレージがある。
ガレージを独立したユニット住宅に改造するのは簡単だと思い、最近、約20万ドルをかけてリフォームした。私の住む町の坪単価からすると、このユニット住宅には書類上すでに約60万ドルの価値があり、賃貸に出せば年間3万ドル以上の収入を見込むこともできる。
さらに裏庭にあったモダンな小屋を増築し、120平方フィートの独立したホームオフィスを2万ドル強で手に入れた。
何も古屋やガレージばかり改修しているわけではない。本邸にもリフォームを加え、バスルームをもう1つ追加し、大きなオーシャンビューのデッキを造った。
これらのリノベーショによって、2016年の購入以来、私が享受してきた資本上昇がさらに加速し、元々の購入価格に50~60%の価値を上乗せした。
適切な不動産を所有すれば、時間の経過とともに多くの価値を引き出すことができるのだ。
第四に、多くの税制優遇措置やその他の特別な恩恵を受けることができる。
これもまた、会計士や弁護士などの専門家が何ページにもわたって洞察しなければならないような、密度の濃いテーマのひとつである。また日本では事情が違うだろう。
しかし非常によく知られている税制措置の中にも、この場であえて取り上げる価値のあるものもある。(日本にも似たような制度があると聞いている)
住宅ローン控除だ。私の場合はこれによって年間何千ドルも節約できた。
固定資産税の控除もある。年間1万ドルという上限が設定されているが、何百万人もの米国民にとって有益なものだ。
また住宅を売却した場合、最大50万ドルものキャピタルゲインに対して、連邦税から除外できる制度もある。
私の結論はこうだ。
適切な物件を所有するだけで、生涯の資産計画の大半を準備できる。
幸運を祈って。
ナイルズ・マティブ
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